銀行員がよく使う!?「小員」は一般的な言葉なの?

みなさんは「小員(しょういん)」という言葉を聞いたことがありますか?「小員」とは、「小社」や「小職」「小生」などと同様に自分側をへりくだって表現する言葉です。

銀行員がよく使う!?「小員」は一般的な言葉なの?

「小」という語には”自分側を謙遜する”意味がある

元来、「小」という語には”自分側を謙遜する(へりくだる)”意味があります。

例えば「小社」や「小職」「小生」、いずれの言葉も自分側を謙遜して「自分の会社」や「自分の職(主に国家公務員)」「自分自身」を表現することになります。

主にビジネス上の手紙やメール文などで用いられる言葉です。

そして、これら自分側を謙遜して表現する言葉のひとつに「小員」という言葉があります。

「小員」は誰が使うの?

「小員」は主に銀行員が使う言葉であるとされています。そう、銀行”員”がへりくだるので「小”員”」となるわけです。

ちなみに銀行(都市銀行2行、地方銀行1行)に勤務する知人3人に尋ねたところ、3名全員が「小員」という言葉を実際に使う、また見たり聞いたりしたことがあると答えました(「小員」の他にも「弊員」という言葉があるのだとか)。

と、ここで疑問が出てきます。会社勤めのビジネスパーソンも会社”員”ですし、研究”員”や職”員”といった立場にある人もいます。会社勤めのビジネスパーソンにあるような人も、銀行員と同じように「小員」(もしくは「弊員」)という言葉を使ってもよいのでしょうか?

「小員」は銀行員以外にはあまり使われない?

知人のなるべくお堅い大手企業に勤務する若手・中堅ビジネスパーソン8人に聞いてみたところ、「小員」という言葉を実際に使ったことがあるという人はいませんでした。見たり聞いたりしたことがあると答えたのは、中堅ビジネスパーソン(流通業界・放送業界)の2名のみ。

母集団が少ないので、これだけでは判断がつきませんが、銀行員以外にはあまり一般的に用いられる言葉ではないのかもしれません。

また、手元にある岩波書店の『広辞苑』(第五版)で調べてみたところ、「小社」や「小職」「小生」に関しては記述がある一方、残念ながら「小員」(「弊員」)に関する記述は見あたりませんでした。

「小員」「弊員」は業界、組織の慣習として用いられている言葉?

先ほど質問に答えてくれた銀行員のうち、都市銀行に勤務する人物が「小員」と「弊員」について次のような見解を示してくれました。

  • 個人的には「小員」「弊員」は業界、組織の慣習として用いられている言葉だと認識しています。
  • 銀行業界以外でも「小員」「弊員」が組織の慣習として用いられている企業があると聞いたことがあります。
  • 「小員」「弊員」という言葉が一般的な言葉ではない業界や組織に所属していた場合、「小員」「弊員」という言葉に違和感を感じることもあるでしょう。
  • 個人的には「小員」「弊員」という言葉は業界、組織内では自分自身を謙遜する記号として機能するものの、一般的な言葉ではないと思うので、異業種の方に手紙やメールをする際は「小員」「弊員」は使用せず、TPOに応じて他の言葉で代用するようにしています。

とのこと。ちなみに地方銀行に勤務する知人もやはり個人的にですが「退社したら使わないだろう」との見解を示しています。

「小員」「弊員」は使うべきか使わざるべきか

図書館で様々な文献を調べてみましたが、「小員」「弊員」について明確な使い方を示しているものはありませんでした。

一方、ネット上では従来言われているように、「小員」は銀行業界で慣習として用いられているという意見が根強いようです。

「小員」にせよ「弊員」にせよ、銀行員以外の会社勤めのビジネスパーソンや研究員や職員といった立場にある人が使ってはいけないことはないでしょうが、業界、組織内で慣習的に用いられていないのであるならば、あまり一般的な言葉ではないようなので、積極的には用いないほうが無難であるのかもしれませんね。

※本記事は2015年12月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。