「カニバリ」「カニバル」の意味、覚え方 カニバリゼーションは避けるべき?

「カニバリ」「カニバル」の意味、覚え方 カニバリゼーションは避けるべき?

「カニバリ」は「カニバリゼーション」の略で、自社の子会社や店舗が互いに競合してしまうことです。

例えばチェーン店が新しい店舗を出すと、新しい店舗が近くの古い店舗の顧客を奪い、古い店舗の売上が減ってしまうことがあります。

また「カニバル」というと「カニバリゼーションが起きる」という意味の動詞になります。

「カニバリ」「カニバル」の覚え方

そもそも英語で「cannibalization(カニバリゼーション)」は「共食い」の意味です。 昆虫など、一部の生物の生態に対して使われます。

また英語では、マーケティングの用語として「Cannibalization Marketing」という言葉もあります。

「Cannibalization Marketing」とは、マーケティングの世界でいう「共食い」のこと、つまり同じ会社が新しい製品を発売することで、既存の製品の売上や市場シェアが減少することを指します。

例えば、スマートフォンのメーカーが新しいモデルを出すと、古いモデルの需要が減ってしまうことがあります。

これは、新しい製品が既存の製品と似ていて、同じ顧客層をターゲットにしているからです。

この「Cannibalization Marketing」の概念が日本に広まったときに使われた言葉が、日本語の「カニバリゼーション」です。

しかし「カニバリゼーション」という言葉は日本人には覚えにくい発音だったため、略語の「カニバリ」が生まれました。

さらに日本語では多くの動詞が「る」で終わることから、「カニバル」という言葉で「カニバリゼーションが起きる」という意味になりました。

カニバリゼーションは避けるべき?

「カニバリ(カニバリゼーション)」は自社の利益を減らす可能性があります。

新しい製品や店舗を開発するにはコストがかかりますが、既存の製品や店舗の売上が減ってしまうと、そのコストを回収できなくなるかもしれません。

自社の製品や店舗が多すぎると、顧客に混乱や飽きを与えてしまうかもしれません。

他方で、「カニバリ(カニバリゼーション)」は自社の成長を促す可能性もあります。

新しい製品や店舗を発売することで、自社のブランドイメージや顧客満足度を高めることができます。

2012年、日本に3社のLCC(格安航空会社)が就航しました。 「ピーチ・アビエーション」、2012年7月に「ジェットスター・ジャパン」「エアアジア・ジャパン」です。

これらは規制緩和により誕生した航空会社であり、日本の大手航空会社「日本航空(JAL)」「全日空(ANA)」と競合となると報道されていました。

このとき、日本航空が「ジェットスター・ジャパン」、全日空が「ピーチ・アビエーション」と「エアアジア・ジャパン」にそれぞれ出資をしました。

このように、格安航空会社が日本に進出したとき、全日空、日本航空とも、自社ブランドの路線を値引きするのではなく、自社のライバルになりそうな格安航空会社へ出資する選択をしました。

なぜ、カニバリゼーションが起きそうな出資の選択をしたのでしょうか?

このように、短期的にカニバリゼーションが起きそうな状況でも、経営陣は「長期的にはカニバリゼーションは起きない」と判断している場合があります。

こういったことからも、一時的にカニバリゼーションが起きているからといって、それをすぐに解消すべきとは断言できません。

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