市場での競争に勝利せよ!「デファクトスタンダード」とはどういう意味?

”事実上の標準(化)”のこと

ビジネス記事を読んでいると頻繁に出てくる「デファクトスタンダード」という言葉。いったいどのような意味があるのでしょうか?

市場での競争に勝利せよ!「デファクトスタンダード」とはどういう意味?

市場での競争に勝利せよ!


「デファクトスタンダード」の意味とは?

私たちがビジネス系の記事でよく目にする「デファクトスタンダード(ディファクトスタンダードとも)」は、英語の de facto standard を語源とする言葉です。

英単語の standard は”標準”や”基準”といった意味を持つ名詞。de facto はラテン語由来で”事実上の”という意味があります。de facto は fact (=”事実”)を思い浮かべるとわかりやすいでしょう。

というわけで「デファクトスタンダード」を日本語にすると、”事実上の標準(化)”という意味になります。

「デファクトスタンダード」の意味
  • ”事実上の標準(化)”

国際公用語としての英語は「デファクトスタンダード」の好例?

身近な「デファクトスタンダード」の例を考えてみましょう。

例えば、国際公用語としての英語。

みなさんが世界史で学んだように、大英帝国の世界進出(さらに言えばアメリカ合衆国の建国ならびに移民受け入れ)によって英語を使用する人口が爆発的に増加することで、英語はコミュニケーションをとる言語として”事実上の標準”になったという過去の経緯があります。

現在、英語が国際公用語としての地位を築いているのは、決して英語が言語的に優れているからというわけではありません。あくまで使用人口が多い”事実上の標準”、つまり「デファクトスタンダード」だからだと考えることができるのです。

英語と「デファクトスタンダード」
  • 大英帝国の世界進出
  • さらにアメリカ合衆国の建国ならびに移民受け入れなど
  • 英語を使用する人口が爆発的に増加
  • 英語がコミュニケーションをとる言語として”事実上の標準”
  • 現在では国際公用語としての地位を築く

ビジネスの世界における「デファクトスタンダード」の事例

ビジネスの世界における「デファクトスタンダード」の事例としてよく挙げられるのは、VHS 陣営とベータマックス陣営によるビデオテープの規格争い(いわゆる『ビデオ戦争』)です。この争いでは最終的に VHS 陣営が勝利し、VHS がビデオテープの”事実上の標準”となりました。

他にもマイクロソフトの MS-DOS やウィンドウズIntel の CPU なども「デファクトスタンダード」の事例です。

いずれの製品も、消費者に受け入れられ市場での競争に勝利することで、”事実上の標準”の地位を確立してきました。したがって「デファクトスタンダード」は、「市場でシェアを占める」「市場で独占(あるいは寡占)状態にある」と同義であるとも言えるでしょう。

ビジネスの世界における「デファクトスタンダード」の事例
  • VHS ビデオテープ
  • セイコーのクォーツ時計
  • マイクロソフトの MS-DOS
  • マイクロソフトのウィンドウズ
  • Intel の CPU

余談ですが、任天堂の伝説的技術者であった故・横井軍平氏がゲーム & ウオッチに初めて搭載し、その後ビデオゲームや携帯ゲームに標準的に搭載されるようになった十字キーも、結果的に「デファクトスタンダード」となった例だと考えることができます。

企業が「デファクトスタンダード」を目指すメリット

VHS 陣営とベータマックス陣営によるビデオテープの規格争いに代表されるように、特に新たな技術が開発された際には、企業は自社が開発した技術が「デファクトスタンダード」となるよう邁進します。

自社の技術が「デファクトスタンダード」となり、市場の覇権を握ることでパテント(=”特許”)料を得ることができますし、プライスリーダーとして競合他社と価格競争することなく、市場での競争を有利に進めることが可能になるからです。

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企業の「デファクトスタンダード」争いは消費者にとってデメリット?

一方、新技術の黎明期などに、各社が「デファクトスタンダード」になろうと争いを繰り広げることは、結果的に消費者にとってデメリットとなります。

例えばデジタルカメラ登場時の小型大容量メモリーカード。コンパクトフラッシュ・SDメモリーカード・メモリースティックなど、デジタルカメラのメーカーが異なるごとに記録媒体も違ってくることは、結果的に消費者の利便性を奪うことにつながりました。

「デファクトスタンダード」の対義語

“事実上の標準”という意味を持つ「デファクトスタンダード」の対義語は、”国際標準化機関や法令により定められた標準”という意味の「デジュリ(デジューレ、デジュール、デジュア)スタンダード」です。

語源は英語の de jure standard 。de jure はやはりラテン語由来で”法令上の”という意味があります。

「デジュリスタンダード」の意味
  • “国際標準化機関や法令により定められた標準”

また、対義語ではありませんが、”事実上の標準”である「デファクトスタンダード」にはならなかったものの独自の進化を遂げたという意味で、「ガラパゴス(化)」という言葉が対照的に用いられることもあります。

いずれにせよ、社会人の常識として「デファクトスタンダード」という言葉を知っておきたいところです。

「デファクトスタンダード」について深く知る参考リンク

※本記事は2016年4月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。