「リスペクト」は英語「respect」や日本語「尊敬」と意味が違う?

「リスペクト」は英語「respect」や日本語「尊敬」と意味が違う?

英語のrespectは尊敬すると訳されます。しかしなぜ「尊敬する」という日本語があるのに私達は「リスペクトする」と言うのでしょうか?

「尊敬する」「リスペクトする」の意味の違いを解説します。

「尊敬する」と「リスペクトする」の違い

「尊敬する」と「リスペクトする」は、どちらも相手の存在や行為を高く評価して敬意を表す言葉ですが、使い方やニュアンスには違いがあります。

主な違いは以下のようになります。

では、もう少し詳しく見ていきましょう。

「尊敬する」という言葉は、相手の人格や経験、知識などに感心して、その人のようになりたいと思ったり、その人の指導や助言を求めたりする気持ちを表します。

例えば、「私は先生を尊敬しています」「私は母親を尊敬しています」というように使います。

この場合、自分は先生や母親よりも「立場が下であると認めて」、その人の言動に従うことを示しています。

一方、「リスペクトする」という言葉も、相手の考え方や行動、能力などに感心して、その価値を認めて称賛する気持ちを表します。

例えば、「私は彼の音楽センスをリスペクトしています」「私は彼女の生き方をリスペクトしています」というように使います。

重要なポイントとして、この場合、自分と相手は「同じ立場であると考えて」、その人の個性や才能を素直に評価することを示しています。

また、人だけでなく物や物事に対しても使えます。

例えば、「あなたの意見に賛成はしないが、あなたの決断をリスペクトするよ」というように使います。

この場合、「相手という人」といよりも「相手の意見(=物事)」を尊重することを示しています。

英語の「respect」と日本語の「リスペクト」の違い

英語のrespectには、「尊重する」のほかに「敬意を払う」「大切にする」という意味もあります。

例えば、respect one’s opinion(〜の意見を尊重する)、respect one’s privacy(〜のプライバシーを尊重する)、respect the environment(環境を大切にする)などです。

これらの場合は、相手が優れているからではなく、相手が価値のあるものだからrespectするという考え方です。

一方、日本語の「リスペクト」は、「尊敬する」という意味が強く、相手が優れているから「リスペクト」するというニュアンスがあります。

例えば、「あの芸能人をリスペクトしている」「まじリスペクト!」というように、憧れや感心を表すときに使われます。

しかし、英語でI respect that celebrity(あの芸能人をリスペクトしている)と言うと、少し違和感があります。 英語では、admire(称賛する)やlook up to(憧れる)という単語の方がふさわしいです。

つまり、英語のrespectと日本語の「リスペクト」は、似ているようで微妙に違う単語なのです。

英語では、respectは他人や物事を平等に扱うことや大切にすることを表しますが、日本語では「リスペクト」は相手が優れていることを表します。

この違いを理解しておくと、英語でrespectを使うときに間違えなくなりますよ。

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