「タイムマシン経営」「逆タイムマシン経営」の意味を解説

「タイムマシン経営」「逆タイムマシン経営」の意味を解説

タイムマシン経営とは、まるでタイムマシンに乗って未来からきたかのように事業を展開することの例えで、この名称がつけられました。

では「逆タイムマシン経営」とはタイムマシンに乗って過去に戻るのでしょうか?

タイムマシン経営

タイムマシン経営の名付け親とされているのは、ソフトバンクの孫正義さんです。

孫さんは、インターネットの利用が広がり始めた1990年代に、アメリカでインターネット関連のベンチャー企業に投資していました。

その中には、Yahoo!やAlibabaなど、今では有名な企業も含まれていました。

孫さんは、これら海外の企業の事業モデルやサービスに可能性を感じて、日本に持ち込んで展開しました。

その結果、ソフトバンクは世界的な大企業に成長しました。

このように、海外で成功した事業モデルやサービスを日本に持ち込んで、いち早く展開する経営手法のことを「タイムマシン経営」と呼びます。

タイムマシン経営の事例としては、ほかにも以下のようなものがあります。

逆タイムマシン経営

タイムマシン経営の本質は、海外と日本との間にある「情報格差」を利用することです。

しかし、現代では情報が簡単に入手できるようになり、タイムマシン経営はもはや限界にきているという声もあります。

こういった状況を受け、一橋大学大学院の楠木建教授によって提唱された理論が「逆タイムマシン経営」です。

逆タイムマシン経営とは、高度成長期以降の近過去を調べることで、企業戦略や事業における「大局観」をつかむ方法論のことです。

未来を先取りするのではなく、過去に遡るという意味合いを込めて「逆・タイムマシン経営」と名付けられています。

楠木建教授は「過去の情報を今眺めてみると気付くことがある」という考えのもとで、新聞や雑誌などを10年間寝かせてから読むことを推奨しています。

そうして歴史を辿ることで、経営の本質を見抜く力を養い、戦略構想のセンスやビジネスにおける大局観の錬成に役立つ新たな思考の型を身に付けられると提唱しています。

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