「見える化」の意味と使い方とは…ただ「可視化」するだけじゃダメ!

データをきちんと分析して効率化につなげる

「運送業界やタクシー業界では、車両にGPSを搭載することで、ドライバーの運行状況の『見える化』を図っている」……。

このようにビジネスシーンでもよく用いられる「見える化」という言葉。

いったいどのような意味や使い方があるのでしょうか?


社員全員の給与の見える化はさすがにできないなぁ……


基本的な意味とは?

まずは言葉の基本的な意味の確認から。

「見える化」とは、本来、「可視化」をわかりやすく言い換えた言葉です。つまり”肉眼で見える状態にすること”を意味します。

ビジネス関連では「データ化」や「数値化」、「定量化」、「記録化」とほぼ同義で用いられています。こちらは、”(目に見える)データにすること”だと言えるでしょう。

「見える化」(読み方:”み(える)か”)の意味
  • ”肉眼で見える状態にすること”=(「可視化」)
  • ”(目に見える)データにすること”=(「データ化」、「数値化」、「定量化」、「記録化」)

この言葉は、汎用性が高く、かつ直感的に理解しやすい表現でもあるため、現在では様々な分野で「可視化」や「データ化」、「数値化」、「記録化」などといった言葉の代わりに用いられています。

これが言葉の基本的な意味です。

最大の目的は効率化

どのような文脈においても、「見える化」という言葉が用いられた際には、その目的は一にも二にも効率化を目指すことだと解釈されます。

例えば企業が「業務の『見える化』」と掲げれば、それは「業務の『効率化』」を目指していることになるのです。

「見える化」の目的とは?
  • 一にも二にも効率化のため

データをきちんと分析して効率化につなげることが「見える化」の真の意味

ここで注意しなければならないのは、効率化を目指すためには、単に「可視化」するだけ、あるいは「データ化」するだけでは不十分だという点。

もちろん、「可視化」するだけ「データ化」するだけでも、「見える化」の本来の語義は満たしています。

しかし、特にビジネスの世界で「見える化」という言葉が使われた際には、「可視化」、「データ化」されたものを、きちんと分析し仮説を立て、そのうえで無駄を省くなどの対策を立てることで、今までよりも効率的な業務にしていこうといった意味が暗に込められています。

つまり、”(可視化された)データをきちんと分析して効率化につなげること”が、「見える化」の真の意味になるのです。

「見える化」の真の意味
  • ”(可視化された)データをきちんと分析して効率化につなげること”

「見える化」の具体例

具体的な例で確認してみましょう。

「見える化」の具体例
  • それまで漠然と机に座り勉強していた子供が、勉強した時間や科目・内容を記録する
    (⇒時間配分や学習内容を分析して無駄を省き、成績向上につなげる)
  • それまで、お金をあればあるだけ使って借金までしていた男性が、収入と支出を把握するために家計簿をつける
    (⇒収支状況を分析して収支のバランスを図り、借金返済につなげる)
  • それまで業務の進捗管理をチームごとに任せていた企業が、IT技術を導入し全社的に一元管理を行う
    (⇒進捗状況を全社的に分析して、適切な人員配置につなげる)
  • それまで営業社員の行動を個人の裁量に任せていた企業が、IT技術を導入し瞬時に行動を把握するシステムを構築する
    (⇒営業社員の行動を時間単位で分析して無駄を見つけ、残業時間の減少につなげる)

上記の例では、「可視化」あるいは「データ化」されたものを、きちんと分析し仮説を立て、そのうえで無駄を省くなどの対策を立てること(つまりカッコの中で示された部分)が大切になってきます。

繰り返しますが、単に「可視化」するだけ、あるいは「データ化」するだけでは不十分なのです。そう、”(可視化された)データをきちんと分析して効率化につなげること”が重要なのです。

当然ですが、分析が不十分だったり誤った仮説による対策を立てた場合には、効率化は達成されません。

ナレッジマネジメントとの関係

また、「暗黙知」「形式知」化することが重要となるナレッジマネジメント。

「暗黙知」を「形式知」化していく過程においては、《「見える化」して分析》することが必要になってきます。

ナレッジマネジメントと「見える化」の関係
  • 「暗黙知」⇒《「見える化」して分析》⇒「形式知」

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具体的な文例

具体的な文例についても見てみましょう。

「見える化」を用いた具体的な文例
  • 運送業界やタクシー業界では、車両にGPSを搭載することで、ドライバーの運行状況の「見える化」を図っている。
  • クラウド型の名刺管理サービスとは、社員が個人で管理している名刺情報を社員全員で共有することで、個人が築いた人脈を全社的に「見える化」させようというものだ。
  • A県では、空撮により稲の生育データを取得するなど、ドローンを活用した稲作管理の「見える化」が進められている。
  • プロスポーツにおけるトラッキングシステムとは、カメラで撮影した試合中の選手の動きをソフトウエアを利用して解析し、瞬時に「見える化」する仕組みのことである。

このように用いられます。言葉が持つイメージを理解できたでしょうか。

同義語・類義語

「見える化」の同義語・類義語についても考えてみましょう。

「見える化」に似た言葉には、上でも紹介した「可視化」「データ化」「数値化」「定量化」「記録化」などといった言葉で言い換えることができます。

また「顕在化」「測れる化」といった言葉もあります。

今まで隠れて見えなかったものが見えてくる! 「以前より社内でくすぶり続けてきた常務派と専務派の対立は、創業者社長の死後すぐに『顕在化』した」「社員の過労死問題が報じられたA社では、それ以外にも様々な労働問題が『...
「見える化」の同義語・類義語
  • 「可視化」
  • 「データ化」
  • 「数値化」
  • 「定量化」
  • 「記録化」
  • 「顕在化」
  • 「見える化」

まとめ

ここまでの内容をまとめます。

まとめ
  • 「見える化」とは、本来、「可視化」をわかりやすく言い換えた言葉である
  • ビジネス関連では「データ化」や「数値化」、「定量化」、「記録化」と同義で用いられている
  • 「見える化」の目的は一にも二にも効率化を目指すこと
  • 「見える化」の真の意味は、”(可視化された)データをきちんと分析して効率化につなげること”
  • ナレッジマネジメントでは、「暗黙知」を《「見える化」して分析》し「形式知」化することが必要になる

いずれにせよ、「見える化」という言葉はビジネスシーンでもよく用いられる言葉なので、社会人の常識として意味を知っておきたいところです。

以上、「見える化」の意味と使い方についての説明でした。ビジネスパーソンのみなさんの参考になれば幸いです。

「見える化」について深く知る参考リンク

※本記事は2017年11月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。