日本企業と欧米企業での「OJT」「OFF-JT」の違い

日本企業と欧米企業での「OJT」「OFF-JT」の違い

「OJT」はOn the Job Trainingの略で「職場内訓練」と訳されます。

「Off-JT」とはOff the Job Trainingの略で「職場外訓練」という意味です。

「OJT」は第一次世界大戦中に造船所で働く人材が不足し、やむを得ず新人を現場で訓練したことから生まれました。

のちに「OJT」に対する概念として「Off-JT」という言葉が生まれました。

「OJT」とは「On the Job Training」の略語で、「職場内訓練」と訳されます。

つまり、実際に働きながら、上司や先輩から仕事のノウハウやスキルを教えてもらうことです。

新入社員や異動者などが、自分の担当する業務に慣れるため行うことが多いですね。

これに対して「Off-JT」とは「Off the Job Training」の略語で、「職場外訓練」という意味です。

職場を離れて、社内や外部の研修機関で行われる教育訓練のことです。

座学やグループワークなどが主な方法で、専門的な知識やコミュニケーションスキルなどを身につけることが目的です。

新入社員研修や管理職研修などが代表的な例ですね。

「OJT」「Off-JT」の始まり

「OJT」という研修手法は、アメリカで第一次世界大戦中にできた手法とされています。

当時、戦争のため造船所で働く人材が不足し、新人を現場で訓練することになりました。

その際に開発された指導法が「4段階職業指導法」と呼ばれるもので、以下のようなステップで行われました。

  1. 新人を配置 - 安心させて興味を持たせる
  2. 作業をして見せる - キーポイントを強調して説明する
  3. 効果を確認する - 新人にやらせてみてフィードバックする
  4. フォローする - 質問や相談に応じてサポートする

この方法は第二次世界大戦中にも活用され、さらに発展して「企業内訓練(TWI:Training Within Industry)」というプログラムになりました。

このプログラムは戦後の日本にも導入され、現在の企業研修の基礎になっています。

なお「Off-JT」という言葉がいつから使われるようになったかは明確ではありませんが、おそらく「OJT」に対する概念として「Off-JT」という言葉が使われるようになったと考えられます。

欧米企業と日本企業での「OJT」の違い

欧米企業では、「OJT」は主に個人のスキルアップやキャリアアップを目的として行われます。

個人が自ら学びたいことや目標を設定し、それに応じてトレーナーやメンターを選ぶことができます。

また、トレーナーは専門的な知識や技術を持つ人材であり、教育担当者として研修を受けています。

一方、日本企業では、「OJT」は主に組織のニーズや要求に応える人材を育成することを目的として行われます。

個人よりも組織やチームの利益を優先し、上司や先輩がトレーナーとなって指導します。

また、トレーナーは教育担当者としての研修を受けていないことが多く、自身の経験やノウハウを伝えることが中心です。

欧米企業と日本企業での「Off-JT」の違い

欧米企業では「Off-JT」に多くの時間や費用を投資しますが、日本企業では「Off-JT」に対して消極的な企業が比較的、多くあります。

欧米企業では「Off-JT」は社会的資格や専門知識を身につけるため必要な研修であり、多彩な研修が階層別や職種別に実施されます。

日本企業では「Off-JT」は「OJT」の補完的な役割を果たすものとして、限定的に実施されます。

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