職務経歴書では、内容の薄い開発運用の経歴を「PDCAサイクルをまわした」と書こう

職務経歴書では、内容の薄い開発運用の経歴を「PDCAサイクルをまわした」と書こう

ITエンジニアが職務経歴書を書くとき「細かなバグ修正を繰り返しただけで一言で書ける実績がない」職歴の書き方に悩むことがあります。

開発でも運用でも、プロジェクトのフェーズによっては、どうしても大量の細かな仕事が中心になってしまうことがあります。

こんなときは「PDCAサイクルをまわした」と書いてみましょう。

PDCAサイクルとは、何かを改善するときに役立つフレームワークで、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)の4つのステップを繰り返すことで、業務やプロジェクトを効果的に管理する方法です。

なぜ PDCA サイクルが必要なのか?

端的に言うと、現実は常に変化しているからです。 計画通りに事が進まないことはよくありますし、予期せぬ問題やチャンスが発生することもあります。

そんなときに、PDCAサイクルを使うと、自分たちの行動や成果を客観的に検証し、改善点や新たな目標を見つけることができます。

また、PDCAサイクルを継続的に回すことで、自分たちの能力や知識を高めることもできます。

つまり、PDCAサイクルは、変化に対応し、成長し続けるためのツールなのです。

PDCA の各ステップ

Plan(計画)

このステップでは、目標や課題を明確にし、それに対する解決策やアクションプランを立てます。 また、どのように「実行」や「評価」を行うかも決めます。 計画は現状分析や仮説検証などに基づいて作成することが望ましいです。

Do(実行)

このステップでは、計画した通りに実際に行動します。 実行中は、データや情報を収集したり、記録したりすることが重要です。 また、計画と異なる状況が発生した場合は、その原因や対処法を考えたり、必要に応じて計画を修正したりします。

Check(評価)

このステップでは、実行した結果を計画や目標と比較して評価します。 評価には数値的な指標や定性的なフィードバックなどが使われます。 評価では、成功した点や失敗した点だけでなく、その理由や背景も分析します。

Act(改善)

このステップでは、評価した結果をもとに改善策や次の目標を設定します。 改善策は具体的かつ実現可能なものであることが大切です。 また、次の目標は挑戦的かつ達成可能なものであることが望ましいです。

「PDCA サイクル」の語源

PDCAサイクルの原型となったのは、1920年代にアメリカの物理学者シュワートが提唱した「シュワートサイクル」です。

これは、「仕様 → 生産 → 検査」という3つのステップで品質を管理するものでした。 シュワートは、仕様と検査の結果に基づいて生産プロセスを改善することで、品質を向上させることができると考えました。

シュワートの弟子だったデミング博士は、第二次世界大戦後に日本に来て、日本の製造業に統計的品質管理手法を教えました。 その際に、シュワートサイクルを発展させて、「設計 → 生産 → 販売 → 再設計」という4つのステップで品質を管理するという考え方を紹介しました。

これがPDCAサイクルの原型となります。

デミング博士は、このサイクルを継続的に回すことで、製品やプロセスの改善と学習ができると主張しました。

日本では「デミングサイクル」と呼ばれることもありますが、正式な名称ではありません。 彼自身はこのサイクルに名前を付けませんでした。

PDCAサイクルという名前を付けたのは、日本科学技術連盟(日科技連)です。

1951年に日科技連でデミング博士の講演を聞いた幹部が、「Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)」という4つの英語の頭文字を取ってPDCAサイクルと名付けました。

この名称は、アメリカの経営手法として紹介されて広まりました。

内容の薄い開発運用を「PDCAサイクルをまわした」と職務経歴書に書く

さて、前置きが長くなりましたが、ITエンジニアが職務経歴書を書くときの悩みとして「色々と細かなシステム変更を繰り返しただけで、一言で書ける成果がない」というものがあります。

開発プロジェクトでも運用プロジェクトでも、プロジェクトの状況によっては「大量の細かな仕事がメイン」になってしまうことがあります。

例えば、事業として比較的「順風満帆」な状況だと大胆なシステム変更をするというよりは、バグ修正、ユーザーからの要望に応える細かな変更、パフォーマンスやセキュリティの改善といった細かな作業がメインになってきます。

これらはシステムの品質や利便性を高めるために重要な作業ですが、具体的な成果物や数値で示すことが難しく、いざ職務経歴書に書こうとすると、どうしても内容が薄くてインパクトのないものになりがちです。

そんな「内容の薄い」開発運用を職務経歴書に書くときは「PDCAサイクルを繰り返した」と書くのがおすすめです。

PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)の頭文字を取ったもので、上で見てきたように、品質管理や業務改善の手法としてよく使われます。

例えば、「ユーザーからの要望に応えて仕様変更をした」という作業をPDCAサイクルで表すと、以下のようになります。

可能であれば「PDCAサイクル自体の改善」に取り組んだ実績をアピールしたいところです。

こういった「PDCAサイクル自体の改善」への取り組みは非常に重要で、もしそういった工夫があるときは書くと大きなアピール材料になります。

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