「費用対」「費用対効果」の読み方、意味、SPI対策の覚え方は?

「費用対」「費用対効果」の読み方、意味、SPI対策の覚え方は?

費用対効果(ひようたいこうか)は、かけた費用に対して効果がどれだけあったのかの指標です。略して「費用対」と書くこともあります。

高い、低い、良い、悪いという言葉と組み合わせて使います。

少ないコストで多くの効果を生み出すことができるならば「費用対効果が高い(良い)」ということになりますし、かけた費用を下回る効果しか得られない場合は「費用対効果が低い(悪い)」ということになります。

「費用対効果」の読み方は「ひようたいこうか」です。

「費用対効果」の計算方法

「費用対効果」を計算する方法は、一般的には「効果を費用で割る」という式で求めます。

例えば、ある製品の品質改善に10万円かけて、売上が20万円増えた場合は、「費用対効果= 20万円 ÷10万円= 2」となります。

逆に、10万円かけて売上が5万円しか増えなかった場合は、「費用対効果= 5万円 ÷10万円= 0.5」となります。

ただし、「費用対効果」を計算する際には「費用や効果を正確に測定することは難しい場合がある」ことを頭に入れておきましょう。

例えば、広告や研修などの施策では、その影響がすぐに現れないため、費用や効果を正確に測定することが難しくなります。

「費用対効果」の覚え方

「費用対効果」の概念は、もともとイギリスにあります。

イギリスの経済学者であるアルフレッド・マーシャルは1890年に『経済学原理』という本を出版しました。

この本は当時の経済学の教科書として広く使われたものですが、この本の中で、彼は「cost-benefit performance」という考え方を紹介しました。

彼は、ある行動や選択をするときには、その行動や選択にかかる費用(コスト)だけでなく、その行動や選択から得られる利益(ベネフィット)も考慮しなければならないと主張しました。

「cost performance(コスト・パフォーマンス)」ではなく「cost-benefit performance(コスト・ベネフィット・パフォーマンス)」である点に注意しましょう。

日本語でよく言われる「コストパフォーマンス(cost performance)」という言葉は、間違った英語の表現です。

この後、1940年代から1960年代にかけて、アメリカの経済学者のウィリアム・フォーゲルが開発途上国の経済成長や貧困問題に関して研究したとき、彼は「cost-effectiveness」という手法を提唱しました。

これは、ある事業や政策を実施する際に、その費用と効果を金銭的に比較して最も効率的な選択肢を見つける方法です。 例えば、ある国が道路や学校などのインフラを整備する場合、その費用と効果を計算し、どれが最も「cost-effectiveness」が高いかを判断できます。 このように、費用便益分析は「cost-effectiveness」を数値化して明確にすることで、より合理的な意思決定を可能にする手法です。

フォーゲルは、この手法を使って、開発途上国の経済政策や社会政策について多くの提言をしました。

彼は、費用便益分析を通じて、「人間資本」という概念を強調しました。

人間資本とは、人々の教育や健康などの能力や知識のことで、これが高まれば経済成長や社会福祉にも寄与するという考え方です。 フォーゲルは、人間資本への投資の「cost-effectiveness」より高いことを示しました。

例えば、教育への投資は、人々の収入や生産性を高めるだけでなく、出生率や犯罪率などにも影響することを指摘しました。 また、健康への投資は、人々の寿命や幸福度を向上させるだけでなく、感染症や栄養不良などの社会問題を解決することにもつながることを示しました。

このように、フォーゲルは「cost-effectiveness」をキーワードにして、開発途上国の経済発展や社会改善に貢献しました。

「費用対効果」という言葉は、この英語「cost-effectiveness」の訳語として生まれたものです。

「performance」の訳ではなく「effectiveness」の訳なので「費用体効果」と表現するのです。

「費用対効果」は「QC運動」という言葉ともに日本の企業に普及しました。

QC運動とは、品質管理(Quality Control)の略で、製品やサービスの品質を向上させるために行われる企業内の活動のことです。

QC運動は、第二次大戦後にアメリカから日本に紹介された統計的品質管理(SQC)やQCサークル活動などを通じて、日本企業に広く普及しました。

QC運動では、品質を改善するためには、コストや時間などの制約の中で最適な方法を選択する必要があります。

そのため、「費用対効果」は重要な判断基準となります。

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