「マンパワー」の意味と使い方とは…労働集約型産業で使われることが多い言葉

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「どうしても繁忙期には『マンパワー』需要が増加する」「将来的な介護政策については、『マンパワー』の確保という面を含めて議論されなければならない」……。

このように政治経済系の記事でよく用いられる言葉に「マンパワー」というものがあります。

ここでは、この言葉にいったいどのような意味や使い方があるのかを考えてみます。

英語 man power の意味

まず先に英語 man power の意味の確認から。

カタカナ語「マンパワー」は英語の man power に由来する言葉です。 man power を直訳すると”人間の(労働)力”になります。

man power の意味
  • ”人間の(労働)力”

カタカナ語「マンパワー」の意味

現在の日本において、カタカナ語「マンパワー」は、多くの場合、特に労働集約型産業において”人手”、”人の力”、”人材”という意味で用いられます。

ちなみに労働集約型産業とは、”人間の労働力に依存する割合が大きい産業”のこと。代表例には建設業界や介護業界、飲食業界などが挙げられます(この点については諸説あります)。また労働集約型産業の反意語は知識集約型産業です。

  • 労働集約型産業
     =”人間の労働力に依存する割合が大きい産業”
     例)建設業界や介護業界、飲食業界など
  • 知識集約型産業
     =”人間の労働力に依存する割合が少ない産業”
     例)金融業界など

もちろん知識集約型産業においても”人手”や”人材”を指す場合に「マンパワー」を使うこともありますが、どちらかというとあまり多くありません。

いずれにせよ、”肉体労働を主とした人間の労働力”、あるいは”数多くの人間の労働力”といったイメージが強くあるカタカナ語です。

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カタカナ語「マンパワー」の意味
  • ”人手”
  • ”人の力”
  • ”人材”
  • ”肉体労働を主とした人間の労働力”
  • ”数多くの人間の労働力”

知識集約型産業において、”仕事に投入する人的資源”という意味で「マンパワー」が用いられることもありますが、「ヒューマンリソース(HR,Human resources)」が用いられることのほうが多いのではないでしょうか。

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だからといって知識集約型産業において「マンパワー」という言葉を用いることが誤用であるというわけではない。業界の慣習や社内の共通言語として用いられているケースもある。

頻繁に用いられるようになったのは00年代から

90年代まで、このカタカナ語「マンパワー」はあまり耳にすることがなく、00年代に入ってから政治経済系記事で頻繁に用いられるようになった印象を受ける言葉です。

余談ですが、2005年に発売されたモーニング娘の『THE マンパワー!!!』という曲も、このカタカナ語の認知度を高めるのに一役買ったのではないかと考えます。

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基本的な使い方

続いては基本的な使い方(基本パターン)。

基本的には以下のような表現で用いられます。

「マンパワー」の基本パターン
  • 多くのマンパワーが必要となる
  • マンパワーの不足が懸念されている
  • マンパワーの確保が急務となる
  • マンパワー需要が多い(少ない)
     =繁忙期・閑散期の労働力需要の増減
「近年、テーマパークでも、『繁忙期』の料金を高めに設定し『閑散期』に料金を安くすることで利益を最大化させようという動きがある」「うちの会社は年中『繁忙期』だから。『閑散期』なんてないから」......。 このように様々なシチュエーショ...

上でも説明した通り、特に労働集約型産業に関する記事において、”肉体労働を主とした人間の労働力”や”数多くの人間の労働力”を意味する言葉として用いられます。

具体的な文例

具体的な文例についても見てみましょう。

「マンパワー」を用いた具体的な文例
  • イベントの企画・運営には膨大な「マンパワー」が必要となる。
     ⇒ 特に会場の設置には”数多くの人間の労働力”が必要となる
  • どうしても繁忙期には「マンパワー」需要が増加する
     ⇒ 忙しい時期には”数多くの人間の労働力”が必要となる
  • 古代エジプトにおけるピラミッド建設には、多くの「マンパワー」が費やされたことであろう。
     ⇒ ”肉体労働を主とした人間の労働力”
  • コンビニ業界では「マンパワー」の不足が恒常的な問題として存在しているが、外国人留学生を積極的に活用することでしのいでいる。
     ⇒ 店員の”人手”不足
  • 将来的な介護政策については、「マンパワー」の確保という面を含めて議論されなければならない。
     ⇒ 介護に携わる”人材”を確保すること
  • どうしても「マンパワー」が必要になった場合には派遣労働に頼ればいい。
     ⇒ ”人手”が必要になった場合には派遣労働者を活用する

このように用いられます。言葉が持つ意味やイメージをつかめたでしょうか。

「保険業界で勢いのあるB社は、自前でコールセンターを持ち『人海戦術』の電話勧誘で保険を売り利益を上げている」「広告代理店C社の強みは、狙いを定めた地区において『人海戦術』でしらみつぶしに一軒一軒営業をかけていくことだ」........

同義語・類義語

同義語・類義語にはどのようなものがあるでしょうか。

似た言葉には意味の部分でも紹介した「人手」や「人の力」、「人材」、「肉体労働を主とした人間の労働力」、「数多くの人間の労働力」などといった言葉や表現があります。また多くの人の力を利用することを「人海戦術」と言います。

「マンパワー」の同義語・類義語
  • 「人手」
  • 「人の力」
  • 「人材」
  • 「肉体労働を主とした人間の労働力」
  • 「数多くの人間の労働力」

いずれにせよ、「マンパワー」はビジネスシーンでもよく用いられる言葉なので、社会人の常識として意味を知っておきたいところです。

以上、「マンパワー」の意味と使い方についての説明でした。ビジネスパーソンのみなさんの参考になれば幸いです。

「マンパワー」について深く知る参考リンク
※本記事は2018年10月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。