ビジネスにおける「人海戦術」の意味と使い方とは…数で押し切ること

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「保険業界で勢いのあるB社は、自前でコールセンターを持ち『人海戦術』の電話勧誘で保険を売り利益を上げている」「広告代理店C社の強みは、狙いを定めた地区において『人海戦術』でしらみつぶしに一軒一軒営業をかけていくことだ」……。

このようにビジネスシーンでよく用いられる言葉に「人海戦術」というものがあります。

ここでは、この言葉にいったいどのような意味や使い方があるのかを考えてみましょう。

元々は戦術用語である「人海戦術」

「人海戦術」は、元々戦術用語として使われていた言葉で、”多数の兵士で攻撃を仕掛け、相手を押し切ること”という意味を持ちます。

海のように兵士が押し寄せる様を想像してみるとよいでしょう。

戦術用語としての「人海戦術」(読み方:”じんかいせんじゅつ”)の意味
  • ”多数の兵士で攻撃を仕掛け、相手を押し切ること”
中華人民共和国の建国者である毛沢東による造語であるという説もあるが定かではない

「綿密な計画を立て、その計画に基づいて攻撃を仕掛ける」というよりも、「あまり後先考えず、マンパワーを投入し数の力で押し切る」イメージが強い言葉です。

ビジネスシーンにおいて「人海戦術」という言葉が用いられる場合には、知的なイメージというよりも体育会系的なノリであったり、泥臭さ、さらには給与が安い使い捨ての人材を大量に投入するといったイメージが優先されます。

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ビジネスにおける「人海戦術」の意味

ビジネスシーンにおいて「人海戦術」が使われた場合、”多くの人員を投入して仕事を仕上げたり利益を上げること”という意味になります(余談ですが、投入される人員は主にビジネス用語で”ソルジャー”と呼ばれる人たちです。ですから”人員”でなく”兵士”と表現しても意外と違和感はないかもしれません)。

ビジネスにおける「人海戦術」の意味
  • 多くの人員を投入して仕事を仕上げたり利益を上げること

繰り返しますが、ビジネスシーンやビジネス系の記事などで「人海戦術」が用いられた際には、知的なイメージというよりも体育会系的なノリであったり、泥臭さ、さらには給与が安い使い捨ての人材を大量に投入するといったイメージが優先されます。

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具体的な文例

具体的な文例についても見てみましょう。

「人海戦術」を用いた具体的な文例
  • IT業界の代名詞といえば「『人海戦術』とデスマーチ」だ。
     ⇒安価な労働力を多数雇用すること
  • 大規模な土砂崩れにより一部区間で運転中止を余儀なくされたA急行電鉄だが、「人海戦術」による昼夜を問わない復旧作業で一日半後には運転を再開した。
     ⇒多くの社員や協力会社社員が動員され、復旧作業が行われたということ
  • 保険業界で勢いのあるB社は、自前でコールセンターを持ち「人海戦術」の電話勧誘で保険を売り利益を上げている。
     ⇒従業員を数多く雇用し電話勧誘をガンガン行っているということ
  • 広告代理店C社の強みは、狙いを定めた地区において「人海戦術」でしらみつぶしに一軒一軒営業をかけていくことだ。
     ⇒多くの営業マンにより一軒一軒営業をかけていくということ

このように用いられます。言葉が持つ意味やイメージをつかめたでしょうか。

一般的に営業力が強いとされる企業は、この「人海戦術」を得意とします

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同義語・類義語

同義語・類義語にはどのようなものがあるでしょうか。

似た言葉には「人員を多数投入する」や「数で押し通す」、「物量作戦」、「マンパワー頼み」などといった言葉があります。

「人海戦術」の同義語・類義語
  • 「人員を多数投入する」
  • 「数で押し通す」
  • 「物量作戦」
  • 「マンパワー頼み」

反意語は「少数精鋭」になるでしょう。

いずれにせよ、「人海戦術」はビジネスシーンでもよく聞く言葉なので、社会人の常識として意味を知っておきたいところです。

以上、「人海戦術」の意味と使い方についての説明でした。ビジネスパーソンのみなさんの参考になれば幸いです。

「人海戦術」について深く知る参考リンク
※本記事は2018年10月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。