経済記事でよく見かける「キャピタルフライト(capital flight)」とはどんな意味があるの?

新聞などの経済記事でよく見かける「キャピタルフライト(capital flight)」という言葉。いったいどのような意味があるのでしょうか?

経済記事でよく見かける「キャピタルフライト(capital flight)」とはどんな意味があるの?

まずは知りたい capital と flight の意味

「キャピタルフライト(capital flight)」という言葉の意味を知る前に、まず英単語の意味を理解しましょう。

「キャピタルフライト(capital flight)」の capital は名詞・形容詞で”資本”という意味があり、 flight は動詞 fly の名詞形で”飛ぶこと”という意味があります。ちなみに飛行機で移動することも「フライト(flight)」と言いますね。

この二つの英単語を組み合わせた言葉が「キャピタルフライト(capital flight)」となり、日本語では”資本逃避”と訳されています。

「キャピタルフライト(capital flight)」にはポジティブなイメージはなく、どちらかというとネガティブなイメージがあります。

「キャピタルフライト(capital flight)」=”資本逃避”

「キャピタルフライト(capital flight)」の日本語訳である”資本逃避”を簡単に表現すると”ある国から国外に大量の資金が短期間のうちに逃げていくこと”になります。

「キャピタルフライト(capital flight)」の意味
  • 資本逃避
    (ある国から国外に大量の資金が短期間のうちに逃げていくこと)

具体的には、政治的・経済的に不安定な国の自国通貨を政治的・経済的に安定した国の外貨に替える動きが短期間のうちに一斉に発生します。

「キャピタルフライト(capital flight)」が起きるとどうなるの?

「キャピタルフライト(capital flight)」は、ある国の政治的・経済的不安定さが原因で発生する通貨の資産価値減少のリスクを回避する目的で行われます。

通貨の資産価値減少のリスクを回避するためには、政治的・経済的に不安定な国の通貨を政治的・経済的に安定した国の外貨に換え、資金を国外のより安全な地域へと移動させるのが一般的です。

一方「キャピタルフライト(capital flight)」が起きた国では、”資本逃避”による自国通貨の貨幣価値の大幅な下落、相場維持のため自国通貨買いの介入を行う必要性、外貨準備高の減少などが複合的に発生し、国際収支にマイナスの影響を与え自国通貨の不安定化を促進します。

さらに「キャピタルフライト(capital flight)」は大量の資金移動が短期間に流動的に行われるので、国際金融市場においては為替相場の急激な変動をはじめとする大きな混乱をもたらす可能性があります。

「キャピタルフライト(capital flight)」の代表例

「キャピタルフライト(capital flight)」の代表例は、2008年の世界金融危機前後のアイスランドが挙げられます。

人口約32万人にすぎないアイスランドは外国資本に大きく依存し、銀行を中心とした金融業を中心に発展してきました。しかし2008年にサブプライムローン問題に端を発する世界金融危機と前後して外国資本が”資本逃避”を開始。

通貨クローナの価値は急落し、銀行もGDP(国内総生産)の10倍にも膨らんだ対外債務の返済に窮すなど、アイスランドは国家破綻の危機に見舞われました。

ちなみに2000年以降、アイスランド以外ではハンガリーやキプロス、ギリシャ、中国で「キャピタルフライト(capital flight)」が発生した(している)とされています。

また「キャピタルフライト(capital flight)」を阻止するためには、銀行からの大規模な預金引き上げや通貨の移動に制限をかける”資本規制”が有効であるという意見もあります。

「キャピタルフライト(capital flight)」について深く知る参考リンク

※本記事は2016年1月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。