安全を重視した設計思想「フェールセーフ/フェイルセーフ(fail safe)」と「フールプルーフ(fool proof)」の意味の違いとは?

機械装置やシステムの設計思想である「フェールセーフ/フェイルセーフ(fail safe)」と「フールプルーフ(fool proof)」の概念。

いずれも安全を重視した大切な設計思想ですが、どちらもカタカナ言葉であり語感も似ているため、『意味の違いがイマイチわからない』というビジネスパーソンも少なくありません。そこで二つの言葉にはどのような意味の違いがあるのかを考えます。


安全を重視した設計思想「フェールセーフ/フェイルセーフ(fail safe)」と「フールプルーフ(fool proof)」の意味の違いとは?

安全を重視する?


「フェールセーフ/フェイルセーフ(fail safe)」とは?

二つの言葉の意味の違いを考える前に、まずは「フェールセーフ/フェイルセーフ(fail safe)」と「フールプルーフ(fool proof)」、それぞれの言葉が持つ意味を再確認しましょう。

「フェールセーフ/フェイルセーフ(fail safe)」とは、機械装置やシステムは必ず故障するという前提に立った設計思想です。

万が一、機械装置やシステムに誤動作や重大な故障が発生した場合に、二重・三重の安全装置を作動させ被害の拡大を防ぐ(fail safe)ことを目指します。

「フェールセーフ/フェイルセーフ(fail safe)」の意味
  • 機械装置やシステムは必ず故障するという前提に立った設計思想
  • 故障が発生した場合、安全装置が作動し被害の拡大を防ぐ設計思想

例えばジャンボジェット。ジャンボジェットには4つのエンジンがありますが、仮に3つのエンジンが止まったとしても1つのエンジンだけで最低限の飛行ができるように設計されています。

また、地震など何らかの事情で停電が起き電源供給がなされないといった外部的要因を想定し、誤動作や重大な故障が発生しないよう、二重・三重の安全対策をした機械装置やシステムを設計することも「フェールセーフ/フェイルセーフ(fail safe)」の設計思想になります。

「フールプルーフ(fool proof)」とは?

一方、「フールプルーフ(fool proof)」にはどのような意味があるのでしょうか?

英語の fool proof を日本語に直訳すると”愚か者(fool)の使用にも耐用(proof)しうる”になります。

簡単に表現すると”誰が使っても安全である”となり、機械装置やシステムの操作に慣れていない老人や子供などが誤って使用しても安全に動作する仕組みを指します。

ちなみに「フールプルーフ(fool proof)」は日本語で”ポカヨケ”や”バカヨケ”と呼ばれることもあります。

「フールプルーフ(fool proof)」の意味
  • 愚か者(fool)の使用にも耐用(proof)しうる設計思想
  • 誰が使っても安全である設計思想
  • “ポカヨケ”や”バカヨケ”とも呼ばれる

身近な例では、平らな部分にきちんとおかないと沸騰スイッチが入らない電気ケトルや、きちんとフタを閉めないと動作しない洗濯機、ドライブではエンジンがかからないAT車などが「フールプルーフ(fool proof)」の具体例になります。

人間が誤って使用するという前提に立ち、未然に事故を防ぐための機械装置やシステムの設計を行うのが「フールプルーフ(fool proof)」です。

「フェールセーフ/フェイルセーフ(fail safe)」と「フールプルーフ(fool proof)」の意味の違いとは?

「フェールセーフ/フェイルセーフ(fail safe)」と「フールプルーフ(fool proof)」、それぞれの意味を確認したうえで、この二つの言葉にはどのような違いがあるのかを考えてみましょう。

「フェールセーフ/フェイルセーフ(fail safe)」は、”機械装置やシステム”の誤動作や重大な故障が発生しても安全を維持させる設計思想であり、また”万が一発生してしまった”誤動作や重大な故障の被害の拡大を防ぐという側面があります。つまり”機械装置やシステム”の不測の事態を常に想定し二重・三重の安全対策を講じるのが「フェールセーフ/フェイルセーフ(fail safe)」の設計思想です。

一方「フールプルーフ(fool proof)」は、仮に”人間”が操作を間違えたとしても安全であるよう、つまりヒューマンエラーを常に想定して人為的な事故を”未然”に防ぐ設計思想となります。

二つの言葉の意味の違い
  • 「フェールセーフ/フェイルセーフ(fail safe)」
    ⇒”機械装置やシステム”の誤動作や重大な故障が発生しても安全を維持させる
    ⇒”万が一発生してしまった”誤動作や重大な故障の被害の拡大を防ぐ
  • 「フールプルーフ(fool proof)」
    ⇒”人間”が操作を間違えたとしても安全であることを目指す
    ⇒ヒューマンエラーを常に想定して人為的な事故を”未然”に防ぐ

というわけで、どちらもカタカナ言葉であり語感も似ている「フェールセーフ/フェイルセーフ(fail safe)」と「フールプルーフ(fool proof)」ですが、このような意味の違いがあります。

「フェールセーフ/フェイルセーフ(fail safe)」「フールプルーフ(fool proof)」について深く知る参考リンク

※本記事は2016年1月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。