「トータルコスト」で考えろ!?「イニシャルコスト」と「ランニングコスト」の意味と違いとは?

「トータルコスト」で考えることが大事

ビジネスシーンのみならず、私たちが普段の生活の中でよく聞く言葉に「イニシャルコスト(=initial cost) 」「ランニングコスト(=running cost)」があります。この二つのカタカナ語はビジネスパーソンの常識として意味を知っておきたいところ。

ここでは、それぞれの言葉の意味、そしてどのような違いがあるのかを再確認します。

「トータルコスト」で考えろ!?「イニシャルコスト」と「ランニングコスト」の意味と違いとは?

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「コスト」の意味とは?

「イニシャルコスト」と「ランニングコスト」の意味の違いを考える前に、まず先に両方の言葉に共通する「コスト」の意味を確認しましょう。

「コスト」は英単語 cost に由来するカタカナ語。cost には名詞で”費用”という意味があります。

この言葉自体は、私たちの生活の中でもよく使用されるのはみなさんもご存じの通り。例えば『コストがかかりすぎる』と言えば”費用がかかる”ことですし、『コストカットを実施する』と言えば”費用”の削減(= cut )を行うことを意味します。

英単語 cost の意味
  • ”費用”

「イニシャルコスト」の意味とは?

そして本題となる「イニシャルコスト」と「ランニングコスト」。

「イニシャルコスト」から考えましょう。この言葉も「イニシャル」の意味がわかれば難しくありません。

「イニシャル」は英単語 initial に由来しています。英単語 initial には形容詞で”初めの””最初の””初期の”という意味があります。

例えば『田中太郎さんのイニシャルは T.T です』のように使われる「イニシャル」は、ローマ字で表記された姓名の”初めの”1文字を並べたものですね。

余談ですが、有名な漫画作品『頭文字D』も「イニシャル・ディー」と読みます。

英単語 initial の意味
  • ”初めの”、”最初の”、”初期の”

すなわち「イニシャルコスト」とは”初期費用”のこと。つまり”いちばん初めにかかる費用”を意味するわけです。

「イニシャルコスト(=initial cost)」の意味
  • ”初期費用”
  • ”いちばん初めにかかる費用”

例えばスマートフォンを初めて購入するケース。スマートフォン本体の代金や、購入時に必要な事務手数料などが「イニシャルコスト」となります。

「ランニングコスト」の意味とは?

そしてもう一方の「ランニングコスト」の意味。「ランニング」と聞くと”走る”ほうの「ランニング」を頭に浮かべる人もいるでしょうが、ちょっと違います。

「ランニングコスト」の「ランニング」は英単語 run に由来します。そしてこの英単語 run は多くの意味を持つ多義語です。

英単語 run には私たちがよく知っている”走る”という意味だけでなく、”(機械などが)動く””(車や船など)を運転・運行させる”といった意味もあります。

多くの場合において、「ランニングコスト」は”(車や機械などの)維持費用”、あるいは”運営費用””運転費用”と日本語に訳されることがほとんどです。

「ランニングコスト(=running cost)」の意味
  • ”(車や機械などの)維持費用”
  • ”運営費用”
  • ”運転費用”

スマートフォンで考えるならば、月々の通話料金や通信料金が「ランニングコスト」になりますね。

いずれにせよ「イニシャルコスト」は”初期費用”、「ランニングコスト」は”維持費用”と考えておけば、まず間違いありません。

「イニシャルコスト」と「ランニングコスト」の意味
  • イニシャルコスト(=initial cost) = ”初期費用”
  • ランニングコスト(=running cost) = ”維持費用”

「イニシャルコスト」と「ランニングコスト」の具体例

私たちの普段の生活の中では、自動車やマンション・一戸建てなどの住宅の購入、暖房器具やプリンターなど電気機器の購入を行う際に、「イニシャルコスト」や「ランニングコスト」という言葉をよく使用します。

例えば一戸建て住宅を購入する際には、一番最初にかかる土地取得費用や建設費用が「イニシャルコスト」、メンテナンス費用(修繕費用)、光熱費用が「ランニングコスト」になります。

以下に具体的な事例を見てみましょう。

「イニシャルコスト」と「ランニングコスト」の具体的な事例
  • 自動車の購入
    【イ】車体本体の代金、事務手数料など
    【ラ】月々のガソリン代、保険料など
  • エアコンなど暖房器具の購入
    【イ】暖房器具本体の代金
    【ラ】月々の電気代
  • プリンターの購入
    【イ】プリンター本体の代金
    【ラ】インク代
  • マンションや一戸建て住宅の購入
    【イ】土地取得費用や建設費用など
    【ラ】メンテナンス費用(修繕費用)、光熱費用など
    (※【イ】=「イニシャルコスト」、【ラ】=「ランニングコスト」)

ビジネスシーンでは新規事業の展開、事務所の開設、機械設備の導入などを実施する際に「イニシャルコスト」と「ランニングコスト」という言葉がよく用いられます(「ランニングコスト」は「固定費用」とも呼ばれます)。

事業を行う際の支出、すなわち費用を分類したもの 「A社は『固定費』の削減により赤字の解消を目指しているが、黒字浮上はまだ先のようだ」「売上が増加すると『変動費』も増えていくのが一般的だ」......。 このようにビジネスパーソン...

「トータルコスト」という言葉もある

ちなみに「イニシャルコスト」と「ランニングコスト」を合計したものを「トータルコスト(=total cost)」と呼びます。

英単語 total とは”全ての”という意味であり、「トータルコスト」を日本語に直訳すると”総費用”となります。

一般的には自動車や住宅といった高額商品、それからエアコンをはじめとする暖房器具やプリンターといった電気機器を購入する際には、「トータルコスト」を基準に考えるとよいとされています。

「トータルコスト(=total cost)」の意味
  • ”総費用”

「トータルコスト」を重視すべき理由

例えばエアコンなどの暖房器具。「あら、お安い、しかも暖か~い」と安易に安売りされているものを購入したはいいものの、実は消費電力が高く月々の電気代がとんでもないことになってしまった、よくよく見ると高額な商品の方が消費電力(=すなわち「ランニングコスト」)が低く「トータルコスト」で考えたらはじめから高額な商品を購入したほうがよかった……と後で気づくケースはよくある話です。

また販売手法には、競合商品に比べて「ランニングコスト」がかかる商品の価格設定を低くしたり、「初期費用0円」をウリにするものがあるという点は知っておきたいところです。

このようによく考えないで商品を購入した場合、結果的に損をしてしまう、つまり「安物買いの銭失い( = ”得だと思い安物を買っても結果的に損をすること”)」になってしまう可能性も少なからずあります。ですから商品を購入する際には「トータルコスト」を重視すべきだとされているのです。

「イニシャルコスト」に「ランニングコスト」、そして「トータルコスト」はビジネスシーンでもよく用いられる言葉なので、ビジネスパーソンの常識として意味を知っておきたいところです。

「イニシャルコスト」「ランニングコスト」について深く知る参考リンク

※本記事は2016年4月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。