「始末書」の「始末」とは?「反省文」「顛末書」との違い
始末書(しまつしょ)は、仕事上でトラブルが発生したときに、責任を認め再発防止策をとる意味で提出するものです。ところで「始末」とは何でしょうか? また反省文や顛末書とは何が違うのでしょうか?
例えば、国が定めた安全対策を守らず事故を起こした船の運行会社は、日本ではモラルハザードと呼ばれて厳しい非難にさらされました。
このモラルハザードは日本独自の用法で英語のmoral hazardと異なる意味で使われています。
日本では、「モラルハザード」という言葉は、「倫理観や道徳的節度がなくなり、社会的な責任を果たさないこと」という意味で使われています。
「モラル」とは「大人として守って当然のこと」という意味です。
例えば、幼いころ「思いやりをもちなさい」など先生や親に言われた経験は、誰しもあるでしょう。
「思いやりの心をもつ」のも「モラル」のひとつです。
「思いやりの心をもつ」というのは、法律の条文に書かれていたり、契約で定められていたりするわけではありませんよね。 ただ「書かれていないから守らなくていいわけじゃないよね」「一人前の大人として守って当然だよね」ということが「思いやりの心をもつ」ということですよね。
このように「大人として守って当然のこと」が「モラル」です。
では「ハザード」とはどういう意味でしょうか?
ハザードとは「異常事態」という意味です。 例えば「ハザードマップ」というと、災害時のための地図のことですよね。
災害などの「異常事態」のことが「ハザード」です。
まとめると「モラル」つまり「大人として守って当然のこと」が「ハザード」つまり「異常事態」ということです。
このように「守って当然のことが守られていない」ことを「モラルハザード」と呼びます。
英語では、moralは「道徳的な」、hazardは「危険」や「障害」という意味です。
つまり、moral hazardとは、直訳すると「道徳的な危険」や「道徳的な障害」ということになります。
英語でmoral hazardというと経済学や保険業界で使われる用語です。情報の非対称性や契約の不完全性によって一方の行動が他方に悪影響を及ぼすことを指します。
例えば、保険に加入している人が、保険金が支払われることを期待して自分の財産や健康に対する注意を怠ったり故意に事故を起こしたりすることがmoral hazardです。
この場合、保険会社は被保険者の行動を完全に監視できないため、被保険者がリスクを取るインセンティブを持ちます。 これは、社会的に望ましくない結果をもたらします。
もう1つの例として、金融機関が政府からの救済措置を期待して、過度なリスクを取ることもmoral hazardです。
この場合、政府は金融機関の経営判断を完全に把握できないため、金融機関が自己責任を放棄するインセンティブを持ちます。 これも、社会的に望ましくない結果をもたらします。
日本では、「モラルハザード」という言葉は、「倫理観や道徳的節度がなくなり、社会的な責任を果たさないこと」という意味で使われています。
例えば「国が定めた安全対策を守らずに事故を起こした船の運行会社」は、日本では「モラルハザード」として厳しい非難にさらされました。
このように日本では、「モラルハザード」とは「法律や契約に明示された禁止事項を守らない」ことを指します。
一方で、英語のmoral hazardでは、「法律や契約に明示された禁止事項を守る」ことは大前提であり、その上で「本人(企業)のモラル」に任されている部分で社会的に望ましくない行為が行われることを指します。
始末書(しまつしょ)は、仕事上でトラブルが発生したときに、責任を認め再発防止策をとる意味で提出するものです。ところで「始末」とは何でしょうか? また反省文や顛末書とは何が違うのでしょうか?
初動(しょどう)は「最初に起こる動き」のことを指します。例えば、自動車が走り出すときの加速力や、地震が発生したときの最初の揺れなどが「初動」にあたります。
周知(しゅうち)は「広く多くの人に知らせること」または「広く知れ渡っている状態」です。「周知する」と動詞で使うと「広く多くの人に知らせる」という意味になります。