自己破産や確定申告・選挙で使われる「按分」の読み方と意味とは?

自己破産における「按分弁済」、確定申告での「家事按分」「按分計算」、選挙での「按分票」……。

普段あまり耳にすることがない「按分(もしくは案分)」という言葉ですが、いったいどんな意味があるのでしょうか?

自己破産や確定申告・選挙で使われる「按分」の読み方と意味とは?

「按分」とは何ぞや?


「按分」の読み方と意味

「按分」の読み方は”あんぶん”。

“分”という漢字が入っていることからもわかるように、「按分」という言葉には”分ける”という意味が含まれます。

ただし”平等に分ける”のではなく、”基準となる数量に比例して分ける”のが「按分」の意味の最大のポイントになります。

「按分(あんぶん)」の意味
  • “基準となる数量に比例して分けること”
  • “比例配分”

ちなみに「按分」を簡単な言葉で表現したい場合には、「比例配分」と言い換えることもできるでしょう。

また「按分」の”按”の漢字は常用外漢字であるため、常用漢字である”案”を用いた「案分」と表記するケースもあります。

自己破産で「按分」という言葉が使われる例

「按分」という言葉が実際に使われる例を見てみましょう。

例えば自己破産などで『返済原資100万円を債権者A(債権額700万円)と債権者B(債権額300万円)に債権額「按分」で弁済する』というケース。「按分弁済」と呼ばれます。

この場合、”基準となる数量”は債権者A:債権者B=7:3 となり、返済原資100万円のうち債権者Aに70万円、債権者Bに30万円が比例して弁済、つまり「按分弁済」されます。

繰り返しますが、”基準となる数量に比例して分ける”のが「按分」の意味のポイントです。

自営業者の確定申告での「家事按分」「按分計算」

自営業者の確定申告では「家事按分」や「按分計算」という言葉が使われます。

自宅を住居兼店舗として用いている自営業者の場合、水道光熱費(水道代・電気代・ガス代)や家賃などを住居部分と店舗部分を比率に応じて分ける(すなわち「按分」する)ことで、必要経費として申告することができます。これを「家事按分」と言います。

そして「家事按分」のための計算が「按分計算」となるわけです。

選挙で用いられる「按分票」

選挙では「按分票(あんぶんひょう)」という言葉が用いられます。

「按分票」とは、選挙において複数の候補者や政党に該当する可能性のある票を比例配分することです。

例えば、ある選挙に山田太郎さんと山田次郎が立候補し、どちらにも該当する可能性がある『山田』票が30票あった場合、15票ずつ均等に配分されることはなく、”基準となる数量”である得票数に応じて「按分」されます。

山田太郎さんと山田次郎が立候補し、『山田』票が30票あった場合
  • 山田太郎-得票数100票
  • 山田次郎-得票数50票
  • ⇒山田太郎:山田次郎=2:1の割合(”基準となる数量”)なので、山田太郎さんに『山田』票30票のうちの20票、山田次郎さんに『山田』票30票のうちの10票が「按分」される。

このようになります。

こんな場合には……

あなたが上司から『取引先からお饅頭をいただいたから、みんなで「按分」しておいて』と言われるケースもあるかもしれません(普通なら単に「分ける」と言えばのですが、まれに難しい言葉を使いたがる上司はいますね)。

この場合には、”基準となる数量”は特にないので、頭数に応じてお饅頭を分配すればよいだけです。

いずれにせよ「按分」という言葉は、”基準となる数量に比例して分けること”と覚えておけば間違いありません。

「按分」について深く知る参考リンク

※本記事は2016年4月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。