”戦略”と”戦術”の違いって?「ストラテジー」の意味とは?

”戦略”と”戦術”は似ているけど違う

ビジネスシーンでは、「ストラテジー」というカタカナ言葉を見聞きすることが少なくありません。

そこで、この「ストラテジー」という言葉には、いったいどのような意味があるのか考えてみたいと思います

”戦略”と”戦術”の違いって?「ストラテジー」の意味とは?

えぇ、今ストラテジーを立案しているところなのですが……


「ストラテジー」の意味とは?

まずは、「ストラテジー」というカタカナ語の意味の確認から。

「ストラテジー」は、英単語 strategy に由来する言葉です。この英単語は、大学受験レベルに相当する英単語なので知っている人も多いでしょう。

英単語 strategy には、”戦略””全体的な計画”といった意味があり、カタカナ語「ストラテジー」も、その意味で用いられています。

ビジネスシーンでは、様々な”戦略”(経営”戦略”や販売”戦略”、広告”戦略”など)に対し、この「ストラテジー」という言葉が用いられます。

英単語 strategy / カタカナ語「ストラテジー」の意味
  • ”戦略”
  • ”全体的な計画”
  • ※ビジネスシーンでは様々な”戦略”に対し用いられる
    ※英単語 strategy は大学受験レベルに相当する英単語

余談ですが、(ゲームの一分野である)「ストラテジーゲーム」と言えば、”戦略”を駆使するゲームを指します。

また、一般的には〈「ストラテジー」=”戦略”〉と考えておけばよいのですが、”全体的な計画”の部分も意外と大事であるという点は覚えておきたいところです。

”戦略”と”戦術”の意味は微妙に異なる

”戦略”という言葉を聞いて、ピンと来た人もいるかもしれません。

そう、”戦略”と似た言葉には、”戦術”という言葉があるのです(”戦術”を英語で表現すると tactics になります)。

”戦略”と”戦術”。この二つの言葉は、いずれも戦い方を表す言葉なのですが、字が似ていることもあり同じ意味で用いている人もいるようです。しかし、実は微妙に意味が異なるのです。

その違いを比較してみましょう。

”戦略”と”戦術”の意味の違いとは?

”戦略”、すなわち「ストラテジー」は、”全体的な計画”や”大局的な戦い方”といった長期的、あるいはマクロな視点での戦い方を指しています。

それに対して”戦術”(=「タクティクス」)は、”個別の作戦”であったり”局地的な戦い方”といった短期的、あるいはミクロな視点での戦い方を意味しているのです。

”戦略”(=「ストラテジー」)と”戦術”(=「タクティクス」)の意味の違い
  • ”戦略”(=「ストラテジー」)
    ⇒ ”全体的な計画”、”大局的な戦い方”
    長期的、あるいはマクロな視点での戦い方
  • ”戦術”(=「タクティクス」)
    ⇒ ”個別の作戦”、”局地的な戦い方”
    短期的、あるいはミクロな視点での戦い方

”戦略”という言葉は、”戦術”に比べてより俯瞰的であるとも言えるでしょう。

「ドローンの登場により、『俯瞰』的な視点で映像を撮影することが容易になった」「政治家には、常に『俯瞰』的な世界観や具体的な国家ビジョンを持つことが求められている」......。 このようにニュース記事やビジネス記事...

したがって「ストラテジー」というカタカナ語を使用する際には、マクロな視点を持った”戦略”、つまり”全体的な計画”を指して用いたほうが(どちらかというと)ふさわしいということになるのです。

この”戦略”(=「ストラテジー」)と”戦術”(=「タクティクス」)の意味の違いは、ビジネスパーソンとして覚えておいて損はありません。

カタカナ語「ストラテジー」を使用する際のポイント
  • 長期的、あるいはマクロな視点を持った”戦略”、つまり”全体的な計画”を指して用いたほうが(どちらかというと)ふさわしい

「ストラテジー」を用いた具体的な文例

具体的な文例についても見てみましょう。

「ストラテジー」を用いた具体的な文例
  • サッカーや野球の監督にとっては、もちろん目の前の一試合一試合も大切だが、シーズン全体を俯瞰した「ストラテジー」も重要になってくる。(※長期的、あるいはマクロな視点での戦い方ということ)
  • 戦略系コンサルタントには、企業が持つ強みや弱みを分析する能力だけでなく、企業が持続的な成長を可能とするような「ストラテジー」を組み立てる能力が求められる。(※経営”戦略”の意味)
  • コンサルティングファームが顧客企業の「ストラテジー」を導き出すためには、調査や分析、インタビューに膨大な時間をかける。(※経営”戦略”の意味)
  • 銀行出身のA氏は、コーポレート「ストラテジー」チームの一員としてインターナショナルビジネスの戦略策定を担当し、その後 CFO に就任した。(※コーポレートストラテジーチームとは、全社的な経営方針を立案する『経営企画室』に相当する部署のこと)
  • 彼は世界的な EC 企業で、東アジア地域のサイバーセキュリティ「ストラテジー」を担当している。(※セキュリティ戦略を担当しているということ)

このように用いられます。

短期的、あるいはミクロな視点での戦い方ではなく、長期的、あるいはマクロな視点での戦い方であるという点がイメージできるでしょうか。

「ストラテジー」の誤用例

まれにビジネス文章などで「ストラテジー戦略」「戦略ストラテジー」と記述しているケースがありますが、これは明らかな誤用です。

「白い白馬」と同様に意味が重複した表現なので、注意しましょう。

カタカナ語「ストラテジー」の誤用例
  • ストラテジー戦略(×)
  • 戦略ストラテジー(×)

ビジネスシーンでは「ストラテジー」よりも”戦略”と表記したほうがよい?

もちろん、ビジネスシーンで「ストラテジー」という言葉を用いることは何も問題ありませんし、例えばコンサルティング業界ではむしろ頻繁に使用される言葉です。

しかし「ストラテジー」と表記するよりも”戦略”としたほうが、相手にとってわかりやすいケースも中にはあるでしょう。

したがって、ビジネスシーンにおいては、TPOに応じて「ストラテジー」と”戦略”を使い分けたいところです。

「ストラテジー」よりも”戦略”のほうがよい?
  • 情報ストラテジー ⇒ 情報戦略
  • ストラテジーの立案 ⇒ 戦略の立案
  • ※TPOに応じて使い分ける

「ストラテジー」の同義語・類義語

似た言葉には「戦略」や「全体的な計画(スキーム)」、「長期的な戦い方」、「マクロな視点での戦い方」などといった言葉があります。

「ストラテジー」の同義語・類義語
  • 「戦略」
  • 「全体的な計画(スキーム)」
  • 「長期的な戦い方」
  • 「マクロな視点での戦い方」

まとめ

ここまでの内容をまとめます。

まとめ
  • 「ストラテジー」には”戦略”や”全体的な計画”といった意味がある
  • ビジネスシーンでは、様々な”戦略”に対し「ストラテジー」という言葉が用いられる
  • ”戦略”と”戦術”の意味は微妙に異なる
  • ”戦略”とは、長期的、あるいはマクロな視点での戦い方を意味する
  • 「ストラテジー戦略」や「戦略ストラテジー」の記述は明らかな誤用
  • TPOに応じて「ストラテジー」と”戦略”を使い分ける

いずれにせよ「ストラテジー」という言葉は、社会人の常識として意味を知っておきたいところです。

以上、「ストラテジー」の意味と使い方についての説明でした。ビジネスパーソンのみなさんの参考になれば幸いです。

「ストラテジー」について深く知る参考リンク

※本記事は2016年7月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。