退職届の例文テンプレートでよく見る「私儀」とはどういう意味?

退職届や退職願の例文テンプレートでよく見る「私儀」という言葉。置かれている位置も少し謎なこの言葉について考えてみます。


退職届の例文テンプレートでよく見る「私儀」とはどういう意味?

「私儀」の使われ方

まずは一般的な退職届の例文テンプレートを見てみましょう。どこに「私儀」が使われているかわかりますか?

退職届
凸凹産業株式会社 代表取締役 鈴木太郎 様
私儀

一身上の都合にて、平成○○年○○月○○日をもって退社いたしたくお届けいたします。

         

平成○○年××月××日
所属 営業二課
氏名 山田花子

  

宛先となる代表取締役(社長)名の後、本文の一行目の右端(文末)に「私儀」という言葉が置かれていますね。決して間違いではありません。この場所が「私儀」の置かれるべき場所なのです。

「私儀」の読み方と意味は?

普段私たちが使う機会が少ない「私儀」という言葉。読み方は”わたくしぎ”です。

辞書にはあまり載っていない言葉ですが、広辞苑では「儀」の項目に解説が述べられています。

【「儀」の意味】

・”(主に文章語として)人に示す体言に添えて、それについて言えば、の意を示す。(「私儀」)”
(引用:『広辞苑』第五版「儀」の項目より)

簡単に言えば”これから私について述べます”ということ。

ちなみに「儀」という言葉自体には、”作法に従って進退すること”といった意味もあります。ですから「私儀」には、”私の進退について、これから述べます”という意味があると考えることもできます。

不思議な「私儀」の位置

なぜ、宛先となる代表取締役(社長)名の後、本文の一行目の右端(文末)に「私儀」が置かれるのでしょうか?

その理由は謙譲(けんじょう)のためであるとされています。つまり一行目の右端(文末)に「私儀」を置くことで、自分のことを一段下げる役割を果たしているのです。

あまり難しく考えず、退職届の書き方の作法程度に考えておくとよいでしょう。

いずれにせよ、手書きの場合においても Word などパソコンで作成する際においても、一行目の右端(文末)に「私儀」が来るようにし、改行してから本文を書いていきましょう。

以上、「私儀」の意味と使い方の解説でした。

※本記事は2016年4月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。