口外しちゃダメ!「箝口令(緘口令)」の読み方と意味とは?

箝口令が敷かれたら内容を部外者に話してはならない

「職員全員に箝口令」「議員に箝口令を敷く」「厳重な箝口令が敷かれる」……。

このようにビジネスシーン、そしてテレビや新聞のニュースでも見聞きすることが多い「箝口令(緘口令)」という言葉。

この言葉には、いったいどのような意味があるのでしょうか?


口外しちゃダメ!「箝口令(緘口令)」の読み方と意味とは?

「部外者に黙ってろって言われてもついしゃべっちゃうよな!だって人間だもの!」「そう人間だもの!」


「箝口令(緘口令)」の読み方

まずは先に「箝口令(緘口令)」の読み方の確認から。

「箝口令(緘口令)」は”かんこうれい”と読みます。「箝(緘)」の字は一般的にはあまり用いられない、かなり難しい漢字です。

また、”かんこうれい”には「箝口令」と「緘口令」、二種類の表記方法がありますが、どちらも正しい表記です。余談ですが新聞記事やネット上のニュース記事では「箝口令」の表記のほうが多く使われています(以後、ここでは「箝口令」と表記します)。

「箝口令」の意味とは?

続いては意味。本来、「箝口」という言葉には”口をつぐみ、ものを言わないこと”、そして「令」には”命令”という意味があります。

「箝口」と「令」の意味
  • 「箝口」 = ”口をつぐみ、ものを言わないこと”
  • 「令」 = ”命令”

というわけで「箝口令」を字義通り解釈すると、”話してはならないという命令”になります。

ただ、ここで勘違いしてはならないのは、例えば会議における私語を禁止するといったように、仲間同士や関係者同士の会話を禁止するものではないという点。

実際に「箝口令」が使用されるシチュエーションを考えてみるとわかりやすいかもしれません。

例えば企業で不祥事が起きた際に、社内の様子や社内でどのような対応を行っているかといったことをマスコミに語らないよう(上層部や危機管理系の部署などから)社員に指示が出され、マスコミが社員にインタビューをしても何も語らない際に「A社では『箝口令』が敷かれている」と表現します。

つまり「箝口令」とは、”(何らかの内容を)部外者に対して話してはならないという命令”ということになります。”部外者に対して”という部分がポイントです。

ちなみに『広辞苑』では「箝口令」を、”ある事柄について他人に話すことを禁止する命令”と定義しています。

箝口令(緘口令)(読み方:かんこうれい)の意味
  • ”(何らかの内容を)部外者に対して話してはならないという命令”
  • ”ある事柄について他人に話すことを禁止する命令”
     (引用:『広辞苑』第五版)

「箝口令」が出されたらビジネスパーソンはどうすればいい?

一般的に「箝口令」は明文化(文章化)されず口頭で指示されることがほとんどであり、法的拘束力があるというわけでもありません。

上司から「この件に関しては部外者に黙っていろ」と言われれば、それが「箝口令」となります。

ビジネスパーソンの場合、会社で何らかの不祥事が起き、上層部や危機管理系の部署、あるいは上司から「箝口令」が出されたら、当然ながらマスコミをはじめとする部外者には何も語らないのが得策でしょう。

一部のマスコミの中には「情報を教えてくれたら報酬を差し上げます」と甘い言葉で情報を引き出そうとするところもあります。つい情報をリークしたくなるかもしれませんが、「壁に耳あり障子に目あり」という言葉を思い出したいところです。

「リーク」=”(意図的に)情報を漏らすこと” 「今回のA社の不祥事は、関係者からの『リーク』が端緒となり発覚した」「先日明らかになったB氏のスキャンダルでは、B氏に近い人物が週刊誌に情報を『リーク』したとみられている」……。 こ...

基本的な使い方

基本的な使い方についても見てみましょう。

「箝口令」は主に「敷く」や「出す」という言葉とともに使われます。

「箝口令」の使い方の一例
  • 箝口令を敷く(出す)
  • 箝口令が敷かれる(敷かれている / 敷かれていた / 出されている)

具体的な文例

続いて具体的な文例です。

「箝口令」を用いた具体的な文例
  • 多額の横領事件が起きたA信用金庫では、職員全員に「箝口令」が敷かれており、マスコミが事件について感想を求めても誰も質問に答えなかった。
  • 先月不祥事が起きたB社では、関係者に厳重な「箝口令」が敷かれている。
  • 先週、週刊誌で外資による買収が報じられたC社では、会議内容に関して社員に徹底した「箝口令」が敷かれており一切情報が伝わってこない。

このように用いられます。言葉の意味を理解できたでしょうか。

同義語・類義語

同義語・類義語についても考えてみましょう。

「箝口令」に似た言葉には、「口外禁止令」や「口止め」、「オフレコ」、「部外者にもらさない」、「一切口外しない」などといった言葉があります。

「箝口令」の同義語・類義語
  • 「口外禁止令」
  • 「口止め」
  • 「オフレコ」
  • 「部外者にもらさない」
  • 「一切口外しない」

「今回の会議の内容は完全に『オフレコ』ということでお願いします」「会合の議事録には参加者の『オフレコ』発言が含まれているので、決して公開しないように」......。 このように、様々なシチュエーションで見聞きする「オフレコ」という言葉...
簡単に言えば「内緒にしておいてね!」ということ 「今回の会議の内容は『他言無用』でお願いします」「相手がこっそり打ち明けた話は、基本的に『他言無用』だという点は察したい」......。 ビジネスシーンでもよく用いられる「他言無用...

いずれにせよ、「箝口令」という言葉はビジネスシーンでもよく用いられる言葉なので、社会人の常識として意味を知っておきたいところです。

くれぐれも社内で「箝口令」が敷かれたら、部外者に話すことがないようにしてくださいね。

以上、「箝口令(緘口令)」の読み方や意味、使い方を解説しました。ビジネスパーソンのみなさんの参考になれば幸いです。

「箝口令(緘口令)」について深く知る参考リンク

※本記事は2016年4月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。