学問の神様・菅原道真も経験した!「左遷」の意味とは?

学問の神様・菅原道真も経験したという「左遷」。「左遷」という言葉には、いったいどのような意味があるのでしょうか?

どうやらビジネスパーソンとしては経験したくないことのようですが……。


学問の神様・菅原道真も経験した!「左遷」の意味とは?

サ、サハリン支社ってどこにあるんだ……


「左遷」の読み方と意味とは?

「左遷」は”させん”と読みます。

「左遷」は古代中国に由来(『史記 韓信盧綰伝』)する言葉で、『広辞苑』によると”高い官職から低い官職に落とすこと””官位を低くして遠地に赴任させること”という二つの意味があります。

つまり現代風に考えると、ビジネスパーソンが会社などで”役職が降格すること”と”役職が降格しつつ(本社から)遠い場所に赴任すること”を意味することになるでしょう。

現代において、特に大企業の場合、本社のある東京から地方に飛ばされることは「左遷」を意味することが少なくないようです(もちろん、NHKのアナウンサーのようにエースであればあるほど、積極的に地方に赴任させるケースもあります)。

また、これらの意味の他に、会社内でミスを犯したビジネスパーソンが”それまでの業務よりも閑職に追いやられること”も「左遷」の意味に含まれます。

「左遷」(読み方:させん)の意味
  • “役職が降格すること”
  • “役職が降格しつつ(中央から)遠い場所に赴任すること”
  • “それまでの業務よりも閑職に追いやられること”

「左遷」の文例についても見てみましょう。通常は受け身の形をとり「左遷される」と表現します。

「左遷」の文例
  • 重大なミスをし会社に損害を与えたAさんは、翌年に窓際部署へと「左遷」されてしまった。
  • 本社の営業部長から九州支社の営業本部長へと異動が決まったBさんだが、実質的には「左遷」だと噂されている。

このように使われます。

なぜ「右遷」ではなく「左遷」なの?

と、ここでひとつ疑問が出てきます。なぜ「右遷」ではなく「左遷」と書くのでしょうか?

その答えは、やはり古代中国にあります。古代中国では「左」よりも「右」の方が上位であるとされたからです。

そして古代中国の影響を受けた日本でも、「左」よりも「右」の方が上位であるという考え方が一部で取り入れられました。

優秀な人物を形容する言葉である「右に出る者はいない」という表現も、その名残でしょう。

学問の神様・菅原道真と「左遷」

ちなみに、歴史の教科書にも登場する学問の神様・菅原道真(すがわら・みちざね)公も「左遷」を経験した一人です。

遣唐使の廃止を提案したことでも知られる菅原道真(845年-903年)は、若い頃から才能を発揮し、学者としての最高位であった文章博士(もんじょうはかせ)や讃岐国(現在の香川県)の地方長官などを歴任し活躍、ついには都で右大臣に抜擢されます。

しかし右大臣時代に、ライバル藤原時平の謀略により身に覚えのない罪を着せられ、都から大宰府(九州の地方長官)へと「左遷」され、失意のうちに九州で亡くなりました。

その後、都では天変地異が多発。これが菅原道真の祟りではないかと畏れられ、信仰の対象となり天神様として祀られるようになったのです。

「左遷」の同義語・対義語

「左遷」の同義語・対義語には、どのような言葉があるのでしょうか。

「左遷」の同義語には、「更迭」「降格(降任・降職)」といった言葉があります。ややカジュアルな表現だと「島流し」もありますね。

任命権者や上位役職者の意向が強く働く 「C国のD大統領は、メディアから不祥事を追及されているエネルギー相を『更迭』した」「G社の営業担当執行役員が時季外れの人事異動で子会社へ出向したのは、G社の業績不振に伴う『更迭』人事だと噂され...

対義語には、”今までよりもよい地位に転任する”という意味の「栄転」や「出世」といった言葉があります。

いずれにせよ、ビジネスパーソンとしては「左遷」を経験したくないもの。できれば「栄転」したいものですね。

以上、「左遷」の意味と使い方についての説明でした。ビジネスパーソンの皆さんの参考になれば幸いです。

「左遷」について深く知る参考リンク

※本記事は2016年5月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。