「拝見」「拝聴」「拝読」「拝借」…「拝」のつく言葉の使い方とは?

間違えて使用しているビジネスパーソンも多い

「拝見」「拝聴」「拝読」「拝借」……。これらの言葉を間違えて使用しているビジネスパーソンは意外と多いもの。

そこで、ここでは「拝」のつく言葉の使い方について説明します。

「拝見」「拝聴」「拝読」「拝借」…「拝」のつく言葉の使い方とは?

部長、資料を「拝見」していただきたいのですが……(誤用)


「拝」のつく言葉は『相手』の動作に対して使ってはいけない!

「拝見」「拝聴」「拝読」「拝借」。これらの言葉で用いられる「拝」の文字には、”謹んで”という意味があり、それぞれ「見る」「聴く」「読む」「借りる」を謙譲語にします。

謙譲語とは、自分の動作を相手より下げて(=へりくだって)敬意を表す言葉です。

ですから「拝見」「拝聴」「拝読」「拝借」といった言葉は、自分、すなわち『私』の動作に対して使うべきであり、『相手』の動作に対しては使わない言葉なのです。

「拝見」「拝聴」「拝読」「拝借」のルール
  • 『私』の動作に対して使う
    (『相手』の動作に対しては使わない)

具体的な文章で考えてみましょう。

「見る」の謙譲語「拝見」の使い方

例えば「見る」の謙譲語「拝見」。

下の文章を見てください。

× 課長、企画案ができあがりましたので、「拝見」していただきたいのですが。
○ 課長、企画案ができあがりましたので、「ご覧」いただきたいのですが。

誰が動作を行うのかという点がポイントです。『私』が「見る」のであれば「拝見」ですし、『相手』が「見る」のならば「ご覧」となります。

上の例文では、課長、すなわち『相手』が「見る」のですから「拝見」は使えません。「ご覧」を用いた文章が正解となるわけです。

余談ですが、バスガイドさんが観光案内する際に「右手をご覧ください」と言いますね。この場合も『相手』が「見る」わけですから、「拝見」ではなく「ご覧」となるのです。

ちなみに「ご覧」の他に「お目通しください」という表現を用いることができます。

「読む」の謙譲語「拝読」の使い方

「読む」の謙譲語である「拝読」も同様です。

「先生のご本を拝読し、とても感動しました。」のような文であれば、『私』が本を「読む」わけですから「拝読」を用いても問題ありません。

しかし「読む」のが『相手』であったならば、「拝読」を使うことができません。

「読む」のが『相手』であるなら「拝読」ではなく、「お読み」もしくは「ご覧」を用いましょう。

× 皆さんが「拝読」されてますパンフレットの~
○ 皆さんが「お読み」になってますパンフレットの~
○ 皆さんが「ご覧」になってますパンフレットの~

「お手を拝借」のフレーズで覚える方法

とはいえ、特に新社会人は「拝」の文字を用いた言葉が苦手なもの。

個人的には、「お手を拝借」のフレーズで覚える方法がおすすめです。

「お手を拝借」のフレーズを頭に思い浮かべてください。手を「借りる」のは『私』、だから「拝」の文字は使ってよい、というわけで「拝借」はOKと覚えればよいのです。

大丈夫です。慣れれば自然と「拝」の文字を用いた言葉を理解ができるようになります。

いずれにせよ、「拝」のつく言葉を用いる際には動作の主体が『私』なのか『相手』なのかを、まず最初に考えたいところです。

以上、「拝見」「拝聴」「拝読」「拝借」…「拝」のつく言葉の使い方についての説明でした。

皆さんの参考になれば幸いです。

※本記事は2016年5月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。