「先見の目」の誤用に注意!「先見の明」の意味と使い方とは?

”先を見通す能力”だけでなく、実際に”対応する能力”も大事

「いや~さすが部長!先見の明をお持ちで!!」「山田君は先見の明があるねぇ!」……。

ビジネスシーンでも相手をホメる際などによく使われる「先見の明」という言葉。この「先見の明」という言葉には、いったいどのような意味があるのでしょうか?


「先見の目」の誤用に注意!「先見の明」の意味と使い方とは?

さすが部長~「先見の【目】」がありますぅ~(誤用)


「先見の明」の読み方と意味とは?

まずは「先見の明」という言葉の読み方と意味の確認から。

「先見の明」の読み方は、”せんけん(の)めい”

意味は、”【先】を【見】通す能力とそれに対応する能力”になります。

例えば、塾や予備校経営を本業にしていた会社が、将来の少子高齢化を見越してあらかじめ塾や予備校の経営を縮小、介護事業に事業転換し後に事業転換が成功した場合には、「あの会社は『先見の明』があった」と周囲から評価されることになるのです。

先見の明(読み方:せんけん(の)めい)の意味
  • ”先を見通す能力とそれに対応する能力”

ちなみに「明」という漢字は、”(物事の道理を見分ける)能力・才能”という字義を持ちます。

「明」の字義
  • ”(物事の道理を見分ける)能力・才能”

そう言えば、「法律に明るい」といった「○○に明るい」の表現には、”○○に関する能力・才能を持つ”、すなわち”○○に詳しい”という意味がありますね。

「先見の目」は誤用表現

まれに「先見の【目】がある」「先見の【目】を持っている」など、「先見の【目】」と表現する人がいます。

確かに「明(めい)」と「目(め)」は発音が似ていますし、”【先】を見る【目】”と考えると「先見の目」としたいところなのですが、これは誤用表現になるので注意してください。

もし間違えて覚えている人がいるならば、あなたが大事なシチュエーションで恥をかかないよう、この機会にぜひ「先見の【明】」で覚えましょう。

「先見の目」は誤用表現
  • 先見の【明】……正しい表現
  • 先見の【目】……誤用表現

「先見の明」の基本的な使い方

使い方についても考えてみましょう。

基本的には、「先見の明がある」「先見の明を持つ」といった表現をします。

また「先見性」とし、「素晴らしい『先見性』をお持ちですね」などと表現することができます。

「先見の明」の使い方
  • 「先見の明(先見性)」がある
  • 「先見の明(先見性)」を持つ
  • 「先見の明(先見性)」に優れる

ちなみに「先見の明」は、後から振り返ってよくよく考えてみると……、といったシチュエーションで用いられる言葉です。したがって、まだ結果が出ていない事柄に対しては「先見の明」は使われません。

「先見の明」の具体的な文例

具体的な文例も見てみましょう。

具体的な文例は以下のようになります。

「先見の明」の文例
  • 市場環境の変化を予測し、あらかじめ対応していたA社には「先見の明」があった。
  • 一軍半の選手だったイチローをスタメンに抜擢した仰木(おおぎ)監督は、「先見の明」に優れた監督であった。

このように用いられます。

文例にもあるように、イチローを超一流の野球選手に育てた仰木(おおぎ)監督は、ただ単に「彼には才能がある」と見抜くだけでなく、実際に一軍半の選手だったイチローを一軍のスタメンに抜擢することで才能を開花させました。

「先見の明」には”先を見通す能力”だけでなく、実際に行動を起こすこと、すなわち”対応する能力”も含まれているんだよという点が、おわかりいただけたでしょうか。

「先見の明」の同義語・類義語

同義語・類義語にはどのような言葉があるでしょうか?

似た言葉には、「先見性」や「先を見通す能力」、「慧眼」(読み方:”けいがん”)などといった言葉があります。

「先見の明」の同義語・類義語
  • 「先見性」
  • 「先を見通す能力」
  • 「慧眼」(読み方:”けいがん”)

”物事の本質や人物が持つ潜在能力、将来を見抜く能力” 「仰木監督の『慧眼』が、イチローの才能を開花させた」「いや~さすが部長!素晴らしい『慧眼』をお持ちですっ!」......。 このように様々なシチュエーションで見聞きする「慧眼...

いずれにせよ、「先見の明」という言葉は、社会人の常識として意味を知っておきたい言葉です。くれぐれも「先見の【目】」と間違えないようにしてくださいね。

以上、「先見の明」の意味と使い方についての説明でした。ビジネスパーソンの皆さんの参考になれば幸いです。

※本記事は2016年5月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。