「余儀なくされる」の読み方、意味、SPI対策の覚え方、「余儀なくなる」とは言わない理由

「余儀なくされる」の読み方、意味、SPI対策の覚え方、「余儀なくなる」とは言わない理由

「余儀なくされる(よぎなくされる)」とは「他になすべき方法がなくなってしまう」という意味です。

ところで「余儀なくなる」という表現はあまり使われません。それはなぜなのでしょうか?

例えば、「台風で避難を余儀なくされる」というと「台風で避難するよりほかに方法がない」という意味になり、「予算の都合でキャンセルを余儀なくされる」というと「予算の都合でキャンセルするのもやむを得ない」という意味です。

読み方は「よぎなくされる」です。

「余儀なくされる」の覚え方

「余」とは、「残り・その他・それ以外」を意味し、「儀」とは、「物事を行う方法・決まり・作法・立派なさま」を意味します。

これらの漢字を組み合わせた「余儀」という言葉は「それ以外の方法」や「その他の規範・作法」という意味にあります。

「余儀なく」は、「余儀」という名詞に「無い」という形容詞の語尾がついたものです。

「余儀」つまり「それ以外の方法」が「無い」ので、「他になすべき方法がない」「やむをえない」という意味になります。

「余儀なくなる」と言わない理由

ところで、なぜ「余儀なくなる」と言わず「余儀なくされる」と言うのでしょうか?

「余儀なくなる」ではなく「余儀なくされる」という表現にすることで、「自分の意志とは関係なく、やむを得ずそうなってしまった」という意味を表現しています。

もともと、この言葉は「自分の意思や判断の結果として」発生した事柄に使うことは基本的にありません。

「自分の意思や判断」が働くのなら「他になすべき方法がない」事態になりにくいためです。

なんらかの外部の要因(例えば台風)があり、その外部要因を自分の意思や判断でコントロールできないため、「他になすべき方法がなくなる」わけです。

そのため、「余儀ない」という言葉は「余儀なくされる」と受動態に変換して、「自分の意志とは関係なく、やむを得ずそうなってしまった」という意味を表現するのです。

「余儀なくされる」を英語では?

「余儀なくされる」という言葉は、日本語では「他になすべき方法がない。やむをえない。」という意味で使われます。自分の意志とは関係なく、やらざるを得ない状況を表すときに使います。

では、英語ではこの「余儀なく」をどう表現するのでしょうか?

実は、英語にも同じようなニュアンスの表現があります。

それは、「have no choice but to …」や「be forced to …」です。これらの表現は、「…する以外に選択肢がない」ということや、「…することを強制される」ということを意味します。

例えば、「台風で避難を余儀なくされる」は、「have no choice but to evacuate because of the typhoon」や「be forced to evacuate because of the typhoon」と言えます。

「経済危機でリストラを余儀なくされる」は、「have no choice but to lay off workers due to the economic crisis」や「be forced to lay off workers due to the economic crisis」と言えます。

これらの表現以外にも、英語では「余儀なく」の意味を伝える方法があります。

例えば、「have to …」や「need to …」という表現も、「…しなければならない」という必要性や義務を表すので、「余儀なく」のニュアンスを含むことができます。

ただし、これらの表現は、「余儀なく」ほど強い感情や苦痛を伴わない場合に使われることが多いです。

例えば、「勉強しなければならない」という場合は「have to study」や「need to study」と言えますが、「勉強することを強制される」という場合は「have no choice but to study」や「be forced to study」と言ったほうがより適切です。

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