「妥協を余儀なくされる(された)」「稼働停止を余儀なくされる(された)」……。
ニュース記事でよく見る「余儀なくされる」という言葉。この「余儀なくされる」という言葉には、いったいどのような意味があるのでしょうか?
「余儀なくされる」の意味とは?
まずは「余儀なくされる」という言葉の意味の確認から。
「余儀なくされる」の読み方は”よぎ(なくされる)”。
「余儀」には”別の方法”や”他の方法”という意味があります。そして「余儀なくされる」とは、「余儀」が「な(無)い」状態に「される」ということですから、”別の方法(余儀)が無い状態にされてしまう”という意味になります。
例えば「妥協を余儀なくされる」なら、”妥協する以外に別の方法(余儀)が無い状態にされてしまう”、すなわち”妥協をするしか方法がない状態になる”や”妥協せざるを得ない”といった意味になるわけです。
- “別の方法(余儀)が無い状態にされてしまう”
- “~(を)するしか方法がない状態になる”
- “~せざるを得ない”
「余儀なくされる」の使い方
直前に名詞を置き、「~を余儀なくされる」あるいは「~を余儀なくされた」という表現で用いられます。直前の名詞は不本意な内容であったりネガティブな内容となります。
- ~を余儀なくされる
- ~を余儀なくされた
「余儀なくされる」の文例
実際に「余儀なくされる」を用いた具体的な文例を見てみましょう。
「余儀なくされる」は、トラブルや災害などにより不本意な内容やネガティブな内容をせざるを得ないという文脈で用いられます。
- 妥協を「余儀なくされる(された)」。
- 計画の書きかえを「余儀なくされる(された)」。
- 工場の稼働停止を「余儀なくされる(された)」。
- 難しい財政運営を「余儀なくされる(された)」。
- 被災のため長期の休業を「余儀なくされる(された)」。
- 断水のため製造停止を「余儀なくされる(された)」。
- 低賃金のため苦しい生活を「余儀なくされる(された)」。
- 多くの住民が避難所での生活を「余儀なくされる(された)」。
「余儀なくされる」の同義語
「余儀なくされる」の言い換え表現には「~せざるを得ない」や「やむをえない」「選択の余地がない」など。他にも「不可避」といった表現があります。
以上、「余儀なくされる」の意味と使い方についての説明でした。皆さんの参考になれば幸いです。
※本記事は2016年5月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。