なになに営業職 完全網羅43種類 仕事内容を解説

なになに営業職 完全網羅43種類 仕事内容を解説

営業職の歴史は古く、業界や企業により様々な営業スタイル、職種があります。

営業で転職したい方に向け、営業職種43種類を網羅し、仕事内容や求められる人材像をできるだけ詳しく解説します。

世の中にはたくさんの営業スタイルがあり、「なになに営業」と名前のつくものはたくさんあります。

それらを一覧でまとめました。

ゼロから関係をつくる営業職

商品やサービスを知らない人にアプローチし、ゼロから関係を構築する営業スタイルのことです。

特徴としては、他の営業とくらべて、とにかく「第一印象」が非常に重要です。

第一印象とは、その人の単なる「見た目」という意味ではなく、「全体的」に判断されます。

転職活動(就職活動)の面接でも、とにかく「第一印象」が注目されていると考えましょう。

アウトバウンド営業職(アウトバウンド・セールス)

アウトバウンド営業職とは、自ら積極的に顧客にアプローチする営業スタイルのことです。

英語では、outbound salesと言います。outboundとは、「外へ向かう」という意味で、自分から外へ出て行って顧客を探すというイメージです。 逆に、顧客から問い合わせが来ることを待つ営業スタイルは、インバウンド営業と言い、英語ではinbound salesと言います。 inboundとは、「内へ入ってくる」という意味で、自分の内側に顧客が入ってくるというイメージです。

アウトバウンド営業職は、古くからある営業スタイルです。

ドラマなどで描かれ、一般的に「営業職」の印象として定着しているイメージを指すものが「アウトバウンド営業職」と言えば分かりやすいかもしれません。

電話や訪問などで顧客に直接コンタクトを取り、商品やサービスを紹介することが一般的です。

しかし、近年ではインターネットやSNSなどの発達により、顧客の情報やニーズをより簡単に入手できるようになりました。

そのため、アウトバウンド営業もより効率的で効果的な方法を求められるようになりました。 例えば、メールやチャットボットなどで顧客にパーソナライズされたメッセージを送ったり、オンラインセミナーやウェビナーなどで顧客に価値提供をしたりすることがあります。

アウトバウンド営業のメリットは、自分のペースで営業活動ができることや、顧客の反応やフィードバックをすぐに得られることです。 また、自ら積極的に顧客を開拓することで、競合他社よりも先手を打つことができます。

デメリットは、顧客の興味や関心が低い場合も多く、拒否される確率が高いことや、コストや時間がかかることです。 また、顧客に迷惑をかける可能性もあります。

アウトバウンド営業は、インバウンド営業と対立するものではありません。

むしろ、両方を組み合わせて使うことで、より効果的な営業戦略を構築できます。

例えば、インバウンド営業で顧客の関心を引き出した後に、アウトバウンド営業でフォローアップしたり、逆にアウトバウンド営業で顧客にコンタクトした後、インバウンド営業で信頼関係を築いたりすることがあります。

新規開拓営業職

「新規開拓営業職」とは、過去に取引していない個人や企業に対して営業する仕事です。 つまり、新しい顧客を見つけて、自社の商品やサービスを売り込むことですね。

人間関係を築けていないターゲットにアプローチをかけて、信頼を得て人間関係をつくり、売り上げや事業を拡大していくことです。

日本ではよく求人票に書かれる言葉ですが、仕事内容は多岐にわたります。

単に「新規開拓営業職」と書かれている場合は、上記「アウトバウンド営業職」に近い仕事内容をイメージするとそれほど外れないと思います。

飛び込み営業職

「飛び込み営業職」とは、アポイントメント(約束)をとらずに企業や個人宅を訪問し、自社のサービスや商品を売り込む営業スタイルのことです。

飛び込み営業は、以下のようなデメリットがよく指摘されます。

悪いイメージを持っている人も多いので、基本的に求人票には「新規開拓営業職」などと書かれています。

どうしても飛び込み営業職を避けたい場合は、面接の際に、その会社がどのような営業スタイルをしているのか、しっかりと確認しましょう。

さて、都心で働いていると今も飛び込み営業はそれなりにあります。

飛び込み営業を続けている会社は、どのようなメリットを感じているのでしょうか?

飛び込み営業のメリットとして、以下のような点があるようです。

英語では「do walk-in sales」と言います。

例えば、「今日は飛び込み営業を5件やった」という場合は、「I did 5 walk-in sales today」と言えます。

飛び込み営業はアメリカのドア・トゥ・ドア・セールス(戸別訪問販売)から発展したと言われています。

ドアトゥドアセールスは19世紀後半から20世紀前半にかけて盛んに行われていた営業方法で、本や掃除機、化粧品などを家庭に直接持ち込んで販売していました。

その後、自動車や電話などの発達により、個人宅だけでなく企業や店舗にも訪問するようになり、飛び込み営業と呼ばれるようになったのではないかと考えられています。

トランザクション営業職(トランザクション・セールス)

「トランザクション営業職」は、一言で言えば「売り切り型の営業スタイル」です。

つまり、商品やサービスを一度だけ売って、その後は顧客との関係を維持しないという方法です。 英語では「transactional sales」と言います。

トランザクション営業は、比較的価格が安く、購入決定に時間がかからないような商品やサービスで採用されます。 例えば、雑貨や食品、チケットなどがそうです。

そのため「トランザクション営業職」というと、店舗での「販売職」に近い仕事内容を想像したほうがよいかもしれません。

トランザクション営業のメリットは、営業サイクルが短く、多くの顧客にアプローチできることです。

デメリットは、競争が激しく、差別化が難しいことです。 また、顧客の満足度やロイヤルティを高めることができないため、リピートや口コミによる売上増加が期待できないことです。

しかし、近年ではSNSやネットショッピングの普及により、顧客の情報収集能力や選択肢が増えてきました。

そのため「売り切り型の商品」であれば、認知から購買までのすべての工程をスマートフォン上で完結したほうが一般的には効率的です。

従来「トランザクション営業職」が果たしてきた役割は「SNSでのマーケティング」が代替しつつあります。

特定の「役」に特化した営業職

ここまでみてきたように、商品やサービスを知らない人(企業)にアプローチしゼロから関係を構築するのは、非常に難しいものです。

そこで、演劇やドラマの「役」のように性格や役割の異なる何人かが「かわるがわる」アプローチして購入を推奨するような営業スタイルが生み出されました。

いわば「チームで役割分担」する営業スタイルです。

この営業スタイルは「新規顧客の開拓」を担当する場合が多いです。 サービスを契約した「あと」の顧客には、一人の営業担当がついて長期的な関係を構築したほうが効率よいためです。

インバウンド営業職(インバウンドセールス)

「インバウンド営業職」とは、顧客からのアプローチを起点として営業活動を進めることです。

自社から見込み客の購買意欲を高めるような情報をあらかじめ発信しておき、興味のある顧客からのアプローチを受けて営業活動を開始するスタイルの営業職です。

「インバウンド営業職」は英語で「inbound sales」と言います。

inboundとは「内向きの」「内部へ向かう」という意味で、outboundとは反対です。

outbound salesは「外向きの」「外部へ向かう」という意味で、「企業から」見込み客に積極的にアプローチする営業手法です。

inbound salesはoutbound salesの逆で、「見込み客から」企業にアプローチしてくることです。

「インバウンド営業職」は、インターネットの普及とともに拡大した営業職です。

インターネットの普及によって、顧客が自分で商品やサービスに関する情報を簡単に入手できるようになりました。

顧客は自分のニーズや課題に合った解決策を探すことができるようになりましたし、企業の評判や口コミもチェックできるようになりました。

その結果、企業から押し売りされることを嫌がる顧客が増えた一方で、自分から問い合わせる顧客が増えたのです。

この変化に対応するため「インバウンド営業職」が生まれました。

「インバウンド営業職」と「アウトバウンド営業職」の仕事内容を比べると、「インバウンド営業職」のほうが担当範囲は狭くなります。

「アウトバウンド営業職」では、まず自分の人柄に良い印象をもってもらい、さらに売りたい商品にも興味を持ってもらわねばなりませんが、こういったプロセスの必要性が「インバウンド営業職」では薄くなります。

そのため「アウトバウンド営業職」とほど「第一印象」や「話の上手さ」は重視されません。 一方で「インバウンド営業職」は、「誠実な印象」や「聞き上手さ」がより重視されます。

顧客側からみると、既にその商品の概要を知っている状態で問い合わせをしており、商品の実物(デモやサンプル)を見たかったり、価格交渉をしたかったり、その他より詳細な情報を知りたかったりするニーズがあります。

そのため「インバウンド営業職」は、これらのニーズを把握して「スピーディで誠実に」対応してくれることが求められます。 「聞き上手」で顧客の質問に要領よく回答してほしいですし、人柄として「誠実な印象」が出ているほうが望ましいです。

また「インバウンド営業職」は「アウトバウンド営業職」と比べて、一般に多くの顧客を同時に担当することが求められます。

リサーチ営業職(スピン営業、SPIN営業)

「リサーチ営業」は、顧客のニーズや課題を深く掘り下げて、最適な商品やサービスを提案する営業スタイルのことです。

リサーチ営業は、一般的な営業よりも時間や労力がかかるかもしれませんが、その分、信頼関係を築きやすく、長期的な取引につなげやすいというメリットがあります。

また、リピートや紹介などの口コミ効果も期待できます。リサーチ営業は、今後ますます重要になってくる営業スタイルだと思います。

「リサーチ営業職」は、この「リサーチ営業」のプロとして、事前に市場や業界の動向を調査したり、顧客の経営状況や競合状況を分析したりします。

また、顧客との対話では、質問の仕方を臨機応変に工夫しながら顧客の話を「引き出す」技術を駆使します。

リサーチ営業の手法は、1988年にイギリスの行動心理学者のニール・ラッカム氏が発表した「SPIN Selling」という書籍で提唱された営業方法などがその起源とされています。

SPINとは、Situation(状況質問)、Problem(問題質問)、Implication(示唆質問)、Need-payoff(解決質問)の頭文字をとった言葉です。

これらの質問を順番に投げかけることで、顧客自身が課題に気づき、自社の商品やサービスに興味を持つように導きます。

12年の調査と35,000件の営業訪問に基づいて生まれた営業話法で、発表から30年以上が経った今もリサーチ営業の基本となっています。

クロージング営業職

英語で「closing」というと「閉じること」や「終わること」を意味します。

営業活動で「クロージング」というと、顧客と契約を締結することを指します。

「クロージング」は、営業の中でも最も重要なフェーズであり、最も難しいフェーズでもあります。

例えば企業対企業の高額な契約の営業は、何度も何度も打ち合わせを繰り返して営業を進めていきます。

最終的に契約を締結するためには、一般的に、社長はもちろん全役員の承認が必要で、一人でも反対者が出ると契約を締結できないことも多くあります。

よくあるパターンは、現場の社員レベルは契約に乗り気で交渉が順調に進んだのに、最終的に契約を締結する直前、一人の役員が反対して契約ができなくなるパターンです。

高額な金額の営業では、何度も何度も面談を繰り返しますが、最終的に「クロージング」に結びつかないと意味がないし、案外、クロージング直前で問題が発生することも多くあるのです。

「クロージング営業職」は、この「クロージング」の専門家として、様々な営業現場を支援する役割です。

一般的に「クロージング営業職」の支援を必要とする営業プロジェクトは、何らかの問題が発生し、いわば「炎上」している状態です。

いかに問題を沈静化して、クロージングに持ち込めるかが「クロージング営業職」の腕の見せどころです。

例えば、一人の役員が反対している場合、その役員が「なぜ」反対しているのかを突き止めることが最初のステップです。

昔の自分の現場経験から不要と判断しているのかもしれませんし、腹案としてライバル他社の製品を推したいと思っているのかもしれません、もしくは自分に事前相談がこなかったことに単に反発しているのかもしれません。

多くの場合、直接その方と話はできませんが、いろいろな情報から心中を推測して対策を打つのが仕事です。

長期的に関係をつくる営業職

ITが未整備の時代は、企業が顧客にコミュニケーションをとるには、「対面」「電話」「FAX」くらいしか手段がありませんでした。

ITの普及により、こういった手段よりはるかに「安く」「便利に」「密に」コミュニケーションがとれるようになりました。

これは、企業にとって「既存顧客と定期的に連絡をとること」のコストがはるかに下がったことを意味します。

つまり企業にとって「新規顧客」を開拓するよりも「既存顧客」とつながり続ける方が、劇的にコストが安くなったのです。

1990年ごろ「LTV(Lifetime Value)」という考え方が登場します。 これは「既存顧客から継続時に収益を得るコストよりのほうが、新規顧客を獲得するコストよりもはるかに安い」ことを前提にした新しい営業効率の計測方法です。

現在では一般的に、新規顧客から売上を得るには、既存顧客から同額の売上を得る場合と比べ、6~7倍のコストがかかると言われています。

ですから、常に新規開拓を続けるよりも、既存顧客との関係を大切にし、リピート、アップセル、クロスセルを促進する方が、圧倒的に効率的で収益性が高いと言われています。

このような状況を踏まえ、営業の現場は新規顧客の開拓から既存顧客の満足度向上にシフトしていて、既存顧客むけの営業職の募集が多くなっています。

「新規顧客」むけの営業職と「既存顧客」むけの営業職とでは、仕事内容や求められる人材はどう違うのでしょうか?

まず「既存顧客」むけの営業職は「新規顧客」むけの営業職ほど、「第一印象」は重視されません。

既に人間関係ができあがっている状況に入っていくので、最近の流行り言葉で言うところの「陽キャ」である必要性はあまりないのです。

一方で「既存顧客」むけの営業職は「新規顧客」むけの営業職とくらべて、「誠実に」仕事をしてくれることが求められます。 毎日いろいろと依頼された仕事をきちんとこなすことはもちろん、自分が原因で何か不具合が起きたら「ごまかす」のではなく、正直に責任を認めて謝罪し対策をとるような「誠実」な態度が求められます。

要するに、既存顧客むけの営業職では「口がうまい」のはむしろマイナスで「誠実」さが大切です。 この点が、新規顧客むけの営業職との最大の違いです。

上で見てきたように、新規顧客を獲得することは既存顧客から継続時に収益を得ることと比べてはるかにコストがかかります。 既存顧客むけの営業職の最大の責任は、顧客との良い関係を「壊さないこと」と言っても過言ではありません。

ルート営業職(ルート・セールス)

「ルート営業職」は、一定の道順に従って、車輌に商品を積んで巡回して納品と販売を同時に行う営業職です。

例えば、コカコーラの営業マンは、スーパーやコンビニなどのお店を定期的に訪問し、自動販売機や冷蔵庫の在庫をチェックして、必要な分だけ商品を補充したり、新商品を紹介したりします。

巡回で定期的に訪問することで、お店とコカコーラの間には信頼関係が築かれ、長期的な取引が続くようになります。

「ルートセールス」は英語で「route sales」と言います。 「route」は「道」「道筋」「配達区域」という意味で、「route sales」は「巡回販売」という意味になります。

ルート営業職は他の営業職とくらべて、どんな特徴をもつ人が向いているでしょうか?

私は以下のポイントが重要だと思います。

  1. 顧客との長期的な信頼関係を築くことができる人

ルート営業職は、同じ顧客に何度も訪問するので、単に商品を売るだけではなく、顧客のニーズや悩みを聞いたり、アドバイスやサポートをしたりすることが求められます。

そのため、顧客とのコミュニケーション力や人間関係力が高い人が向いています。また、顧客からの信頼を得るためには、誠実さや責任感も必要です。

ルート営業職は、顧客との長期的なパートナーシップを目指す人におすすめです。

  1. ルーティンワークに飽きない人

ルート営業職は、決まったエリアや時間帯に訪問することが多いので、毎日同じような仕事を繰り返すことになります。

そのため、新しいことに挑戦したり、変化を求めたりする人よりも、安定した環境でコツコツと仕事をこなす人が向いています。

また、ルーティンワークでも自分なりの工夫や改善を考えたり、成果を追求したりする姿勢も大切です。

ルート営業職は、自分のペースで仕事を進める人におすすめです。

リピート営業職

リピート営業職とは、一度契約した顧客に対して、継続的に商品やサービスを提供する営業職のことです。

定期的に既存顧客とコミュニケーションをとり、追加の購入、新製品の購入、より高価格帯の商品などを提案します。

リピート営業職の最終目標は、既存顧客の「満足度」を高めることです。

例えば、「新製品」「追加オプション」「アップグレード」などを紹介したり、商品を使いこなすための「裏技」を情報提供したり、もし顧客に不満があれば不満を解消できるよう他の商品との組み合わせを提案したりします。

歴史的に見ると、リピート営業のスタイルは古くから存在していました。

例えば、江戸時代の日本では、商人が定期的に同じ地域や家庭を訪問して商品を販売する行商や訪問販売が盛んでした。

これは現代のリピート営業に近いものです。

また、欧米では19世紀後半から20世紀初頭にかけて、保険や化粧品などの商品を扱うドアツードアセールスマンが活躍しました。 彼らも同じ顧客に対して繰り返し商品を提案することで、信頼関係を築いていきました。

近年ではリピート営業がより重要視されるようになってきました。

インターネットやスマートフォンの普及によって、消費者の購買行動や情報収集が大きく変化したからです。

消費者はSNSやレビューサイトなどで他の人の意見や評価を参考にするようになりました。

既存顧客の「満足度」を高めることで、自社の商品やサービスに対してポジティブな口コミを発信してくれる可能性も高くなったのです。

フォローアップ営業職(アフターフォロー営業職)

「アフターフォロー営業職」は、販売した商品や提供したサービスに対して、後からフォローをすることです。

フォローとは、お客様の満足度を確認したり、不満や要望を聞いたり、新しい提案をしたりすることです。

これによって、お客様との信頼関係を築き、リピートや紹介を促すことができます。

仕事内容は、上記の「リピート営業」と基本的に同じイメージをもっておけば問題ありません。

英語では、「アフターフォロー営業」は「follow-up sales」と言います。

follow-upは「後から追加すること」や「後処理」などの意味があります。つまり「follow-up sales」は「販売後の追加営業」ということになりますね。

アップセル営業職

「アップセル営業」とは、顧客により金額の高い商品やサービスを買ってもらう営業アプローチのことです。

例えば、無料会員から有料会員への移行を提案したり、月額5,000円のプランを利用するユーザーに対し、月額8,000円のプランを提案したりすることがアップセル営業です。

「アップセル営業」を実施することで、1人のお客様により多くの商品やサービスを利用してもらい、顧客1人当たりの売上や収益を増やしていくことができます。

「アップセル営業職」という専門の営業職として求人募集がされることは多くありません。

上記の「リピート営業職」「アフターフォロー営業職」の仕事のなかで、「アップセル」を中心に提案するチームが存在する場合が多いです。

アップセル営業の英語表現は「upselling」と言います。upは「上に」、sellは「販売する」という意味です。つまり、upsellingは「上に販売する」ということで、より高い商品やサービスを販売するという意味になります。

クロスセル営業職

「クロスセル営業」とは、自社の商品やサービスの購入者に対して、他の関連する商品やサービスを提案することで、顧客単価を上げる営業手法のことです。

例えば、靴を買ったお客様に靴下やシューズケア用品を勧めたりするのがクロスセル営業です。

「クロスセル営業」は、顧客満足度やリピート率を高めるだけでなく、自社の売上や利益にも大きく貢献できます。

「クロスセル営業」という営業スタイルが注目されたのは、1970年代のアメリカの銀行が契機だと言われています。 当時のアメリカの銀行は預金や貸付などの基本的なサービスだけではなく、保険や投資などの付加価値の高いサービスも提供するようになりました。 これは、銀行が顧客のニーズを満たすだけでなく、競合他社との差別化や収益源の多様化を図るためでした。 銀行は、既存の顧客に対して新しいサービスを積極的に提案し、クロスセル比率(顧客が利用するサービス数)を高めることで成功しました。

この成功を契機にクロスセル営業は広く普及していきました。

「クロスセル営業職」という専門の営業職として求人募集がされることは多くありません。

上記の「リピート営業職」「アフターフォロー営業職」の仕事のなかで、「クロスセル」を中心に提案するチームが存在する場合が多いです。

リカバリ営業

「リカバリ営業」とは、何かトラブルや不満があったお客様に対して、謝罪や補償をするだけでなく、信頼関係を回復し、再度購入してもらえるようにする営業活動のことです。

英語では、「recovery sales」と言います。recoveryは「回復、復旧」という意味です。つまり、「回復のための営業」ということですね。

お客様が不満や不信感を持ってしまった場合、そのまま放置しておくと、二度と商品やサービスを利用してもらえなくなる可能性が高いです。 さらに、口コミやSNSで悪評を広められると、他のお客様にも影響を与えてしまいます。

「リカバリ営業」では、お客様の不満や不信感を解消するだけでなく、お客様に感謝や尊敬の気持ちを伝えて信頼関係を再構築できるよう最大限に努力します。

誠心誠意の対応をすると、商品やサービスを再び試してもらえるだけでなく、商品やサービスに好印象をもって長期的に継続していただける場合が、案外あります。

私が働いていた営業現場では「クレーム(お客様の不満)はむしろチャンスだ」と、よく言われていました。

「リカバリ営業」は比較的新しい営業スタイルです。

昔は、お客様が不満や不信感を持っても、それほど深刻に考えられていませんでした。 顧客の選択肢は少なく、顧客が口コミを共有する手段もなかったためです。

近年では、インターネットやSNSの発達によって、口コミなどで商品を比較検討することが当たり前になりました。 これにより「リカバリ営業」は重要な営業活動と理解されるようになりました。

「リカバリ営業職」という専門の営業職として求人募集がされることは基本的にありません。

上記の「リピート営業職」「アフターフォロー営業職」の仕事のなかで、「リカバリ営業」を中心に担当するチームが存在する場合が多いです。

「人脈」で勝負する営業職

インターネットが普及する前は、ほぼすべての営業職は「人脈」で勝負していました。

自社の商品に興味をもちそうな顧客がどこに入るかは、人づての情報でしか得られなかったのです。

しかしインターネットの普及とともに状況は一変しました。

企業がホームページで情報発信をし、顧客が検索エンジンからでそれを調べることが一般的になりました。

企業がホームページに問い合わせフォームを設置しておけば、商品に興味をもった顧客のほうから問い合わせをしてくるようになったのです。

このように、インターネットの普及とともに、営業において「人脈」を重視する企業は少なくなりました。

しかし逆に、こういった状況下で「あえて人脈を重視」する営業スタイルがあり、成果も出ています。

なぜこの時代に「人脈」を重視する営業スタイルが脚光を浴びているのでしょうか?

企業が商品やサービスを導入しようとする際、上記のような営業スタイルでは、以下のような「漏れ」があると言われています。

要するに、そもそも商品やサービスの「必要性」に気づかないと興味を持てませんし、必要だと感じてもそれが「言葉」になっていないと検索できませんし、「導入が面倒そう」など理由で止まっていれば問い合わせには至らないのです。

そして、商品やサービスの内容にもよりますが、こうした顧客が一定数いると言われています。

こういった顧客にアプローチする手段が「人脈」なのです。

リファラル営業職

リファラル営業とは「紹介営業」のことを指します。

リファラルという言葉は、英語で「referral」と書きます。referralとは、「紹介」「推薦」「委託」という意味があります。リファラル営業は、英語では「referral sales」と言います。

「リファラル営業職」は、既存の顧客や自分の知り合いなどから、商品やサービスに興味をもちそうな見込み客(リード)を紹介してもらって、その人に対して営業活動を行います。

リファラル営業は古くからある伝統的な営業手法です。

「リファラル営業職」は、いわば総合格闘技のようなものです。紹介をもらうために「既存顧客に対する営業力」も必要ですし、紹介された見込み客に営業をかける際には「新規顧客に対する営業力」も必要です。

「リファラル営業職」は「営業の総合力」が試される営業職です。

ネットワーク営業職

「ネットワーク営業職」は、自分の人脈を使って商品やサービスを紹介したり、紹介された人にさらに紹介してもらったりすることで、販売を拡大していく営業職です。

ネットワーク営業の歴史は意外と古く、1930年代にアメリカで始まったと言われています。

最初にネットワーク営業を展開したのは、カリフォルニア州の「ニュートリライト・プロダクツ」という会社で、ビタミンやサプリメントなどの健康食品を販売していました。

その後も、アメリカでは多くの会社がネットワーク営業を採用し、1970年代には200社以上になりました。

しかし、中には悪質な会社もあり、参加者に高額な登録料を払わせたり、商品を販売しなくても下位の参加者を勧誘するだけで報酬が得られるような仕組みにしたりしていました。

これは「ピラミッド商法」と呼ばれる違法な商法で、多くの被害者を出しました。 そのため、アメリカ政府は厳しく規制し、問題のある会社を摘発しました。

日本では、1969年にアメリカ資本の「スワイプ・ジャパン」という会社が最初にネットワーク営業を始めました。 その後も、アメリカから日本シャクリーや日本アムウェイなどが進出し、1980年代には大きなブームとなりました。

しかし、日本でもピラミッド商法やマルチ商法と呼ばれる悪質な商法が横行し、多くの消費者から苦情が寄せられました。

そのため、日本政府も「訪問販売法」や「特定商取引法」などの法律を制定・改正して規制を強化しました。

このように「ネットワーク営業」と言うと悪いイメージをもつ人も多くいるため、紹介を基盤に営業するスタイルは「ネットワーク営業」ではなく「リファラル営業」という言葉がしばしば使われます。

リレーションシップ営業職

「リレーションシップ営業職」は、短期的ではなく長期的に良好な関係を築くことで、最大の利益を得ることを目的とした営業スタイルの営業職です。

英語では「Relationship Sales」と言います。「relationship」は「関係性」という意味で、企業と顧客との「関係性」をよくすることを特に重視する営業スタイルです。

この「relationship」に注目する考え方は、1983年にレナード・ベリーにより提唱されました。 考え方の背景には「売上の80%は上位20%の優良顧客が生み出している」という「パレートの法則」があるとされます。

「リレーションシップ営業職」は、既存顧客の満足度を上げ、リピート、アップセル、クロスセルはもちろん、他の顧客を紹介してもらうことまでも実現しようとする営業スタイルです。

「リレーションシップ営業職」に向いているのは、とにかく「人付き合いが多く長く続く」人です。

「リレーションシップ営業職」では、たくさんの顧客と「公私とも含めて」仲良くなれると成果が上がりやすくなります。 日常生活でもたくさんの友達がいて、その友達が入れ替わらず、友達と長年の付き合いを続けられている人が「リレーションシップ営業職」に向いています。

面談の「中身」で勝負する営業職

ソリューション営業職(ヒアリング営業職)

「ソリューション営業」とは、「お客様が抱えている問題・課題やニーズに合わせて、最適な解決策を提案する」営業スタイルのことです。

英語の「Solution(解決)」から来た言葉で、文字通り顧客の課題への解決策を提案するという方法です。

例えば、あなたが転職しようか悩んでいるとき、あなたの事情を考慮せずに特定企業への転職をすすめてくるのは「普通の営業」で、あなた「将来の夢」や「これまで職務経歴」などを聞き、あなたに合う転職先を提案してくれるのが「ソリューション営業」です。

「ソリューション営業職」は、面談の場で、顧客に「どのような質問をし」「何を聞き出すか」に徹底的にこだわります。

顧客の課題やニーズを深く掘り下げることはもちろん、顧客が「自分で気づいていない」潜在的な課題も見つけ出すことが、ソリューション営業には重要なんですね。

「聞き出す(ヒアリングする)」ことに徹底的にこだわることから、ソリューション営業職のことを「ヒアリング営業職」とも呼びます。

ソリューション営業は、1990年代後半から2000年代初頭にかけてアメリカで発展した営業手法です。

インターネットによって顧客は自分で必要な情報を得られるようになりましたが、その反面「自分に本当に必要なものは何か」が自分でも判断できなくなりました。

ソリューション営業は、インターネットの普及や情報過多によって、従来の営業方法では成果が上がらなくなった現代に求められる営業スタイルです。

なお「ソリューション営業職」は「コンサルティング営業職」と仕事内容の重複が多く、同じ職種として扱っている企業もあります。

コンサルティング営業職(コンサルティブ営業職、ストラテジック営業職、ストラテジック・セールス)

「コンサルティング営業職」は、顧客が抱えている問題や課題を解決するために、自社の商品やサービスだけでなく、他社の商品やサービスも含めた最適な提案をする営業職です。

「コンサルティング営業職」の最終目標は「顧客企業の成功」にあることが大きな特徴です。 少なくとも理念としては、「コンサルティング営業職」は「自社の商品やサービスが売れるかどうか」よりも「顧客企業が成功するかどうか」を重視して行動します。

英語で「consulting」は「相談する」という意味です。

「コンサルティング営業職」は、「顧客企業の成功を目指す」という目標を掲げることで顧客企業と共通の目線に立ち、顧客と対話しながら、他社の商品やサービスも含めた総合的な提案をするのが特徴です。

コンサルティング営業は、1970年代にアメリカで生まれたと言われています。

当時、市場が飽和し、競争が激化したことで、単に商品の特徴や機能を説明するだけでは顧客の心をつかめなくなりました。

そこで、顧客の立場に立って問題解決のパートナーとなることで、信頼関係を築き差別化を図ろうとする営業手法が開発されたのです。

コンサルティング営業は、以下のような特徴があります。

コンサルティング営業は、単に商品を売るだけではなく、顧客のニーズや要望を深くヒアリングし、顧客にとって最良の解決策を考え出します。

そのため「コンサルティング営業職」は「ソリューション営業職」と仕事内容の重複が多く、同じ職種として扱っている企業もあります。

チャレンジャー営業職(インサイト営業職)

「チャレンジャー営業職」は、顧客に対して自分の商品やサービスの価値を伝えるだけでなく、顧客自身が気づいていない課題やニーズを指摘し、「新しい視点」の解決策を提案する営業職です。

「ソリューション営業職」や「コンサルティング営業職」と似ていますが、より「専門的」で「新しい視点」の解決策を提示することに重きが置かれます。

今や顧客はインターネットやSNSなどで自分から情報収集や比較検討を行い、購買意思決定の過程の大半を自己完結しています。 そのため、営業担当者が顧客に対して単に商品やサービスの特徴やメリットを説明するだけでは、顧客の関心を引くことができません。

顧客は既に知っている情報や当たり前の情報に飽きているのです。

そこで必要なのが、顧客が気づいていない問題や機会を指摘し、その解決策として自社の商品やサービスを提案することです。

チャレンジャー営業は、インターネットの発展や顧客の行動の変化によって生まれた新しい営業スタイルです。

従来の営業スタイルでは、顧客との関係構築が重視されていましたが、現代の顧客は情報に溢れており自分で調べたり比較したりできます。

しかし逆に、インターネットでは調べられないような「専門的な知識やアドバイス」や、そこからくる「新しい視点」には顧客ニーズが大いにあります。

こういった顧客ニーズに応えるのが「チャレンジャー営業職」です。

ストーリー営業職

「ストーリー営業職」とは、顧客の「理想」と「課題」を見つけ出し、それを自社の商品・サービスに関連させて伝える営業職のことです。

英語で「story(物語)」というと、小説や映画などのフィクションを思い浮かべるかもしれませんが、実は営業でも物語が重要な役割を果たしています。

なぜなら、物語は人の感情や想像力を刺激して記憶に残りやすくするからです。

「ストーリー営業職」は「理想 → 課題 → 価値」という流れで物語を作り上げていきます。

顧客は誰でも、自分や自社の「理想」をもち、それを実現させたいという希望があります。 しかし、現実はそう簡単にはいきません。理想と現状の間には、さまざまな「課題」があります。

その課題を解決するためには、何が必要なのでしょうか?

それが、商品やサービスの「価値」です。 価値とは、課題を解決するために生み出される効果やメリットのことです。

重要なポイントとして、「ストーリー営業職」は、この物語を「顧客と一緒に」作るということです。

顧客の理想や課題を聞き出したり、提案したりしながら、共感や信頼を築きます。 そして最後に、自社の商品やサービスがその物語にぴったり合うことを示します。

そうすることで、顧客は自分の物語に自社の商品やサービスが必要だと感じるようになります。

「ストーリー営業職」は、顧客と対話しながら営業を進めていく点が「ソリューション営業職」や「コンサルティング営業職」と共通です。

しかし「ソリューション営業職」や「コンサルティング営業職」が論理的に訴求していくのに対して、「ストーリー営業職」より感性に訴えかけることに特徴があります。

プロジェクト営業職

「プロジェクト営業職」は、顧客と一緒になって「プロジェクト・マネジメント」を進める営業職です。

プロジェクトマネジメントとは、一定の期間と予算内で、特定の目標を達成するために、計画・実行・管理・評価をする活動のことです。

例えば「新商品の開発」や「イベントの企画」などがプロジェクトにあたります。

プロジェクトマネジメントでは、目標を明確にし、関係者の役割や責任を決め、リスクや問題を予測して対策を立て、進捗や品質をチェックしてフィードバックを行います。

これらの一連のプロセスを効率的に進めることで、プロジェクトの成功率を高めることができます。

プロダクト営業職

上記で解説した「ソリューション営業職」「コンサルティング営業職」「チャレンジャー営業職」「ストーリー営業職」「プロジェクト営業職」が、いずれも顧客の「ニーズ」を上手に引き出すことを目標にした営業職でした。

これとは逆の営業職が「プロダクト営業職」です。

英語で「product」というと「製品」という意味です。

「プロダクト営業職」とは、製品やサービスの細かな機能や使い方をしっかりと理解してもらい、納得感をもって購入してもらうことに重点をおいた営業職です。

「プロダクト営業職」の仕事内容は企業(製品やサービス)によって千差万別なのですが、基本的には、デモ、サンプル、試作品などを顧客に提供し、製品やサービスを実際に試してもらう機会を設けます。

また「カスタマイズ」への対応も「プロダクト営業職」の重要な仕事です。

顧客の要求するカスタマイズは可能か、そのカスタマイズをするときの追加料金をいくらに設定するか、そのカスタマイズを適用した試作品を事前に用意できるか、などを社内の各部署と相談しながら契約締結に向けて仕事を進めていきます。

特定の連絡手段に特化した営業職

テレマ営業職(テレマーケティング、電話営業職、テレフォン営業職、テレコール営業職)

電話が発明されたのは1876年のことで、その後、電話は世界中に広まり、日本では1890年に東京と横浜で最初の営業が開始されました。

電話が普及するにつれて、企業もその利便性に目を付けました。 1920年代から1930年代のアメリカで、電話を使って顧客に直接アプローチする営業方法が考え出されました。

これが「テレマ営業職」の始まりです。

「テレマ」は「テレマーケティング」の略語で、電話を使って商品やサービスを紹介したり、購入や契約を促したりする営業活動のことです。 英語では「telemarketing」と書きます。

「テレマーケティング」は1960年代にアメリカで始まったマーケティング手法で、その後、世界中に広がり、日本では1980年代に始まりました。

電話で営業をするメリットは何でしょうか?

一般的な広報媒体(ホームベージ、SNS投稿、メール、チラシなど)と比べると「相手と1対1で対話する」ことは大きなメリットです。

まず、お互いの声を聞き、双方向で話すことで「信頼感」が湧いてくるという心理的な効果があります。

さらに「相手の困っていること」に応じて商品やサービスの魅力を説明できますし、「相手の疑問」をダイレクトに把握してすぐに回答できます。

相手からしても、自分の困っていない課題の解決策など「無駄な話」を聞かされず「必要な話」だけを聞くことができますし、疑問点があればダイレクトに質問できて「すぐに回答」が返ってきます。

また、対面での営業と比べると「コストが安い」というメリットがあります。

対面で営業をする場合は、訪問のため営業職が移動している時間は仕事が滞りますし、交通費もかかります。この点が電話ならゼロにできます。

このように、電話での営業は「一般的な広報媒体」と「対面営業」の「いいとこ取り」のような手法で、今でも多くの企業で実施されています。

「テレマ営業職」は一般的にコールセンターのような施設で働きます。 特定の商品だけを営業する場合もあれば、様々な企業から委託を受けていろいろな商品やサービスを取り扱うこともあります。

さて「テレマ営業職」は、他の営業職とどのような違いがあるのでしょうか?

「テレマ営業職」は、営業職であるものの顧客の目に触れないため、服装などの規定が比較的緩やかなどの特徴があります。

一方で、顧客からすると「テレマ営業職」の「声」で相手の人柄や感情を推測して営業を受けることになります。

そのため「声」(特に電話を通して聞こえる声)は非常に重要とされています。

営業職としての基本的な素養に加えて、声優さんのように「発声」「発音」「話し方」などにこだわりレベルアップしていくことで、専門性が磨かれていく職種という側面もあります。

ただし近年「電話」に代わり「テレビ電話」での通話も普及してきているので、「服装が自由」「声が重要」といった上記の事情が、今後は少し変化してくるかもしれません。

その他、「電話」だけでなく、すきま時間を使って「メール」「チャット」などで営業をすることも「テレマ営業職」の仕事内容に含む場合があります。 「テレマ」と書いてあるから「電話」と決めつけず、どのような仕事内容か募集企業にしっかりと確認するようにしましょう。

テレアポ営業職

「テレアポ営業職」は、電話で新規の見込み客に自社の商品やサービスを紹介し、商談の「日程」「場所」を決めることを目的とした営業手法です。

英語で「appointment(アポイントメント)」は「面談の約束(日程や場所を決める)」を意味します。 「telephone appointment(テレフォン・アポイントメント、電話で面談の約束をすること)」を略して「テレアポ」という日本語になりました。

「テレマ営業職」が、最終的な契約まで電話で実施する場合が多いのに比べて、「テレアポ営業職」は商談の日程と場所を決めるところに特化しているのが特徴です。 ただし「テレアポ営業職」でも、可能ならば電話だけで最終契約までやってしまうマニュアルになっている場合もあります。

「テレアポ営業職」を採用している営業体制では、「テレアポ営業職」が商談の日程と場所を約束し、約束の商談以降の対応は「アウトバウンド営業職」に引き継ぐのが一般的です。

「アウトバウンド営業職」と「テレアポ営業職」が1つのチームで仕事をしている小規模な体制もありますし、「テレアポ営業職」はコールセンターに所属し、様々な企業から業務委託を受けて電話をするような大規模な体制もあります。

大規模な体制の場合、「テレアポ営業職」と「アウトバウンド営業職」が直接で引き継ぎをすることは基本的になく、共通の業務システムに入力することで「テレアポ営業職」の仕事は完了します。

「テレアポ営業職」は「テレマ営業職」と共通する仕事内容が多くあり、上記「テレマ営業職」の記述も読んでみてください。

ウェブ営業職(インターネット営業職、オンライン営業職)

「ウェブ営業職」とは、顧客と直接会わずにオンライン上を使って商品やサービスを提案したり、契約したりする営業職です。

英語では「online sales」と言います。

もともと営業は「郵便」と「対面」で行うもので、その後「電話」での営業活動も始まりました。

インターネットが普及し始めた1990年代後半、それまで「対面」「郵便」「電話」といった営業のコミュニケーション手段に「ホームページ」「メール」という選択肢が増えました。

さらに、今では「SNS」や「チャット」での営業が行われるようになり、2020年前後の感染症の世界的な流行を経て「テレビ電話(ウェブ会議)」での営業も普及してきました。

こういった「インターネットを使った様々なコミュニケーションツール」を総合的に活用して営業活動を行うのが「ウェブ営業職」です。

なお「ウェブ営業職」という求人募集が実施されることはあまり多くありません。 営業現場では長らく電話でのコミュニケーションが主に活用されてきたことから「テレマ営業職」の仕事の一環となっている営業体制が多くあります。

例えば、「テレマ営業職」で使うコミュニケーション手段が「電話」ではなく「テレビ電話(ウェブ会議)」に変わったり、「テレマ営業職」のスキマ時間を活用して「メール」「チャット」などで営業したりする取り組みは、多くの企業で実施されています。

メール営業職(メルマガ営業職、メールマガジン営業職)

「メール営業職」とは、メールマガジンを使って見込み顧客や既存顧客に対して商品やサービスを案内したり、情報提供したりする営業職のことです。

英語では「email sales」と呼ばれます。

メール営業はインターネットが普及した1990年代後半から始まったと言われ、今や伝統的な営業職のひとつと考えてよいでしょう。

しかし、メールは送信コストが安いため、あらゆる企業がメルマガを発行して競争が激化し、「受信トレイの取り合い」や「迷惑メール指定との闘い」とも言われる状況になっています。

メールマガジンを発行する際には、メールの開封率をチェックしながら、メールの件名(タイトル)などを工夫する取り組みが必要です。

チャット営業職(チャットセールス)

「チャット営業」は、チャットを使って顧客とコミュニケーションをとりながら商品やサービスを提案する営業職のことです。

英語では「chat sales」と呼ばれます。

「チャット」はどのように企業に活用されてきたのでしようか? 歴史を簡単に紹介します。

営業手段としての視点からみると「チャット」は、従来から使ってきた「メール」と「電話」を統合したものという側面があります。

「チャット」は、文字でコミュニケーションをするという点では「メール」と一緒ですが、リアルタイムにコミュニケーションをするという点では「電話」と一緒です。

従来「テレマ営業職」や「メール営業職」で取り組まれてきた様々な工夫やノウハウが、活用できる部分もあれば、活用できない部分もあります。

また、「ChatGPT」といった高性能のチャット型AIツールの営業職への活用へは、確立されたノウハウはなく各社とも模索を続けている状態です。

ソーシャル営業職(SNS営業職)

「ソーシャル営業職」は、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を使って関係を構築し、販売につなげる営業職です。 SNSとは「Facebook」「Twitter」「Instagram」「LINE」などです。

英語では「Social Selling」と言います。

営業手段としての視点から見ると、従来から使ってきた「ホームページ」「メール」という営業手段を統合したものという側面があります。

例えば「Instagram」を例にとると、「企業アカウント」を作成すれば、不特定多数のユーザーに情報を発信することができます。

これは、「企業ホームページ」で情報発信をすることと同じことですが、専門家に制作してもらう必要がある「企業ホームページ」と比較して、営業職の裁量で簡単に情報を発信できるという特徴があります。

また「Instagram」には「DM(ダイレクトメッセージ)」の機能があり、「企業アカウント」で発信した情報に興味をもった顧客に対して「DM」で問い合わせをするように促すことができます。

これは従来「ホームページ」を見て興味をもった顧客が「メール」で連絡してくる仕組みと同じです。

ただ「メール」ではなく「DM」でやり取りすれば、「チャット」のようなリアルタイム性のあるコミュニケーションをとることができます。

ここまで「Instagram」を例にみてきましたが、他のSNSでも似たような機能をもっており、それを営業に活用できます。

ここまで見てきたように、営業手段としての「SNS」は、従来の「ホームページ」「メール」を統合して「より簡単にリアルタイムにしたもの」といえます。

こういったツールを使いこなして営業する「ソーシャル営業職」の仕事内容は、他の営業職とどう違うのでしょうか?

まず、重要な点として「情報発信」も担当する場合が多いということです。

従来の「ホームページ」「メール」「電話」を使った営業体制の場合、ホームページで発信する情報は、別の部署で制作することが一般的でした。

例えば、ホームページに関しては「営業部」とは別に「広報部」が企画しているとか、営業部内であっても「マーケティングチーム」が企画しているとか、そういった体制です。

しかし「ソーシャル営業職」の場合は、営業職が自身で情報発信することも多くあります。

企業の担当者以外の一般消費者も見るメディアでどのように情報発信するのが効果的なのか、万が一「炎上」がおきた時にどうするかなど、「情報発信」にともない考えるべき事項は多くあります。

また「ソーシャル営業職」では、「DM(チャット)」を本格的に使います。

上で見てきたように、「チャット」での営業は、従来「テレマ営業職」や「メール営業職」で取り組まれてきた様々な工夫やノウハウが、活用できる部分もあれば、活用できない部分もあります。

このように「情報発信」や「チャット」という従来の営業職にはない新しい要素があり、幅広い仕事内容を体験できるのが「ソーシャル営業職」の特徴と言えます。

「ソーシャル営業職」は最近誕生した新しい営業職で、会社により仕事内容は大きく違います。SNSでどのように営業をするのがベストかという知見も少なく、どの会社も模索を続けている分野とも言えます。

カウンター営業職(カウンター接客職、カウンター販売職)

「カウンター営業職」は、店舗に入ってきたお客様に対して、カウンターで商品やサービスを販売することを指します。

日本では「営業職」ではなく「接客職(カウンター接客職)」や「販売職(カウンター販売職)」と呼ばれることもあります。

「カウンター営業職」の担当者は、お客様の注文を受けたり、質問に答えたり、課金決済を実行したりします。 お客様に満足してもらうために、迅速かつ効率的なサービスを提供することが重要です。

また、例えばデパートの化粧品売り場で化粧の実演をしながら営業するように、カウンターでお客様に商品を「実演」する場合もあります。

英語では「counter sales」と呼びます。

展示会営業職

展示会営業職は、展示会出展をきっかけとして、自社の価値をダイレクトに伝え、受注に直結させるプロセスを構築する営業職です。

例えば、最新のゲームやアニメ作品を体験できる「東京ゲームショウ」、最先端の技術や製品を体験できる「CEATEC JAPAN」、人気のモデルやタレントが登場する「東京ガールズコレクション」などが「展示会」です。

これらの「展示会」に出展する企業は、どのような狙いで出展するのでしょうか?

企業は、自社の最新製品や今後製品化する予定の技術を展示して注目を集め、自社のブランドや技術力をアピールしたり、新たなビジネスチャンスを探したりできます。

上に挙げた有名な展示会以外にも、業界ごとに、様々な展示会が年間を通して開催されています。

「展示会営業職」は、ブース内で自社製品やサービスをデモンストレーションしたり、ブースを訪れた企業の顧客と名刺を交換したりします。

また、展示会後には、名刺交換をした顧客に向けて営業をかけて、商談や契約などのプロセスに繋げていきます。

英語では「trade show sales」や「exhibition sales」と言います。

歴史的に見ると「展示会営業職」は新しい営業職です。

最初の展示会とされるものは1851年にイギリスで開催された「万国博覧会」です。この博覧会では、世界各国から工芸品や産業製品が集められ、約600万人もの人々が訪れました。この博覧会が大成功したことで、その後も各国で博覧会や展示会が開催されるようになりました。しかし、当時の展示会は主に見世物的な要素が強く、商談や契約が行われる場ではありませんでした。

第二次世界大戦後、経済発展やグローバル化が進む中で、「展示会」と「企業の営業職」が結びつけられました。

訪問営業職(ドアツードア営業職)

「訪問営業職」は、顧客のもとに直接訪れて商品やサービスを紹介する営業職です。

英語では「door-to-door sales」とか呼ばれます。

訪問営業職は、「最も伝統的な営業職」とでも言うべき職業です。

中世、市場や商店が発達して人々は自分で欲しいものを市場に買いに行くようになりましたが、例えば、本や絵画などの芸術品を販売する人たちは、貴族や富裕層の家を訪れて自分の作品を見せて売り込んでいました。また、宗教や思想を広める人たちも、人々の家を回って説教や勧誘をしていました。

近代になると、産業革命が起きて大量生産が可能になりました。それに伴って、消費者のニーズも多様化しました。この時代には、電話や郵便などの通信手段が発達し、カタログや広告などの販促ツールも登場しました。これらを利用して、顧客に商品やサービスを知らせることができるようになりました。

しかし、それだけでは不十分で、客が商品やサービスを実際に見て触って試してみることができるようにするためには、やはり訪問営業が必要でした。

20世紀初頭、いまの営業の基礎といえる「ハンター・ファーマー・モデル」という営業手法が提唱されました。これは、新規顧客を開拓する「ハンター型」と既存顧客を育成する「ファーマー型」という2つの役割に営業を分けるというものです。このモデルでも「ハンター型」は主に訪問営業を行うものとされました。

「訪問営業職」は古くからある営業職ですが、近年ではインターネットや電話などの通信手段が発達したことで、消費者のニーズや情報が多様化しました。

そのため「訪問営業職」も変化しています。

例えば、消費者に事前連絡して予約を取る「アポイントメントセールス」や、消費者に興味を持たせるために特別なオファーやプレゼントを用意する「インセンティブセールス」などの方法があります。

「訪問営業職」は、消費者と直接対話することで、商品やサービスの魅力を伝えたり、消費者の悩みや要望に応えたりできます。しかし、一方で、消費者に不快感や不安感を与えたり、無理な勧誘や詐欺などのトラブルに巻き込まれたりするリスクもあります。そのため、訪問販売を行う場合は、消費者の権利や法律を尊重し、誠実で信頼できる態度で接することが大切です。

フィールド営業職(フィールドセールス)

「フィールド営業職」は英語では「field sales」と言います。

fieldとは「野外」「現場」という意味です。つまり、field salesは「現場での営業」ということになります。

「訪問営業職」は主に一般消費者の自宅を訪ねて営業をするのに対し、「フィールド営業職」は、企業の現場(職場)や小売店などを訪れる場合が多くあります。

「訪問営業職」と「フィールド営業職」は仕事内容に共通点が多く、この言葉を区別せずに使っている企業も多くあります。

いずれにせよ「フィールド営業職」は、顧客と対面で直接対話し、実際の現場で商品を見せながら商品やサービスの魅力を伝えることが特徴です。

日本では近年、「インサイド営業職」との組み合わせで効率的に営業活動を行う企業も増えてきています。

「インサイド営業職」が顧客の興味や関心を高めてから「フィールド営業職」に引き継ぐことで、受注までのハードルが下が場合がる多くあるためです。

インサイド営業職(インサイドセールス)

「インサイド営業職」は、客先に出向かず、電話やメール、ウェブ会議ツールなどを使って活動する営業職です。

英語では「inside sales」と言います。対義語は、客先に訪問して行う営業職で「outside sales」と言います。

インサイドセールスは、国土が広く訪問営業は困難なアメリカで発祥した手法です。

1980年代、「テレマ営業職」(テレアポ営業職)と区別し、より複雑でハイタッチな電話ベースの営業手法として登場しました。

その後も欧米企業中心に発展をしてきましたが、近年は人的リソースの効率化やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により日本でも普及が進んでいます。

アウトサイド営業職(アウトサイドセールス)

「アウトサイド営業職」は、お客様のところに直接訪問して商品やサービスを提案する営業職です。

英語では、「outside sales」と言います。

「アウトサイド営業職」は、昔からある伝統的な営業スタイルですが、最近ではインターネットや電話などを使ってお客様とコミュニケーションを取る「インサイド営業職」が増えてきました。

「アウトサイド営業職」と「インサイド営業職」の違いは、主にお客様との接点の場所にあります。

「アウトサイド営業職」はお客様のオフィスや自宅などに出向いて行うのに対し、「インサイド営業職」は自社のオフィスや自宅などから行います。

「アウトサイド営業」は、顧客と直接対面して商談が行えるので、信頼関係を築きやすく、商品やサービスの魅力を伝えやすいというメリットがあります。

しかし、移動時間や交通費などのコストがかかることや、顧客の都合に時間を合わせなければならないことなどのデメリットもあります。

特定の発信手段に特化した営業職

これまで、営業職は一般的に、顧客の側に立って、いわば顧客に「寄り添う」スタイルが一般的でした。

しかしインターネットの普及とともに、顧客が自分から情報収集し、自分に合った商品・サービスを選ぶことができるようになりました。

また同時に顧客は「売り込み」による営業に対して抵抗感や不信感を持つようになりました。

そのため従来の営業職ように「特定の顧客を対象として」売り込みをするよりも、「より広い対象顧客層にむけて」情報発信をするほうが、かえって顧客に届く場合も出てきました。

また、SNSの普及により、プログラミングなどの専門技術がなくとも簡単に情報発信ができるようになりました。

従来「情報発信」は営業職の役割ではなく、広報部やマーケティング部など別部署が担当するほうが一般的でしたが、こうした流れの中で、営業職が自ら「情報発信」を担当する体制をとる企業も誕生しました。

そういった営業体制のなかで活躍するのが「情報発信に特化した営業職」です。

コンテンツ営業職(コンテンツセールス)

「コンテンツ営業職」は、顧客にとって有益な情報(コンテンツ)を提供することで、見込み客を獲得・育成し、成約につなげる営業職です。

コンテンツ営業は「コンテンツマーケティング」という言葉に由来した営業手法です。

コンテンツマーケティングとは、企業がターゲットとなるユーザーに対して価値あるコンテンツを提供することで、商品・サービスの購入に繋げるマーケティング手法です。

「コンテンツ営業職」は、コンテンツマーケティングの考え方を実践するものです。

つまり、営業職が自らコンテンツを作成・配信し、顧客との関係性を築きながら信頼を得ていくのです。

コンテンツの例としては、以下のようなものがあります。

プログ営業職

「ブログ営業職」は、商品やサービスに関する情報をブログに書いて、読者の信頼や関心を得て、最終的に成約につなげる営業方法です。

もともと「企業ブログ」の普及とともに始まった営業職ですが、ブログ以外にも「SNS」「動画」など企業の情報発信の場が増えるに従って「コンテンツ営業職」と呼ばれるようになりました。

動画営業職

「動画営業職」は、商品やサービスを紹介する動画を制作し、プラットフォームに投稿することで、最終的な受注につなげる営業職です。

例えば、YouTubeやInstagramなどのSNSに動画をアップロードしたり、ZoomやTeamsなどのオンライン会議ツールで動画を送ったりすることで営業活動を展開します。

動画では、商品やサービスの特徴やメリットを分かりやすく説明したり、実際に使ってみた様子を見せたり、お客さんの質問に答えたりします。

これによって、お客さんとの信頼関係を築いたり、購買意欲を高めたりできます。

動画投稿に特化した「コンテンツ営業職」といったほうが分かりやすいかもしれません。

動画を使って営業活動するというアイデアは古くからありました。

例えば、テレビショッピングは、動画を使って商品を紹介し電話やインターネットで注文を受け付けるもので、1980年代から1990年代にかけて人気がありました。

しかし、テレビショッピング動画の制作料・放映料は高額で、営業チームで気軽に取り組めるものではありませんでした。

しかしインターネットの普及によって「動画での営業」は新しいステージに入りました。

YouTubeやFacebookなどのソーシャルメディアプラットフォームが登場し、誰でも簡単に動画を制作して配信できるようになりました。

これによって「動画」は営業職が気軽に取り組めるものになりました。

例えば、商品レビューやハウツー動画を公開することで、消費者に価値や感情を伝えることができるようになりました。

さらに今後、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)という技術を使って消費者によりリアルな体験を提供できたり、AI(人工知能)や機械学習という技術を使って消費者の行動や嗜好を分析して自動的に動画を制作したりできるようになっていくかもしれません。

「動画営業職」はまだ新しい営業職で、今後の技術の進歩によって大きく広がる可能性のある営業職です。

セミナー営業職

「セミナー」という言葉は、学生の方には馴染みがないかもれしれませんね。 「社会人向け勉強会」というと分かりやすいかもしれません。

都心(ビジネスエリア)の貸し会議室で平日に開かれる勉強会で、基本的に主催者か、主催者が招待した講師が講演をします。 勉強会のあとに食事をとりながら懇親会が開催されることもあります。

「セミナー営業職」は、自社で「セミナー」を開催して、そこに参加した方に対して営業をかける営業職です。

セミナー営業は、インターネットが普及する前から存在する営業スタイルです。

特に、金融、保険、コンサルティングなどの業界では、セミナーを通じて見込み客のニーズや悩みを引き出し、解決策を提案することが一般的でした。

インターネットが普及した後も、これらの業界では、セミナー営業は有効な手法として続けられています。 インターネットで情報収集が容易になった分、顧客の質問や要望が高度化し、対面での説明や信頼関係の構築が重要になってきたからです。

ウェビナー営業職(ウェブセミナー営業職、オンラインセミナー営業職)

「ウェビナー営業職」は、上記の「セミナー」をウェブ上で開催して、参加者に営業をかける営業職です。

ウェビナー(webinar)とは英語で「web(インターネット)」と「seminar(セミナー)」を合わせた造語で、オンラインで開催されるセミナーのことです。

インターネットが普及し始めた2000年代初頭にはすでにウェビナーが開催されていましたが、当時は主に純粋に「教育」「研修」の目的で使われていました。

しかし2020年前後、コロナウイルス感染症が世界的に流行した際、外出や会食の自粛が呼びかけられ、対面でセミナーを開催することが難しくなったことから、ウェビナー営業が急速に広まりました。

ホワイトペーパー営業職

「ホワイトペーパー営業職」は、自社の商品やサービスに関する報告書(ホワイトペーパー)をWebサイトやSNSで配布し、見込み顧客の情報を獲得したり、興味・関心を高めたりする営業方法です。

「ホワイトペーパー」はもともと「白書」という日本語で、政府が発行する報告書の通称でした。

しかし、Webマーケティングが発展するにつれて、企業が自社の商品やサービスを紹介する資料として「ホワイトペーパー」を発行するようになりました。

「ホワイトペーパー営業職」は、ホワイトペーパーでの情報発信に特化した「コンテンツ営業職」(上記)とも言えます。

電子書籍営業職

まず「電子書籍」とは、紙の本ではなく、スマホやタブレットなどの電子機器で読むことができる本のことです。

紙の本とくらべて、制作や印刷のコストが低いのが特徴です。

「電子書籍営業職」は、この電子書籍を発行し、その中で商品やサービスの興味・関心を高め、最終的に受注につなげる営業職です。

紙の書籍を出版して受注につなげる営業スタイルは、コンサルティング業界などで昔から行われていました。

ただ紙の書籍の場合は、制作や印刷を専門業者に依頼する必要があり、営業チームで手軽に取り組むのは難しいのが実状でした。

しかし電子書籍の時代になり、書籍を出版するコストが下がったため、「古くて新しい営業職」として「電子書籍営業職」が生まれました。

「電子書籍営業職」は、電子書籍の出版に特化した「コンテンツ営業職」(上記)とも言えます。

ウェブコミック営業職

「ウェブコミック営業職」は、上記の「電子書籍営業職」のウェブコミック・バージョンです。

一般消費者むけの商品やサービスの場合は、電子書籍ではなくウェブコミックにしたほうが読まれやすいと言われています。

また2022年に高性能な画像生成AIが開発され、コミックの制作コストが下がったことも普及を後押ししています。

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