サービス業はどっち?「ホワイトカラー」と「ブルーカラー」の意味と違いとは?

ビジネス系の記事を読んでいると頻繁に出てくるのが「ホワイトカラー」と「ブルーカラー」という言葉。それぞれの言葉には、どのような意味と違いがあるのでしょうか?

ここでは、二つの言葉の意味と違いについて考えてみます。


サービス業はどっち?「ホワイトカラー」と「ブルーカラー」の意味と違いとは?

私はブルーカラー


「ホワイトカラー」と「ブルーカラー」の一般的な意味とは?

私たちがビジネス系の記事でよく目にする「ホワイトカラー」と「ブルーカラー」は、一般的には労働者が従事している職種を分類する言葉として使われています。

「ホワイトカラー」と「ブルーカラー」は、それぞれ英語の white-collar と blue-collar を由来とします。collar は”色”(=color)ではなく、”襟”の意味ですが、服の色をイメージすると理解しやすいでしょう。

「ホワイトカラー」は白い服を着て働く人。白い服、つまり男性なら白いYシャツにネクタイを締め、”スーツを着て働く労働者”を意味します。医者などの専門職や、オフィス内で働く管理職や事務職は「ホワイトカラー」の代表例です。

そして「ブルーカラー」は青い服を着て働く人。青い服、すなわち”作業服を着て働く労働者”を意味します。主に工場で働く労働者や、屋外で働く肉体労働者、現場作業員などが該当します。

「ホワイトカラー」と「ブルーカラー」の一般的な意味
  • 「ホワイトカラー」=”スーツを着て働く労働者”
     (例)専門職・管理職・事務職
  • 「ブルーカラー」=”作業服を着て働く労働者”
     (例)工場労働者・肉体労働者・現場作業員

いわゆるガテン系の職種は「ブルーカラー」になります。

「ホワイトカラー」と「ブルーカラー」は比較的新しい言葉

これらの言葉の語源は、1920年代のアメリカで生まれたとする説や、アメリカの社会学者ライト・ミルズが1950年代に出版した『ホワイト・カラー』によるものだという説など、複数の説が存在します。

いずれにせよ1900年代に広まった、比較的新しい言葉であることは間違いないようです。

ちなみに「ブルーワーカー」という言葉もありますが、blue‐collar worker の略であり「ブルーカラー」と同義になります。

「ホワイトカラー」と「ブルーカラー」は社会における階層区分としても用いられる

「ホワイトカラー」と「ブルーカラー」の言葉は、労働者が従事している職種を分類する言葉である一方、文脈によっては社会における階層区分のための言葉として用いられています。

例えば格差社会であるとされているアメリカ。アメリカにおける「ブルーカラー」という言葉には、「ホワイトカラー」層に比べ低い教育水準・劣悪な賃金(および危険な職場環境)・不安定な雇用、そしてその結果としての貧困といった意味が含まれています。

階層区分としての「ホワイトカラー」と「ブルーカラー」の意味
  • 「ホワイトカラー」=富裕層・上位中間層
     高い教育水準・高い賃金・安定した雇用
  • 「ブルーカラー」=下位中間層・貧困層
     低い教育水準・劣悪な賃金・不安定な雇用・その結果としての貧困

つまり「ブルーカラー」は、貧困層(および下位中間層)を象徴する言葉でもあるのです。

イギリスの社会階層と「ホワイトカラー」「ブルーカラー」

「ホワイトカラー」と「ブルーカラー」は、イギリスの社会階層について語られる際にも用いられます。

イギリスには現在でも上流階級・中流階級・下流階級が存在し、所属する階級によって居住地域ならびに言葉遣いや発音・立ち振る舞い・受ける教育・将来就く職業などが決まってしまいます。また、アメリカ以上に階層(階級)は固定化される傾向にあります。

例えば職業であれば、上流階級・中流階級に属する子弟は高等教育を受け「ホワイトカラー」となり、下流階級に属する子弟は高等教育を受けずに「ブルーカラー」になる……。

このようにイギリスの社会階層について述べられている文脈において、「ホワイトカラー」と「ブルーカラー」は使われます。

余談ですが、日本でも人気を得た映画『トレインスポッティング』(1996)は、イギリスの「ブルーカラー」層に生まれた若者たちが抱く閉塞感や悲哀を描いた作品として知られています。

米英の「ホワイトカラー」「ブルーカラー」と日本の「正規雇用」「非正規雇用」は相似形?

このような点をふまえると、現代の日本において、男性なら白いYシャツにネクタイを締め”スーツを着て働く労働者”だから「ホワイトカラー」、”作業服を着て働く労働者”だから「ブルーカラー」であると単純に定義することは難しいかもしれません。

なぜなら、現代の日本において、男性が白いYシャツにネクタイを締めスーツを着て働くことが高い教育水準・高い賃金・安定した雇用を意味したり、作業服を着て働くからといって低い教育水準・劣悪な賃金・不安定な雇用・その結果としての貧困を意味するとは限らないからです。

社会における階層区分という意味で考えるならば、日本においては(異論はあるでしょうが)「正規雇用」と「非正規雇用」の違いが「ホワイトカラー」と「ブルーカラー」が持つ意味に近いのかもしれません。

「知識集約型」と「労働集約型」による分類もある

また、「ホワイトカラー」と「ブルーカラー」の分類には、仕事の内容が「知識集約型」の労働か「労働集約型」の労働かといった分け方もあります。

「労働集約型」の労働の代表例は、農業従事者や肉体労働が賃金の源泉となる工場労働者や現場作業員になります。さらに広義には飲食店の従業員や介護職などの各種サービス業なども「労働集約型」の労働となるでしょう。

特に「非正規雇用」の比率が高く「労働集約型」の労働であるサービス業の多くは、実質的には「ブルーカラー」であるといっても過言ではないでしょう。

以上、「ホワイトカラー」と「ブルーカラー」の意味と違いについての説明でした。参考になれば幸いです。

「ホワイトカラー」と「ブルーカラー」について深く知る参考リンク

※本記事は2016年5月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。