「喫緊の課題」でよく使われる…「喫緊」の意味と使い方とは?

”今そこにある危機”

「わが国の『喫緊』の課題は高齢化社会への対応だ」「地方経済にとって人材確保は『喫緊』の課題である」……。

このようにニュースでよく見聞きする「喫緊」という言葉。いったいどのような意味や使い方があるのでしょうか?

ここでは「喫緊」という言葉の意味を考えてみたいと思います。


「喫緊の課題」でよく使われる…「喫緊」の意味と使い方とは?

「『喫緊』のぉ~課題にぃ~対応するためにぃ~」


「喫緊」の読み方と意味とは?

まずは「喫緊」という言葉の読み方と意味の確認から。

「喫緊」の読み方は、”きっきん”

意味は、”さしせまっている重要な問題”のこと。単に”さしせまった”と考えることもできます。

「喫緊」(読み方:”きっきん”)の意味
  • ”さしせまっている重要な問題”
  • ”さしせまって大切なこと”(引用:『広辞苑』第五版)
  • ※単に”さしせまった”と考えることもできる

お役所言葉の代表格「喫緊」

「喫緊」という言葉は、お役所言葉の代表格であるとされています。

本来、「喫緊」という言葉は、官僚の答弁や政治家の発言、行政文書などで好んで使われてきた言葉です。

現在では、テレビのコメンテーターの発言や、インターネット上のニュース記事などでもよく見聞きします。

基本的な使い方

使い方(基本パターン)を見てみましょう。

「喫緊」は、以下のような表現で用いられることがほとんどです。

「喫緊」の使い方(基本パターン)
  • 喫緊で対応(解決)しなければならない課題
  • 喫緊の課題

このように表現された場合には、”さしせまった問題だから、すぐに対処しなければならないよね!”ということだと考えればよいでしょう。

具体的な文例で確認します。

具体的な文例 ①

「喫緊」という言葉は、国や地方自治体の各種政策の課題について述べる際によく用いられます。

例えば……。

「喫緊」を用いた具体的な文例 ①
  • わが国の「喫緊の課題」は超高齢化社会への対応だ。
  • 社会保障の抜本的改革は先送りできない「喫緊の課題」である。
  • 地方経済にとって人材確保は「喫緊の課題」である。
  • 過疎化が進む山間部においては医師確保が「喫緊の課題」である。
  • 待機児童解消に向け保育士の確保は「喫緊の課題」だ。

政治家がこのような発言をするのを、みなさんも聞いたことがあるでしょう。

文例の内容も、確かに”さしせまった問題だから、すぐに対処しなければならないよね!”という問題ばかりです。

余談ですが、アメリカの俳優 ハリソン・フォードの主演作のひとつに『今そこにある危機』というタイトルの作品があります。この”今そこにある危機”という言葉は、「喫緊」の意味するところを端的に言い表しているかもしれません。

具体的な文例 ②

国や地方自治体の各種政策の課題について述べる際だけでなく、ビジネス関連の記事でも「喫緊」という言葉を見ることがあります。

例えば……。

「喫緊」を用いた具体的な文例 ②
  • A社は利益率の改善を「喫緊の課題」に掲げている。
  • B社は収益改善が「喫緊の課題」となっている。

このように用いられています。

このようなケースもやはり、”さしせまった問題だから、すぐに対処しなければならないよね!”ということになるわけです。

「喫緊」と「緊急」の違い

ところで、「喫緊」に似た言葉に「緊急」があります。

この二つの言葉の違いについても考えてみましょう。

何度も繰り返しますが、「喫緊」(あるいは「喫緊の課題」)は、”さしせまった問題だから、すぐに対処しなければならないよね!”ということ。問題が”さしせまっている”という点がポイントなのですが、まだ若干の余裕がある、時間が残されているといったイメージがあります。

一方の「緊急」は、”もうすでに重大な問題が生じており、即座に対応しなければならない!”わけです(事故や災害が発生した際には「緊急出動」と言いますね)。余裕はなく、時間も残されていないというイメージがあります。

「喫緊」と「緊急」が持つイメージの違い
  • 「喫緊」(「喫緊の課題」)
    ⇒ ”さしせまった問題だから、すぐに対処しなければならないよね!”
     ※まだ若干の余裕がある、時間が残されているイメージ
  • 「緊急」
    ⇒ ”もうすでに重大な問題が生じており、即座に対応しなければならない!”
     ※余裕はなく、時間も残されていないというイメージ

このように似た言葉なのですが、ややニュアンスが異なる点には注意したいところです。

同義語・類義語

同義語・類義語についても考えてみましょう。

似た言葉には「緊急」や「火急」、「切迫した」、「一刻を争う」などといった言葉が挙げられるでしょう。

「喫緊」の同義語・類義語
  • 「緊急」
  • 「火急」
  • 「切迫した」
  • 「一刻を争う」

古語「ゆゆし」には”不吉だ”や”忌まわしいことだ”の意味がある 「外交機密が漏えいすることは、国家にとって大変『由々しき』事態である」「市役所の担当者の対応には、人道上『由々しい』問題があったと認識している』」......。 こ...

まとめ

ここまでの内容をまとめます。

まとめ
  • 「喫緊」の意味は、”さしせまっている重要な問題”のこと
  • 特に政治家や役人が「喫緊」(あるいは「喫緊の課題」)と言った場合、”さしせまった問題だから、すぐに対処しなければならないよね!”ということを意味している
  • 「緊急」には、”もうすでに重大な問題が生じており、即座に対応しなければならない!”という意味があり、「喫緊」とはニュアンスが異なる。

いずれにせよ「喫緊」という言葉は、ニュースでもよく見聞きする言葉なので、社会人の常識として意味を知っておきたいところです。

以上、「喫緊」の意味と使い方についての説明でした。みなさんの参考になれば幸いです。

「喫緊」について深く知る参考リンク
  • (「喫」の字義には”手痛い打撃を受ける”という意味がある)
    (Wiktionary)

  • (Wiktionary)
  • 喫緊
    (Wiktionary)

※本記事は2016年7月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。