「収める」「納める」「修める」「治める」…”おさ(める)”の意味と使い方の違いとは?

”おさ(める)”の使い分けは熟語をイメージ!

「子供の成長記録をビデオに”おさ(める)”」「税金を”おさ(める)”」「学問を”おさ(める)”のに楽な方法はない」「河川のはん濫を”おさ(める)”」……。

これらの場合においては、「収める」「納める」「修める」「治める」と、どの漢字を用いればよいのでしょうか?

知っているようで、意外とあやふやなことも多い”おさ(める)”の区別ですが、社会人としては一般常識として知っておきたいところです。

ここでは、それぞれの言葉の意味と使い方の違いについて考えてみたいと思います。


「収める」「納める」「修める」「治める」…”おさ(める)”の意味と使い方の違いとは?

「収める」?「納める」?「修める」?「治める」?


「収める」と「納める」に共通する意味

まずは、苦手とする人が多い「収める」と「納める」の意味の区別から。

これら二つの言葉は、特に”ものをしまう”、”範囲内ですます”などの意味においては、基本的にどちらの言葉を使っても構いません。

“ものをしまう”については、「収納」という言葉があることを思い出すと理解しやすいでしょう。

「収める」と「納める」に共通する意味
  • “ものをしまう”
  • “範囲内ですます”

実際の文例を見てみます。

「収める」でも「納める」でもよい文例
  • 貴重品を金庫に「収める」(「納める」)。
  • 予算内に「収める」(「納める」)。

続いて「収める」と「納める」、それぞれが持つ独自の意味についても確認してみましょう。

「収める」の独自の意味とは?

「収める」が持つ独自の意味は、”よい記録や結果を出す”、”記憶や(本・写真などの)記録に残す”になります。

「収める」(読み方:”おさ(める)”)の意味
  • “よい記録や結果を出す”
  • “記憶や(本・写真などの)記録に残す”(⇒「収蔵」「収録」)

意味を理解する際には、その漢字を用いた熟語を思い出すとよいでしょう。

「収める」の使い方(文例)

「収める」を用いた具体的な文例を見てみます。

「収める」を用いた文例
  • 実業家として成功を「収める」。
  • よい成績を「収める」。
  • 勝利を「収める」。
  • 短編集に「収められた」作品。(⇒「収蔵」)
  • 子供の成長記録をビデオに「収める」。(⇒「収録」)

このように「収める」という言葉は使われます。

(※”よい記録や結果を出す”については、「納める」でもよいとしている文献もあります)

「納める」の独自の意味とは?

続いて「納める」が持つ独自の意味について。

「納める」が持つ独自の意味には、”金品を受け取り手に渡す”、”物事を終わりにする”、”遺体を棺(ひつぎ)の中に入れる”、などがあります。

「納める」(読み方:”おさ(める)”)の意味
  • “金品を受け取り手に渡す”(⇒「納税」「納品」)
  • “物事を終わりにする”(⇒「納会」)
  • “遺体を棺(ひつぎ)の中に入れる”(⇒「納棺」)

各種試験では、特に”金品を受け取り手に渡す”ことに「納める」の漢字を用いるという点が問われやすいのではないでしょうか。

「納める」の使い方(文例)

「納める」を用いた具体的な文例も見てみましょう。

「納める」を用いた文例
  • 税金を「納める」ことは国民の義務である(⇒「納税」)。
  • 介護保険は、40歳以上が被保険者となり保険料を「納める」制度だ。
  • スピード違反で罰金を「納める」。
  • 今年は28日が仕事「納め」の日だ。
  • 故人を棺(ひつぎ)に「納める」(⇒「納棺」)。

このように使われます。

「修める」の意味とは?

続いて「修める」の意味はどうでしょう。

「修める」の意味には、”心や言動を正しくする”、”学問を学び自分の知識とする”などがあります。

「修める」(読み方:”おさ(める)”)の意味
  • “心や言動を正しくする”
  • “学問を学び自分の知識とする”(⇒「修得」「必修」「履修」「修学旅行」)

各種試験では、特に”学問を学び自分の知識とする”ことに「修める」の漢字を用いる点が問われます。

「修める」の使い方(文例)

「修める」の具体的な文例も見てみましょう。

「修める」を用いた文例
  • A氏はアメリカで経営学修士号(MBA)を「修めた」。
  • 大学生は高度で専門的な学問を「修める」。
  • テストで一定の成績を「修めた」学生には留学の機会が与えられる。
  • 「学問に王道なし」とは、学問を「修める」のに楽な方法はないという意味だ。

このように用いられます。

「治める」の意味とは?

そして、最後は「治める」。

「治める」の意味は、”乱れた状態を安定させる”こと。

「統治」「治水」「治安」「治療」などといった熟語を思い出すと理解がはかどります。

「治める」(読み方:”おさ(める)”)の意味
  • “乱れた状態を安定させる”(⇒「統治」「治水」「治安」「治療」)

「治める」の使い方(文例)

「治める」の具体的な文例を見てみましょう。

「治める」を用いた文例
  • 王様が国を「治める」。(⇒「統治」)
  • 河川のはん濫を「治める」。(⇒「治水」)
  • 反乱を「治める」。(⇒「治安」)
  • 首の痛みを「治める」薬。(⇒「治療」)

このように「治める」は用いられます。

入試でも出題される”おさ(める)”の違い

“おさ(める)”の区別は、中学入試や高校入試、大学入試など各種試験で頻出の内容です。

これら”おさ(める)”の区別があやふやな社会人は、あなたが大事なシチュエーションで恥をかかないよう、この機会にぜひ覚えてくださいね。

以上、”おさ(める)”の意味と使い方の違いについての説明でした。参考になれば幸いです。

※本記事は2016年9月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。