「会社側は株主総会で5つの議案を『諮る』」「取締役会に人事案を『諮る』」……。
このようにビジネス系の記事やビジネスシーンでもよく用いられる「諮る」という言葉。
いったいどのような意味や使い方があるのでしょうか?

「諮る」の意味と使い方とは?
「諮る」の読み方と意味とは?
まずは「諮る」という言葉の読み方と意味の確認からしましょう。
「諮る」の読み方は”はか(る)”。
“(議会や企業、公的機関などが)案や議題、問題について意見を尋ね求める”という意味があります。
簡単に言えば、”お伺(うかが)いを立てる”といったところでしょうか。
- “(議会や企業、公的機関などが)案や議題、問題について意見を尋ね求める”
ちなみに「諮」の字を用いた熟語には「諮問(読み方:”しもん”)」というものがあります。ニュース記事などで見る「諮問委員会」とは、”意見を尋ね求める”ための有識者たちの集まりのことです。
“意見を尋ね求める”先は個人ではない
“意見を尋ね求める”先は個人ではありません。
政治の世界であれば特に議会、公的機関であれば専門家会議や有識者会議など有識者を集めた組織に”意見を尋ね求め”ます。
また、企業であれば社内の会議や取締役会、株主総会。その他団体であれば総会や理事会、委員会、審議会などといったものに”意見を尋ね求め”ます。
- 政治-議会
- 公的機関-専門家会議・有識者会議
- 企業-会議・取締役会・株主総会
- その他団体-総会・理事会・委員会・審議会
「諮る」と「謀る」の意味の違いとは?
「諮る」と同じ読みをするものに、「謀る」という言葉があります。
いずれの漢字も、ごんべんを用いているので混同している人も少なくないのですが、「謀る」という言葉には”他人をだます”という意味があるため、誤用には注意したいところです。
「諮る」の基本的な使い方(文例)
続いて、「諮る」という言葉を用いた具体的な文例についても見てみましょう。
- 会社側は株主総会で5つの議案を「諮る」。
- 取締役会に人事案を「諮る」。
- 条例案を議会に「諮る」。
- 専門家会議に県の構想を「諮る」。
このように用いられます。
「諮る」の同義語・類義語
同義語・類義語にはどのような言葉があるでしょうか?
「諮る」に似た言葉には「お伺いを立てる」や「お尋ねする」などといった言葉があります。
- 「お伺いを立てる」
- 「お尋ねする」
いずれにせよ、「諮る」という言葉はビジネスシーンでもよく用いられる言葉なので、社会人の常識として意味を知っておきたいところです。
以上、「諮る」の意味と使い方についての説明でした。参考になれば幸いです。
- 諮問
(Wiktionary)
※本記事は2016年9月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。