「革新的な公約を掲げて当選したA氏には『有言実行』で改革を進めることが求められている」「新社長は、寡黙で多くは語らないが、リーダーシップを持った『不言実行』タイプだ」……。
このように様々なシーンで頻繁に見聞きする「有言実行」と「不言実行」という四字熟語。
ここでは、それぞれの言葉に、いったいどのような意味や使い方があるのかを確認します。

部長は有言無実行ですね!
目次
「有言実行」の意味とは?
まずは、それぞれの言葉の意味の確認からしましょう。
「有言実行」の読み方は”ゆうげんじっこう”。
“自分で発言した内容に責任を持ち実行すること”という意味を持つ言葉です。
- “自分で発言した内容に責任を持ち実行すること “
「不言実行」の意味とは?
一方の「不言実行」の読み方は”ふげんじっこう”。
こちらは、”不平不満などを言わず黙々とすべきことを行うこと”という意味があります。
- “不平不満などを言わず黙々とすべきことを行うこと”
「不言実行」から生まれた「有言実行」という言葉
対義語として扱われる、これらの言葉ですが、本来は「不言実行」という四字熟語が先に存在し、その後、「有言実行」という言葉が生まれたのだとか。
「有言実行」という言葉は、現在、特にスポーツに関連した報道で多用されます。
例えば、「金メダルを獲る」と宣言したうえで、世界選手権やオリンピックで宣言通り次々と結果を出していった水泳の北島康介(きたじま こうすけ)選手などは、まさに「有言実行」の代表例だと言えるでしょう。
「有言実行」と「不言実行」、どっちがカッコいい?
ところで、ビジネスパーソンにとって「有言実行」と「不言実行」、どちらがカッコいいものなのでしょうか?
若い人の間では、スポーツ選手に代表されるように、自分に対しプレッシャーをかける意味で自身の目標を明確に公言したうえで実現していくことがカッコいいとされる風潮があり、”自分で発言した内容に責任を持ち実行する”「有言実行」であることが、カッコいいとされています。
しかしながら自分の目標を明確に公言しても、実際に実現ができないこともあり、その際には「有言無実行(有言不実行)」や「口先だけの人間」などと周囲から揶揄される可能性もあります。
「有言実行」と「不言実行」、どっちがカッコいいとは一概には言えませんが、”不平不満などを言わず黙々とすべきことを行う”「不言実行」であったほうが、ビジネスパーソンとしては無難かもしれませんね。
「有言実行」と「不言実行」の具体的な文例
それぞれの言葉を用いた具体的な文例についても見てみましょう。
- 王座奪取を宣言していた挑戦者は、「有言実行」の新王者となった。
- 新社長は「有言実行」で改革を進めようとしている。
- 革新的な公約を掲げて当選したA氏には「有言実行」で改革を進めることが求められている。
- ビジネスの世界では黙って実行あるのみの「不言実行」が好まれる。
- 自分の目標を堂々と公言する同世代の仲間に比べ、B選手は「不言実行」タイプの典型だった。
- 新社長は、寡黙で多くは語らないが、リーダーシップを持った「不言実行」タイプだ。
このように用いられます。
いずれにせよ「有言実行」も「不言実行」も、何かしらの物事を達成したうえで評される言葉。
ビジネスパーソンとしては、くれぐれも「有言無実行」や「口先だけの人間」だと周囲から揶揄されないように注意してくださいね。
以上、「有言実行」と「不言実行」の意味と使い方についての説明でした。参考になれば幸いです。
※本記事は2016年10月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。