韓国の財閥企業・韓進海運の倒産で注目される「利子補償倍率」と「ゾンビ企業」の意味とは?

「『利子補償倍率』が1倍未満とは、営業利益で有利子負債の利子費用をカバーできない危険な状態を意味する」「韓国の財閥企業の多くは、金融支援でなんとか生き延びる『ゾンビ企業』状態だ」……。

2016年9月に韓国の財閥企業のひとつ『韓進海運』が倒産することで注目されるようにになった、「利子補償倍率」と「ゾンビ企業」という言葉。

この二つの言葉には、いったいどのような意味があるのでしょうか?


韓国の財閥企業・韓進海運の倒産で注目される「利子補償倍率」と「ゾンビ企業」の意味とは?

有利子負債の利子が払えないと元本が増えていく……


「利子補償倍率」の意味とは?

まずは「利子補償倍率」という言葉の意味の確認からしましょう。

「利子補償倍率」とは企業の債務返済能力を示す指標のひとつで、”営業利益(本業の儲け)を有利子負債(現在借りている借金)の利子費用で割った値”のこと。

「利子補償比率」と呼ばれることもあります。

韓国関連のビジネス記事で、近年よく登場してくる言葉です。

「利子補償倍率」(読み方:”りしほしょうばいりつ”)の意味
  • “営業利益(本業の儲け)を有利子負債(現在借りている借金)の利子費用で割った値”

この値が高ければ高いほど企業の債務返済能力は健全であり、低ければ低いほど企業の債務返済能力に問題が出てくる、あるいは企業に資金を貸し付ける金融機関にとっても潜在的なリスクになりうるということになります(ちなみに営業損失が出た場合には、「利子補償倍率」の数値はマイナスになります)。

特に問題となるのは、企業の「利子補償倍率」が1倍未満になった場合です。

企業の「利子補償倍率」が1倍未満は何を意味するのか?

企業の「利子補償倍率」が1倍未満ということは、”営業利益(本業の儲け)で、有利子負債(現在借りている借金)の利子すら返せない状態”を意味します。

簡単に言えば、借金の金利すら払いきれないということ。

借金の金利すら払いきれないということは、”有利子負債(現在借りている借金)の元本が減らず、むしろ増え続けるという恐ろしい状態”であり、企業がとても危険な財務状態にあることを意味します。

企業の「利子補償倍率」が1倍未満の意味
  • “営業利益(本業の儲け)で、有利子負債(現在借りている借金)の利子すら返せない状態”
  • “有利子負債(現在借りている借金)の元本が減らず、むしろ増え続けるという恐ろしい状態”

「利子補償倍率」が3年連続で1倍未満の企業は「ゾンビ企業」と呼ばれる

この「利子補償倍率」が3年連続で1倍未満の企業は、ほとんど死にかけていることになぞらえて「ゾンビ企業」と呼ばれます。

「ゾンビ企業」(読み方:”ゾンビきぎょう”)の意味(韓国)
  • “「利子補償倍率」が3年連続で1倍未満の企業”

「ゾンビ企業」のほとんどは、金融機関が追加融資や貸出期間を延長するなどといった金融支援策によって延命しており、実際にはいつ倒産してもおかしくない状態にあります。

ちなみに韓国国内では、この「ゾンビ企業」が急激に増加しているのだとか。

韓国国内で増加している「ゾンビ企業」

2015年に韓国銀行が実施した調査によると、韓国国内での「利子補償倍率」が3年連続で1倍未満の企業の比率は、2009年の12.8%(2698社)から2014年には15.2%(3295社)にまで高まっています。(※韓国・中央日報日本語版の記事より引用)

『大韓航空』や今回経営破たんした『韓進海運』などを傘下に抱える韓国の財閥・韓進グループは、以前よりグループ内企業の「利子補償倍率」の危険性や、「ゾンビ企業」化が指摘されていました。

経済の低迷が伝えられている韓国経済ですが、今後も韓国関連のビジネス記事では、この「利子補償倍率」と「ゾンビ企業」という二つの言葉に注目していきたいところです。

以上、「利子補償倍率」と「ゾンビ企業」の意味についての説明でした。参考になれば幸いです。

※本記事は2016年9月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。