「B社の業績をV字回復させたC社長は、いずれのインタビューにおいても社員の努力を評価し、自身の手腕を『鼻にかける』ようなことはなかった」……。
このようにビジネスシーンでもよく用いられる「鼻にかける」という慣用句。
いったいどのような意味や使い方があるのでしょうか?

僕は一応東大卒なんだけどパパとママはハーバードなんだ……
「鼻にかける」の読み方と意味とは?
まずは「鼻にかける」という表現の意味の確認からしましょう。
「鼻にかける」とは、”(自分の能力や実績などを)自慢する”といった意味を持つ表現です。
- ”(自分の能力や実績などを)自慢する”
もちろん、能力や実績以外にも、学歴であったり地位、出自、所有物、給与額など、あらゆるものが「鼻にかける」対象となります。
例えば漫画『ドラえもん』に登場するキャラクター・スネ夫。彼はいつも様々なことを自慢していますが、「鼻にかける」という表現は、彼がいつも自慢している姿にピッタリの表現かもしれません。
また、「鼻にかける」のように「鼻」を用いた表現には、”得意げな様子”を表した「鼻が高い」や、”嫌味な様子”を表した「鼻につく」などといったものがあり、いずれもネガティブなイメージを持つ表現となります。
「鼻にかける」を用いた具体的な文例
具体的な文例についても見てみましょう。
- 経営企画部の新入社員Aさんは、学生時代は成績優秀、スポーツ万能の才女であったが、それを「鼻にかける」ことのない気さくで明るい性格であり、入社直後から社内中の男性社員の人気者となった。
- B社の業績をV字回復させたC社長は、いずれのインタビューにおいても社員の努力を評価し、自身の手腕を「鼻にかける」ようなことはなかった。
- 開発室のDさんは会社の業績を飛躍させた功労者だが、それを「鼻にかける」尊大な態度は一度たりとも見せたことがない。
このように用いられます。
「鼻にかける」の同義語・類義語
「鼻にかける」に似た言葉には「自慢する」や「得意げになる」、「調子にのる」、「うぬぼれる」、「天狗になる」などといった言葉があります。
- 「自慢する」
- 「得意げになる」
- 「調子にのる」
- 「うぬぼれる」
- 「天狗になる」
いずれもネガティブなイメージを持つ言葉ですね。
いずれにせよ、「鼻にかける」という言葉は社会人の常識として意味を知っておきたいところ。
またビジネスパーソンとして、周囲から「あいつは『鼻にかけて』イヤな奴だ」と言われないよう言動には注意したいものです。
以上、「鼻にかける」の意味と使い方についての説明でした。みなさんの参考になれば幸いです。
- 骨川スネ夫
(Wikipedia)
※本記事は2016年12月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。