「便宜的」「便宜上」「便宜を図る」…「便宜」の意味と使い方とは?

「D市は様々な問題点を抱えているが、ここでは『便宜』上、財政面のみを考察の対象とする」「前市長は、A社の公共工事受注に『便宜』を図る見返りとして、業者から多額の現金を受け取った」……。

このようにビジネス系の記事やニュース記事でもよく用いられる「便宜」という言葉。

いったいどのような意味や使い方があるのでしょうか?


「便宜的」「便宜上」「便宜を図る」…「便宜」の意味と使い方とは?

便宜を図ってもらえるとうれしーです


「便宜」の読み方と意味とは?

まずは言葉の読み方と意味の確認からしましょう。

「便宜」の読み方は”べんぎ”。

核となる意味は、”都合よく(何かを)すること”になります。

「便宜」という言葉は、単独で用いられることは少なく、「便宜的」や「便宜上」、あるいは「便宜を図る」などといった表現で用いられます。

「便宜」(読み方:”べんぎ”)の意味
  • ”都合よく(何かを)すること”
  •  ① ”(利便性を考慮して、あるいは一時しのぎとして)都合のよい方法を優先させること”
    (⇒「便宜的」「便宜上」)

     ② ”相手の都合に合わせ特別な扱いをすること”
    (⇒「便宜を図る」)

「便宜」の基本パターン
  • 「便宜的」
  • 「便宜上」
  • 「便宜を図る」

また、「便宜を図ること」を「便宜供与(読み方:”べんぎきょうよ”)」と呼ぶこともあります。

「便宜」を用いた具体的な文例

具体的な文例についても見てみましょう。

まずは「便宜的」と「便宜上」から。

「便宜的」「便宜上」を用いた具体的な文例
  • この分析手法は様々な呼び方があるが、ここでは「便宜的」に『A』という名称で統一したい。
  • 大学の教員を『政治学者』、マスメディアに勤務している者を『政治ジャーナリスト』、大学やマスメディアに属さずフリーランスで活動している者を『政治評論家』、と「便宜的」に呼び分けていることも多い。
  • 中東と近東の総称である『中近東』という言葉は、主に「便宜上」の理由から使われる用語であり、その範囲は時と場合によって異なる。
  • D市は様々な問題点を抱えているが、ここでは「便宜上」、財政面のみを考察の対象とする。
  • 実際には未婚 / 既婚の別や様々な年齢階層を考慮しなければならないが、本稿では「便宜上」、男性 / 女性と単純に二分して考える。

このように用いられます。

ライトな口語表現で、「こうしたほうが便利なんで~」「とりあえず~」などと表現されるものを少し硬く表現すると、「便宜的(に)」や「便宜上」となると言ってもよいかもしれません。

続いて「便宜を図る」の文例。

「便宜を図る」を用いた具体的な文例
  • 前市長は、A社の公共工事受注に「便宜を図る」見返りとして、業者から多額の現金を受け取った。
  • 新卒採用の担当者であるAさんは、採用選考で役員の親類に「便宜を図る」よう上司から依頼された。

このように用いられます。

文例のように、「便宜を図る」の表現は、贈収賄(ぞうしゅうわい)など汚職に関連したニュース記事で見かけることが多いため、どちらかというとネガティブなイメージを伴いやすい言葉です(もちろんネガティブなイメージを伴わないで用いられるケースもあります)。

「便宜的」「便宜上」「便宜を図る」の同義語・類義語

最後に同義語・類義語についても考えてみましょう。

「便宜的」「便宜上」に似た言葉には、「利便性を考慮して」や「とりあえず」、「暫定的」、「都合がよい」などといった言葉があります。

「便宜的」「便宜上」の同義語・類義語
  • 「利便性を考慮して」
  • 「とりあえず」
  • 「暫定的」
  • 「都合がよい」

一方、「便宜を図る」に似た言葉には「特別扱いをする」や「口利きをする」、「斡旋(あっせん)をする」、「仲介をする」などといった言葉があります。

「便宜を図る」の同義語・類義語
  • 「特別扱いをする」
  • 「口利きをする」
  • 「斡旋(あっせん)をする」
  • 「仲介をする」

いずれにせよ「便宜」という言葉は、ビジネス系の記事やニュース記事、さらには様々なシチュエーションで用いられる言葉なので、社会人の常識として意味を知っておきたいところです。

以上、「便宜」の意味と使い方についての説明でした。みなさんの参考になれば幸いです。

「便宜」について深く知る参考リンク

※本記事は2017年1月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。