「和洋折衷」に「折衷案」…「折衷」の意味と使い方とは?

「横浜には、和風と洋風の要素を『折衷』した明治期の建築物が数多く残っている」「市は駅の高架化に関して、有識者で作った素案にこだわらず、地域住民の意見と折り合いを付けた『折衷』案を年内に提案する考えを示した」……。

このように様々なシチュエーションで見聞きする機会が多い「折衷」という言葉。

いったいどのような意味や使い方があるのでしょうか?


「和洋折衷」に「折衷案」…「折衷」の意味と使い方とは?

折衷案を考えてきました~!


「折衷」の読み方と意味とは?

まずは、言葉の読み方と意味の確認から。

「折衷」の読み方は”せっちゅう”。

少し難しい読み方なので注意しましょう。

基本的な意味は、”二つ以上の異なる要素を持つもののよい部分を合わせて一つにしたもの”です。

「折衷」(読み方:”せっちゅう”)の意味
  • ”二つ以上の異なる要素を持つもののよい部分を合わせて一つにしたもの”

簡単に言えば、”よいところ取りをして一つにすること”になります。

「折衷」の基本的な使い方

基本的な使い方(基本パターン)にはどのようなものがあるでしょうか。

「折衷」という言葉は、単に「折衷(する)」という表現で用いる以外にも、「和洋折衷」や「折衷案」、「折衷主義」などといった表現がよく用いられます。

「折衷」の基本パターン
  • 「折衷(する)」
  • 「和洋折衷」
  • 「折衷案」
  • 「折衷主義」

「和洋折衷」の意味とは?

例えば「和洋折衷」。

高校受験や大学受験の国語の入試問題でも意味が問われることが多い有名な四字熟語ですね。

「和洋折衷」とは、”和風と洋風のよい部分を合わせて一つにした様式”という意味を持つ概念です。

欧米の文化が日本に数多く伝わった幕末期に、朱子学者の斎藤拙堂(さいとう せつどう)が、「西洋の文物でも優れているものはそれを認めて導入しよう」と主張したのがはじまりなのだとか。

「和洋折衷」(読み方:”わようせっちゅう”)の意味
  • ”和風と洋風のよい部分を合わせて一つにした様式”

西洋の文化が多く伝わった明治期には、料理や建築物、服装など、主に文化的な分野で「和洋折衷」が取り入れられました。

身近な例を挙げるとするなら、和風のあんこと洋風のパンを組み合わせたあんパンが、代表的な「和洋折衷」になるでしょう。

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「折衷案」の意味とは?

また、政治に関するニュースやビジネスシーンでは「折衷案」という言葉もよく見聞きします。

この「折衷案」。本来は、”二つ以上の異なる案の〈よい部分を合わせて〉一つにした案”を意味し、前向きでポジティブなイメージを持つ言葉です。

ただ、現在一般的には、”二つ以上の(利害が反するなど)異なった案の〈折り合いをつけ〉一つにした案”、つまり「妥協案」と同じ意味で用いることが多いようです。

「折衷案」(読み方:”せっちゅうあん”)の意味
  • ”二つ以上の異なる案のよい部分を合わせて一つにした案”
  • ”二つ以上の(利害が反するなど)異なった案の折り合いをつけ一つにした案(=「妥協案」)”

政治に関するニュースやビジネスシーンで「折衷案」という言葉が出てきた場合には、多くのケースで「妥協案」に読み換えることができます。

「折衷」を用いた具体的な文例

具体的な文例も見てみましょう。

「折衷」を用いた具体的な文例
  • 横浜には、和風と洋風の要素を「折衷」した明治期の建築物が数多く残っている。
  • フランス人が設計した富岡製糸場は、壁はレンガ造り、屋根は日本瓦とまさに和洋「折衷」の建築物である。
  • A案とB案の「折衷」案が、現実的な着地点を見出すことができる解決策だ。
  • 新しい税制改革案は、A案とB案の折り合いをつけた「折衷」案となりそうだ。
  • 市は駅の高架化に関して、有識者で作った素案にこだわらず、地域住民の意見と折り合いを付けた「折衷」案を年内に提案する考えを示した。

このように用いられます。

「折衷」の同義語・類義語

最後に同義語・類義語について考えてみましょう。

本来の「折衷」の意味に似た言葉には、「よい部分を合わせること」や「よいところ取りをすること」などといった表現があります。

また、「折衷案」のように”妥協”の意味で用いられる「折衷」に似た言葉には、「折合い」や「歩(あゆみ)寄り」、「譲歩」などが挙げられるでしょう。

「折衷」の同義語・類義語
  • 「よい部分を合わせること」
  • 「よいところ取りをすること」
  • 「折合い」
  • 「歩(あゆみ)寄り」
  • 「譲歩」

いずれにせよ、「折衷」という言葉は様々なシチュエーションで見聞きする機会が多い言葉なので、社会人の常識として意味を知っておきたいところです。

以上、「折衷」の意味と使い方についての説明でした。みなさんの参考になれば幸いです。

「折衷」について深く知る参考リンク

※本記事は2017年1月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。