職務経歴書に書くのは「能力」「才能」「技術」「スキル」どれ?

職務経歴書に書くのは「能力」「才能」「技術」「スキル」どれ?

職務経歴書に「コミュニケーション能力が高い」と書く人がいますが、そういった能力や才能は書くべきものではありません。

就職活動のエントリーシートと、転職活動の職務経歴書では、書くべき内容が違うのです。

では職務経歴書に書くべきなのは「能力」「才能」「技術」「スキル」のどれなのでしょうか?

まず、それぞれの言葉の意味から確認しましょう。

「能力」とは

「能力」とは、何かをするときに必要な力や資質のことです。

例えば、計算能力やコミュニケーション能力などがあります。

「能力」は、生まれつき持っているものもあれば、学習や経験によって身につけるものもあります。

「能力」をアピールするときには、具体的な事例や成果を示すことが効果的です。

以下は自己PRの例文です。

私はコミュニケーション能力が高く、チームプロジェクトではリーダーとしてメンバーの意見をまとめたり、発表を担当したりしました。 その結果、プロジェクトは無事に成功し、教授からも高い評価をいただきました。

「才能」とは

「才能」とは、生まれつき持っている特別な能力や素質のことです。

例えば、音楽的才能や芸術的才能などがあります。

「才能」は、「能力」よりも希少性や独自性が高く、他の人と差別化できるものです。

「才能」をアピールするときには、自分がどのようにその才能を発揮してきたかや、その才能がどのように仕事に役立つかを説明することが大切です。

以下は自己PRの例文です。

私は幼い頃から音楽的才能に恵まれており、ピアノやギターなど様々な楽器を演奏できます。音楽を通じて感情や思いを伝えることが得意で、人とコミュニケーションするスキルにも繋がっています。 また、音楽を作ることで創造力や発想力も養われました。 このような才能を活かして、お客様のニーズに応えるオリジナルなサービスや商品を提供したいと考えています。

「技術」とは

「技術」とは、実際に何かを作ったり行ったりするために必要な方法や手段のことです。

技術は、「理論の学習」や「実技の練習」で身につけられます。

例えば、プログラミング言語を使ってアプリを開発することや、エクセルを使ってデータを分析することなどが「技術」にあたります。

職務経歴書では「一定レベルの技術をもっているか」が評価されます。

「一定レベルの技術をもっている」ことをアピールするには、「資格」をとることが一般的によく行われます。

「スキル」とは

「スキル」とは、特定の分野や業務で必要とされる知識や技能のことです。

スキルは、技術のいわば「応用」です。技術を使って何かを成し遂げる能力のことを「スキル」と呼びます。

技術は「学習」や「練習」で身につけますが、スキルを身につけるには、一般的に「経験」しかありません。

例えば、コミュニケーションやプレゼンテーション、リーダーシップなどはスキルにあたります。

職務経歴書では「すぐれた『スキル』をもっているか、そのスキルを活用して実績を上げているか」が評価されます。

「スキルを持っている」ことをアピールするには、とにかく「数字にあらわれる実績」をアピールします。

転職活動の職務経歴書には「スキル」「技術」を書く

「能力」「才能」「技術」「スキル」の中で、職務経歴書に書くべきものは、「スキル」と「技術」です。

なぜなら、これらは自分が具体的に何ができるかを示すものであり、採用担当者が求める即戦力や専門性をアピールできるからです。

一方、「能力」と「才能」は、職務経歴書に書くべきではありません。

「能力」や「才能」は抽象的で主観的なものであり、具体的な根拠や証明がないと信憑性が低くなります。

例えば、職務経歴書に「コミュニケーション能力が高い」と書く人がいますが、それを裏付ける事実や数字がなければ信憑性がありません。

「能力」や「才能」は、採用担当者が客観的に評価するもので、自分でアピールするものではないと考えましょう。

就職活動のエントリーシートには「能力」と「才能」を書く

基本的に「能力」は、採用担当者が客観的に評価するもので自分からアピールするものではないのですが、例外があります。

仕事の経験がない(少ない)ことが前提の応募枠では、「能力」を書いても問題ありません。

つまり、新卒(第二新卒)の就職活動など、仕事の経験がない(少ない)応募枠なら、エントリーシートに「コミュニケーション能力が高い」と書いても問題ありません。

ただ、この場合にも2点の注意点があります。

「スキル」「技術」を優先して「能力」で補足

「スキル」「技術」でアピール事項があるならそれを優先し、「スキル」「技術」でアピールが足りない分を「能力」で補足するようにしましょう。

根本的に「『能力』は採用担当者が客観的に評価するもので自分からアピールしても信憑性が低い」という原則があります。

なので、限られた字数の中で、ボリュームを割くべきなのは「スキル」や「技術」のアピール事項です。

「能力」を裏付ける事実や数字をセットで

また「能力」を書くときには、それを裏付ける事実や数字をセットで必ず書きましょう。

根本的に「『能力』は自分でアピールしても信憑性が低い」のです。信憑性をもたせるためには、裏付ける事実や数字を丁寧に説明するしかありません。

就職活動に失敗しても転職活動で再チャレンジ

最後まで読んでいただきありがとうございます。

ここまで見てきたように「就職活動(新卒、第二新卒)」と「転職活動」では、評価のポイントが異なります。

就職活動では、主に「能力」「才能」が評価されます。

面接官は授業やクラブ活動などの経験を細かく聞き、あなたの「素質」を評価しようとします。

子供の頃から「得意分野」がはっきりしていていた人は有利でしょうが、これといった「得意分野」がなく、いわば「普通」だった人には不利な傾向が、正直あります。

ただ、社会人経験が3年を超え、本格的な「転職活動」になると、評価のポイントが変わります。

「スキル」と「技術」、つまり「これまでの社会人経験でどんな得意分野ができたか」が評価されます。

面接官は、過去の会社での「仕事内容」、その仕事で出した「実績」を評価します。 もはや、学生までの経験は関係ありません。

ですので、新卒の就職活動で希望の会社に入れなくとも、落ち込むことはありません。 社会人経験が3年を超えれば、全く違う「ルール」で転職活動ができるのですから。

関連記事

職務経歴書では、内容の薄い開発運用の経歴を「PDCAサイクルをまわした」と書こう

ITエンジニアが職務経歴書を書くとき「細かなバグ修正を繰り返しただけで一言で書ける実績がない」職歴の書き方に悩むことがあります。開発でも運用でも、プロジェクトのフェーズによっては、どうしても大量の細かな仕事が中心になってしまうことがあります。 こんなときは「PDCAサイクルをまわした」と書いてみましょう。

目次
メインメニュー