IT企業の執行役員と合コンするなら会社の売上高を見ろ!?「執行役員」の意味とは?

「ねぇねぇ聞いて聞いて~、実は『執行役員』と合コンが決まったの~!マジサイコー!」……。と、某IT企業に勤める肉食系キラキラ女子・A子さんはウキウキで周囲に話しています。

でもちょっと待って!A子さんに水を差すようで申し訳ないのですが、「執行役員」もピンからキリまでいるんです。

というわけで、ここでは「執行役員」の意味を確認したいと思います。

執行役員と合コンするなら会社の売上高を見ろ!?「執行役員」の意味とは?

「『執行役員』……マジすごす!マジすごす!」


「執行役員」の意味とは?

まずは「執行役員」という言葉の意味の確認から。少しお堅い話が続くので、合コンの話を読みたい人はどんどん飛ばしてください。

「執行役員」(読み方:”しっこうやくいん”)の意味
  • “企業の業務執行にあたる役員”

従来の伝統的な日本企業においては、いわゆる経営陣として「取締役(会)」が存在し、その下に本部長職や部長職などといった職位がヒエラルキー状に存在しています。

そして「取締役(会)」は、《経営の意思決定》とヒエラルキー状組織の《監督・業務執行機能》の両方を行うとされています。

しかし1990年代以降、この《経営の意思決定》と《監督・業務執行機能》を分離させる「執行役員制度」が多くの企業で取り入れられるようになりました。

「執行役員制度」を導入した企業では、「取締役(会)」は《経営の意思決定》に専念、「執行役員」はヒエラルキー状組織の《監督・業務執行機能》と、役割分担をするようになったのです。

というわけで「執行役員」とは、一般的には「取締役(会)」の意思決定に基づいて現場を指揮する責任者ということになるわけです。

「執行役員」をわかりやすく考えてみる

例えば、「取締役(会)」が創業者一族で占められる同族経営の企業を例に考えてみましょう。

先代の社長が亡くなり、商社に勤めていた長男が呼び戻され新社長に就任したとします。新社長は経営のことは何とかわかりますが、実際の現場のことは何も掌握していない。肝心の現場は先代の社長がトップダウンで部下に指示を与えていた……。

そんな際に、新社長が頼るのは現場の責任者たち。同族経営なので彼らを《経営の意思決定》をする「取締役(会)」に入れることはできませんが、「執行役員」という地位を与え《監督・業務執行機能》を与えることで、新社長は《経営の意思決定》に専念することができるでしょう。

“経営には口出しできない現場の責任者”……。それが「執行役員」のわかりやすい意味です。

「執行役員」のわかりやすい意味
  • “経営には口出しできない現場の責任者”

「執行役員」がややこしい理由

ちなみに「執行役員」の概念は会社法には存在しません。

これが「執行役員」の存在をややこしくしている理由であり、会社によって「執行役員」の扱いは(給与などの待遇を含めて)微妙に異なってきます。

中には……

様々な「執行役員」
  • 代表取締役社長執行役員
  • 取締役専務執行役員
  • 取締役執行役員

と、「『執行役員』の名称つけなくてもいいじゃん」とツッコミたくなるような企業も存在します。

大企業におけるポスト不足による「執行役員」の量産

また、大企業の中には、「取締役」のポスト不足による「執行役員」の量産が行われるケースもあります。

特に大企業においては、銀行など社外から「取締役」を迎えるケースが多々あり、一方で「取締役」適齢期を迎える人材を多数抱えているため、必然的に「取締役」のポスト不足が問題となります。

その解決策として、「執行役員」という使い勝手のよいポストを量産させるというわけです。

ただ、大企業(主に上場企業)における「執行役員」の待遇は比較的よいものであるため、企業にとっても「執行役員」にとってもメリットのあるものかもしれません。

IT企業・ベンチャー企業の「執行役員」は若い人が多い

近年では、IT企業・ベンチャー企業においても「執行役員」の役職名を多く聞くようになりました。

IT企業・ベンチャー企業における「執行役員」は、20代・30代と比較的若い人が多いのが特徴です。

冒頭の例に出した、某IT企業に勤める肉食系キラキラ女子・A子さんの合コン相手も、おそらくこの辺りではないでしょうか。

しかし、合コン相手としてちょっと注意(?)してほしいのが、IT企業・ベンチャー企業における「執行役員」なのです。

給与などの待遇がマネージャークラスと変わらない「執行役員」も

IT企業やベンチャー企業において、「取締役」は主に創業メンバーやVC(ベンチャーキャピタル)が送り込んだ人材によって占められることがほとんどです。

その下に位置する「執行役員」は名目上は役員ですが、実際は給与などの待遇がマネージャークラスと変わらない”名ばかり”「執行役員」も少なくありません。

もちろん、もしA子さんの合コン相手の勤める企業が、すでに売上高が大きかったり(年商10億以上)、従業員数が多ければ(100人以上)、将来有望な「執行役員」かもしれませんね。

しかし、中にはVC(ベンチャーキャピタル)から出資金を引っ張ってくるのだけがお仕事のようなIT企業やベンチャー企業が存在するのも事実です。そういった企業に勤める「執行役員」は、”名ばかり”「執行役員」であるばかりか数年たったら無職になっている可能性もあるのです。

IT企業やベンチャー企業の「執行役員」と合コンするなら会社の売上高を見ろ!?

合コン相手の勤める企業が、VC(ベンチャーキャピタル)から出資金を引っ張ってくるのだけがお仕事のようなIT企業やベンチャー企業かどうかを見分けるのは簡単です。

それは、単純に彼の勤める企業の売上高を見ればいいだけの話。

「執行役員」の名前に釣られるのではなく、アニメ『ドラゴンボール』の戦闘力ではありませんが、きちんと彼の勤める企業の売上高を確認しましょう(これは「執行役員」に限った話ではありませんが……)。

売上高が限りなくゼロに近いIT企業やベンチャー企業も、この広い世の中には存在するのです。

以上、「執行役員」の意味についての説明でした。肉食系キラキラ女子の皆さんの参考になれば幸いです。

※本記事は2016年6月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。