高くても低くても大変!「参入障壁」の意味と使い方とは?

低けりゃいいってものでもない

「業界特有の旧態依然とした慣習が『参入障壁』となり、新規参入する企業は極めて少ない」「『参入障壁』が低い業界は、競争も激しく大きな成功は困難である」……。

このようにビジネス記事でよく見る言葉に「参入障壁」というものがあります。

いったいどのような意味や使い方があるのか、ここでは考えてみたいと思います。


高くても低くても大変!「参入障壁」の意味と使い方とは?

高くても低くても大変なんだってば!


「参入障壁」の読み方と意味とは?

まずは言葉の読み方と意味の確認から。

「参入障壁」の読み方は、”さんにゅうしょうへき”。

”企業が市場へ新規参入する際に壁(=障壁)となるもの”という意味です。

「参入障壁」(読み方:”さんにゅうしょうへき”)の意味
  • ”企業が市場へ新規参入する際に壁(=障壁)となるもの”

個人が新規に事業を起こす際や、企業が本業とは異なる業種へ参入する際、もしくは国外の企業が国内に参入する際には、多かれ少なかれ壁(=障壁)となるものが存在します。

それを「参入障壁」と呼びます。

壁(=障壁)となるものとは?

壁(=障壁)となるものには、国や地方公共団体による法規制(例:海外の小売企業にとって、日本国内にかつて存在した『大規模小売店舗法』)や、巨額の設備投資費用(例:製造業における工場の建設)、あるいは技術やノウハウ業界の閉鎖的な慣習など様々なものがあります。

これらの存在のため、企業が市場への新規参入を検討したのだけれども、結果的に断念する……なんてことも、よくある話です。

企業が市場へ新規参入する際に壁(=障壁)となるものの一例
  • 国や地方公共団体による法規制
    (例:海外の小売企業にとって、日本国内にかつて存在した『大規模小売店舗法』)
  • 巨額の設備投資費用
    (例:製造業における工場の建設)
  • 技術やノウハウ
  • 業界の閉鎖的な慣習

「参入障壁」は高くても低くても大変

「参入障壁」が高い場合、企業が市場へ新規参入するためには多くの困難を伴います。しかし参入後の競争は少なくなるので、多額の利益を得る可能性も秘めています。

例えばガチガチに法規制で固められ、許認可を取得するのが困難な業界の場合、参入後は(いわゆる既得権益で)保護されているため、競合も少なく利益を得やすくなるでしょう。

逆に「参入障壁」が低い場合、市場への新規参入のしやすさから多数の競合企業が市場に参入してくるため、過当競争に陥りやすく(「参入障壁」が高い場合に比べて)参入後の企業努力が相当必要となります。

例として適切かはわかりませんが、例えば飲食業界。資金さえあれば割と簡単に開業ができるものの、開業後の競争が極めて大変なのは、みなさんもご存じの通りです。

「参入障壁」は高くても低くても大変
  • 参入障壁が高い
     ⇒ 市場へ新規参入しにくいが、参入後の競争が少なく利益も多くなる可能性がある
  • 参入障壁が低い
     ⇒ 市場へ新規参入しやすいが、競争も激しいため利益が少なくなる可能性がある

というわけで、「参入障壁」は高くても低くても大変、ということになるのです。

言葉の基本的な使い方

言葉の使い方についても考えてみましょう。

「参入障壁」という言葉は、主に「参入障壁が高い(低い)」「参入障壁がある(ない)」といった表現で用いられます。

「参入障壁」の基本パターン
  • 参入障壁が高い(低い)
  • 参入障壁がある(ない)

もうおわかりでしょうが、「参入障壁が高い」と言えば、”市場への新規参入がしにくい”ことを意味し、「参入障壁が低い」と言えば、”市場への新規参入がしやすい”ことを意味します。

具体的な文例

具体的な文例でも確認しましょう。

「参入障壁」を用いた具体的な文例
  • 業界特有の旧態依然とした慣習が「参入障壁」となっているため、この業界は新規参入する企業が極めて少ない。
  • 特定の市場は法律や慣習などで守られおり、「参入障壁」が高くなっている。
  • 「参入障壁」が低い業界は、競争も激しく大きな成功は困難である。
  • 多額の研究開発費が必要なヘルスケア分野は、それ自体が「参入障壁」となる。
  • EVは部品点数が少なく、技術的なハードルも高くないため「参入障壁」が低いとされているが、一方では自動車の安全性能に対して求められる基準が各国で非常に高いため、意外とそうでもないという意見もある。

このように用いられます。

同義語・類義語

似た言葉には「(新規参入のための)ハードル」などといった言葉があります。

「参入障壁」の同義語・類義語
  • 「(新規参入のための)ハードル」

まとめ

ここまでの内容をまとめます。

まとめ
  • 「参入障壁」とは、”企業が市場へ新規参入する際に壁(=障壁)となるもの”
  • 壁となるものの例には、法規制や設備投資費用、技術やノウハウ、慣習など様々なものがある
  • 「参入障壁」が高い場合、市場へ新規参入しにくいものの利益を多く得る可能性がある
  • 「参入障壁」が低い<場合、市場へ新規参入しやすいが競争も激しい
  • どちらがいいかは、一概には言えない

いずれにせよ、ビジネスシーンでもよく用いられる言葉なので、社会人の常識として意味を知っておきたいところです。

以上、「参入障壁」の意味と使い方についての説明でした。ビジネスパーソンのみなさんの参考になれば幸いです。

「参入障壁」について深く知る参考リンク

※本記事は2016年8月時点の情報を元に執筆されたものです。あらかじめご了承ください。